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試作品 ドリーマーズアゲインよ、永遠に 手探りでお届けする駄作 (18/5)

 如何も早速だが、EPISODE3を終わらせに掛かるか。

 南オセチアの農村で生まれ育ったスターリンこと当時の名前で言うならヨシフ・ヴィッサリオノヴィチ・ジュガンシヴィリ(愛称ソソ)は当時の人達はまさかこの少年があの冷酷非道にして臆病で猜疑心の塊として権力を振るうとは夢にも思わなかっただろう。誰だって少年時代の人間を十年以上先まで見通す事は難しい。何故なら人間は予言者ではない。占い師でさえも時には金に溺れ、自らの地位を利用して金稼ぎに邁進する程に未来を見通す気は更々ないのだから。
 当然、ソソこと後のヨシフ・スターリンと名乗る名称とは正反対に軟な独裁者が幼少期に育ったゴリの町の跡に電子飛行機は降り立つ。幾ら燃費が良かろうとも有限なエネルギーは何れ底を尽く。そしてもうこの飛行機の飛ぶ姿は決して拝めない。原子力エンジンを積んで核分裂によって生じるエネルギーを電気に変換して飛行しようとも原子力エンジンは所詮有限のエネルギー。既に残り一厘だけの電力を以て核反応を緊急停止させ、星の一部として朽ち果ててゆくだろう。その際に解き放たれる放射線の心配は如何か? 心配無用。放射線は人体に及ぼさない量が放たれ続ける為に染色体が傷付くような事態には陥らない。何故なら放射能も又、星のエネルギーなのだから。今は独裁者が帰りたい故郷にて哀れにも電子飛行機は少年に帰ったスターリンの傍に付けばそれで良い。
 さて、大悪党への弔いの言葉を終えたイワノフは早速己が残り一時間しか稼働しない事を二人に告げる。理由は次の会話で簡単に明かされた。
「寧ろ頭部だけの状態で良くもここまで生命活動した物だ」
「仕方ないだろう。自分はサイボーグとして改造された際に全身の三割をレアブラックストーンで構成された。その内の一割は頭部に集中。その結果、自分の生きる願望に答えて悪魔の石は生き永らえる事を許可した」
「許可か。その表現は高圧的でとても共感しないな」
「君達日本被れの外国人は共感すると思ったな」
「共感出来るか。お前達ロシア人のせいで破壊の宴はこの世界を滅ぼし、この後に睦海が『ロストブレインシンドローム』を引き起こすきっかけを作ったのだぞ!」
「『ロストブレインシンドローム』……噂で聞いた事があるな。カズマ・エターニティはそれを浴びずに確か一万年後に唯一の最後の人間として活動を再開したと聞いたな」
「ああ、機内で語った事さ。もう良いだろう、案内しろ」
「おい、お喋りしたせいで余計にお前の寿命が怪しく成ったぞ!」
「それは実に素晴らしい」
 頭を下げる事は即ち敗北を意味し、末代まで呪われる。故にイワノフが皮肉を込めて呟いた一言にはロシア人が如何に狡賢い人種であるかがわかる。謝罪は大国を維持するのに邪魔な礼儀。故にロシア人は決して謝らない。寧ろ謝りそうな時には褒められたと思わなければ長年外交で上手く行く筈がない。
 とロシア人評はこのくらいにして、イワノフが案内するのはスターリンが自らの故郷を示す地を徹底的なまでに破壊するように秘密警察によって破壊し尽くされたゴリの学校跡。その地下に通じる道が中央にある。これには何度も地下道を訪れるカズマは最早呆れて言葉も出ない。
 如何して人間は地下に何かを隠そうとするのか? 如何して上を目指せないのか? その結果が秘密基地を始めとした秘密祭り。カズマは秘密が溢れる世界こそが陰謀論に繋がり、余計な不安を煽るのだと心の中で嘆いた。それから睦海の事を考える。
「さあ早くしてくれ。もう三十分をキッタゾ」
「本当だ。片言が出て来たな」
「急がないとイワノフが本当に死んでしまうぞ!」
 尚、地下へ繋がる道は短い。そしてイワノフのスペアパーツが揃った部屋に着く一行。二人は片言気味なイワノフの指示に従い、組み立て……そして完成。
「如何だ、上手く話せるか?」
「問題ない。あー、べぇー、ぶぇー、げぇ、でー……フウ、発音に異常は見られない」
「それなら良かった」
「本当はそのまま機能停止してくれる事を望んでいたんだけどな」
「相変わらずドイツ人の君はロシア人に対する憎しみは消えんな」
「そりゃあそうだ」
「止めろ、今はそんな事で争ってる場合じゃない。さあ、元に戻ったのだから案内してくれ」
「良いだろう。但し、そこは少々遠足する事に成るぞ」
 少々遠足する事の意味に何ら大袈裟な事はない。ロシアが開発し、それを隠した場所はスターリンの生まれ故郷。その名も南オセチア……


