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一兆年の夜 第七十九話 天草は生贄として担ぎ出された(四)

 午後五時零分三秒。
 議論は仕事から銀河連合へと摩り替えられる。最早フクロンは仕事しない理由が見付からない。だったらフクロンは今日の会議が意味なく成るのを阻止する為に銀河連合の目的について話し合おうと決意した。それには折角空いた時間を已む無くこの議論場の為に使う羽目に成ったネズ高は納得がいかない様子。更には銀河連合の目的という一読すると議論の意味もない話を如何して持ち出すのか? 仮に議論する理由があってもネズ高だけじゃなく已む無く司会をやらざる負えないビーリを始めとした者達は納得がいかない。
 それでもフクロンはしつこく呼び掛ける。既に五時を過ぎ、もう直ぐ風呂と夕食の時間が迫ってる中で。
「良いかちゅ、良く聞け。銀河連合は唯食べるだけが目的だったら昨日まで続いた一連の連続襲撃事件を起こす理由がない。食物連鎖と呼ばれる新たな四字熟語に従って俺達生命とあいつら銀河連合は喰う喰われるの一覧表を築き上げないと意味がない。だが、実際は如何だ? 流れ星としてやって来て以降も奴らは俺達食べられてきた先祖たちの土地を喰らっただけでなく、その土地をあんな風に穢していくじゃないか。とても食う側の礼儀が成ってない。それだけじゃない。如何して空の歪みから数の年より後に流れ星として降ってくる意味がある? 国を喰らう程の規模で攻め込むその意味は何だ。明らかに食べる限度を超えた行いじゃないちゅか!
 これは如何思うんだちゅ。如何思うんだちゅ!」
 これには意外な一面を見せられて唖然とするビーリとチュンニーナ。一方で義侠心の一面を知るネズ高とウメッ禽は改めてフクロンの持つ愛の深さに感嘆してその議論に付き合う事を決める。
「ウメッ禽は兎も角としても先生まで今更な議論に付き合うのですかッテ?」
「何、定時に帰りたいちゅか?」
「いえ、時間は設けてませんので気が済むまで話し合っても構いませんがッチ」
「じゃあそうだなああん、それじゃあ銀河連合の本当の目的について話し合おうじゃないかあああい!」
「そ、その前に一旦は夕食休憩に入ろちゅ。腹が減っては浮かちゅ物も浮かばないでちゅ」
「そうだなッチ。特に平生飛んでばかりの俺みたいな蜂族にとっては運動量は尋常じゃないッチ」
「でも摂取する量が少なめで悔しいいん!」
 そこが小の種族と大の種族の違いでちゅ--気が付けば青銅缶風呂を用意し、桶で水を汲み取りに入るネズ高。
「いやあちゅ、風呂は助かちゅ」
「でも俺は入れないいいん。如何してもっと大きい青銅缶を持ってこなかったんだあああん」
「鼠族の肉体でもここまでが限界でちゅ。それなら家に戻って持って来いでちゅ」
 良く成ああい、遠いいいん--とここから自身の足で走って四十八の分も掛かる以上は断念するウメッ禽。
 結局、ウメッ禽はこの日ずっと風呂に入る事が出来なかった。風呂に入った時既に明くる日。如何してそうなのかはこの後に語られるとして今は早めの夕食を摂り、十五の分もの食事休憩も摂った五名。
 いよいよ銀河連合に関する議論が始まる。今日の予定にない議題について五名は真の刃の如く取り組む。
「では銀河連合の目的が俺達生命を食べる事について異なる論はないかッチ? 各自言ってくれッテ」
「異なるうううん。大体あいつらのせいで兄貴が死にそうに成ったああん」
「えちゅ、それ初耳だけちゅ」
「ほら、前に象族の情報収集者が兄貴に取材しに来た事があるんだんな。その時に兄貴はその象に話したんだああい」
「わかりましたッチ。では話を戻して他に異論はないかット?」
「あちゅな。ほら、一連の事件の中で出て来た物を取ちゅ行為。あれがすごちゅ引っ掛かちゅ。食べるのが目的だったらどうして物を取ちゅんだ?」
「後はわざわざ俺達の身体を乗っ取ちゅ意味でちゅ。食べちゅのが目的ならばそんな必要がないちゅ」
「銀河連合は何がしたいんだちゅ? 俺達の身体を乗っ取ったり、喰らった土地を臭いが恐ろしく気に成る程まで穢れさせたり、それから食べる物を必要以上に痛め付けてから死なせたり、あるいは逆に死なせた後に遊び半分で遺体を痛め付けたり。銀河連合は何の為に行動してるのでちゅか!」
 銀河連合には謎が多い。特にその解き明かす可からずな行動には誰もが疑問をぶつけてしまう程に。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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