 済まん、更に続くぞ。

 ところがそこで待っていたのはインダス文明跡に居る筈の『破壊の宴』。余りにも早い到着の前に誰だって絶望の表情を浮かべる。ところがある男は--
「良かった、こうして全力を出せる相手と再び相見える事が出来た。思う存分、ロシアの科学力が誇る全ギミックを解放して今……世界の覇権を我が物に!」
「君は螺子が外れたのかい? ヴァイオレンスクイーンが止められない相手を君が止められると思ったらそれこそ楽観過ぎるじゃないの!」
「あいつの言う通りだ、イワノフ。フラウ夢叶は何の為に私達を生かしたと思ってる!」
 これに対してイワノフは後で紹介する言葉を遺した。その後にカズマと乙史を少年ソソの生まれた場所が示す方角を指差した。当然、宴の視線は其処へ向く--と同時に背後を取り、イワノフは内部から圧力を最大まで高めた!
「はあ、この程度で僕が」だが、宴の瞳が赤く輝き出すと同時にイワノフは頭部ごと今度こそ粉々に散った。「足を止めると思わないでよね」
 最早宴を止められる物はこの時代には存在しない。宴は部下が居なく成った事を少しも枷に成らない程にまで格が違い過ぎた。後はそのままこの地球は破壊し尽くされ、蹂躙されるというのか……否、希望はある!
「あんな簡単な仕掛けから入っていくんだね。じゃあ早速……ウグ、これは!」
 宴は異変に気付く。昨夜の言葉を思い出すと直ぐにわかる宴の隙。圧倒的な力を持つ者が同時に持たざる負えない慢心。宴はイワノフを取るに足らん存在だとして作業の如く破壊。だが、イワノフがやってのけたのは終局の旅にて人類がモノリスを倒す手段として用いたウイルス。イワノフがやったのは内部でウイルスを形成し、破壊行為が訪れると同時に破壊の一部として吸収される。それからイワノフは僅かに残る意識を以て宴の動きを十秒も足止めする事に成功するのであった!
「たったの十秒……されど僕にとっては疼きがまた訪れる為の十秒。ガインめ、僕の身体にそこまでの一撃を斬り刻むか。この仮初の人間体もそろそろ切り離すべきなのかな? でもそれは暴走するからさあ」
 その拘りが却ってカズマ達に時間を与える。

 一方のカズマと乙史は機内でイワノフが話したロシア製の『タイムゲート』について簡単な説明を受ける。だが、それを全て思い出すには余りにも学習能力に何がある模様。故に互いに意見を出し合い、三分掛けて機能の説明を思い出すに至った。
「一見すると前に乗った装置の猿真似にしか見えないな」
「そうなのか、私にはわからない。だが」
 宴は何時までも足を止めない。一刻も早く起動させないと奴は装置ごと二人を完全破壊に至る。そうすると地球の未来は……人類の未来は永遠に訪れない。カズマと乙史はここまでに死んでいった二人の言葉を思い出す。

 --如何か日本を代表してこの世界に希望の芽をお願いするよ。それからカズマ・エターニティ……君の事は永遠に忘れない!--

 --我々白人は今を大事にする。故に生にしか興味がない。けれども日本人は違った。死にしか興味がないように感じる……異常だ。だからこそ自分は最後までロシア人として嫌がらせを実行する……後は任せた!--

 二人の遺言を胸にようやく己が果たすべき使命に目覚める。それは--
「乙史……睦海は他に何かやろうとしてる事はあるか!」
「急に何を言い出すのだ、カズマ!」
「答えろ。しかも手は動かせ!」
「そう言えばあの計画にも反対していたな。結局、田淵に依って七体中五体が潰された。しかも潰された時期はこの時代から凡そ八千年前の……ってこれで完成か?」
「そ、そうだけど。そ、それよりも話は何だった?」
「つまり何が言いたい?」
「直ぐにこいつを八千年前にセットしてくれ。その時代に跳んで今度は俺達が『破壊の宴』を倒す!」
「カズマ……やっと目標が定まったな!」
「それは違うな。今でも俺は--」
「それ相談は終わりかい?」
 目の前に諸悪の根源は居た。最早二人に残されるのは刹那にも届かない時間の中で起動させ、八千年前の時代に跳ぶしか道はない。だが、出来るのか? ここにはもう昨夜もイワノフも居ない。残された道は--
「済まない、カズマあああああ!」
「お、乙史……クソ、俺がやるしかないのかああ!」
 カズマは乙史が宴を羽交い絞めする僅かな時間の中で設定して起動させるしかないが……宴の攻撃は最早常軌を逸し、既に破壊の焔はカズマの目の前まで来ていた。カズマはその時、走馬灯が走った--死の瞬間にだけ訪れる恐怖を和らげる脳のセーフティー!
 そしてカズマは訳もわからないままに意識を失い、暗闇の世界に溶け込む……

 EPISODE 3 完!


 という訳で今度こそ『ドリーマーズアゲインよ、永遠に』のEPISODE3は終わり、いよいよラストエピソードに突入。果たしてカズマは睦海の愛した世界を取り戻せるのか?
 済まない、乙史を殺すつもりはなかったが予想以上に宴は強過ぎて結果は早死にを迎えてしまった。全く強過ぎる敵はこれだから扱い辛いんだよ(嘆)!

 という訳で今回はここまで。次のエピソードでは昨夜程ではないけど、チートキャラ二人が頑張り、カズマは打倒破壊の宴の為に全ての決着を付ける為に行動してゆくぞ!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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