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試作品 ドリーマーズアゲインよ、永遠に 手探りでお届けする駄作 (17/5)

 如何もdarkvernuです。
 早速だが、取り掛かるとしようか。

 タイムゲートは破壊され、一筋の希望が立たれたかのように思われる。だが、それは行き過ぎた悲観でしかない。首だけのイワノフが唇を動かし始める。
「今から電子飛行機に乗り込め。我々がもう一つの『卵』を持つ」
「『卵』……まさかロシアは我々の技術を盗んだのか!」
「良いからさっさと走れ!」
「言われる通り電子飛行機に乗り込むしか--」
「逃がすと思ってるの、三人共?」
 だが、宴はカズマ達の進路を阻んだ。三人の目でさえ追えない速度を宴は持つ。その場で物理法則と交渉が可能なブラッドフェザーを発動する昨夜でさえも何時の間にか宴が三人の行く先を塞いだのかさえ気取らせない程の速度。
「俺達はここまでなのか?」
「ああ、長い時の物語は僕の手で終わらせてあげるから」
「万事休す!」
 昨夜が血の翼を広げても時は遅い。きっと宴の破壊の焔の方が先にカズマ達の肉を粉々に砕いて存在その物をこの宇宙から消し飛ばすだろう。ンゲルルムッドの議事堂を消し飛ばした時と同じように。ところが--
「う、ウウウ……」宴は突然、左手を鳩尾あたりにやって右膝を崩す。「古傷が……何故?」
「今なら破壊の宴を倒せるかも知れない!」
 苦しみながらも宴は昨夜の攻撃を自慢の合気道で捌くもやはり防戦に転換。ここに来て一つの奇跡が訪れる。その奇跡を無駄にしない為にも昨夜は大攻勢という名の足止めを、カズマ達はイワノフが口にした一縷の希望に懸けてそれぞれ行動を起こしてゆく。
「今しかないぞ、カズマ!」
「ああ、後は頼んだよ……昨夜!」
「大丈夫……必ず破壊の宴の首を人間達の前に差し出すよ」
 そうしてカズマ達は応募がある部屋へと戻ってゆく……
「ガインとの戦いで受けた傷が原因か。だからと言って僕が君みたいなヴァイオレンスにやられる程、落ちぶれないな」
「わかるよ、その気持ち。圧倒的な力を持った存在ってのは必ず格下に対して緩慢とした心を持つに成るの……そこに私の絶え間ない執念を乗せればお前をここで切り刻む事が出来る!」
「舐められた物だよ、ヴァイオレンスクイーン……僕が本気を出せば君みたいな神如き余裕さ!」
「もう口を塞いでくれてええ!」

 カズマ達は来た道を戻ってゆく。それは進むよりも大変な作業。それには意外と難しく、意外と早く出入り口の前に戻る事が達成された。だが、外へ出る方法がわからない。そもそも古代人は如何やって外に出たのか? 当初ではタイムゲートのある場所から経由して外へ出る物とばかり思われた。だが、宴の襲来に依ってその道は閉ざされた。あの時にもっと早く探して居れば来た道を戻るという妥協をしなくても良かった。三人の心には悔いが残る。でも悔いていては意味がない。生き残る為の博打では闇馬に全ベットを投じるのは最後の手段と成る。故に今はその時ではない。カズマと乙史は門を迫り上げる装置を探した。すると--
「そこまでだ、君達」
「折角喜ぼうと思った時に細目が来るのか!」
「我々の道は如何やら何処へ行こうとも存在すら破壊される運命にあるのか!」
「物分かりが良いね、イワノフ・セギノルフ。残念なのはウラジミールまで僕の支持を表明したロシアはそれ以降の救国政権のせいで僕に跪く事と成った。全く愚かな選択をしてくれたね」
「何が愚かだ?」
 カズマは如何して前に出るのかわからない。己が出た所で状況が変わるなど有り得ない。乙史だけじゃなく、乙史の両手に支えられて運ばれるイワノフでさえもそれは愛を『あい』と呼ぶくらい簡単な事。そんな当たり前の事実を注意するのは仲間である彼らではない。
「君は武術の達人である蟻が素人の象に如何やっても勝てないという事実を知らないのかい?」
「だからって魂まで負けてはいない。例え存在を破壊されてもお前だけには永遠に負けない!」
「冥土の土産までに何か言い残す事はないかい?」
「肉体的な死を恐れて何が日本人だ。肉体なんぞ所詮はこの世を生きる為に必要な器でしかない。俺達は例え滅ぶべき存在だったとしてもどんなに常軌を逸した破壊が来ようともお前の破壊を超える再生だって出来る」
「僕をこの国土に存在したバラモンの三神の常識に当て嵌めないでくれよね。そんなのは弱者である人間の戯言でしか--」
「いいえ、カズマは日本列島に残る魂を代表して言霊を作り上げ、それから!」
 カズマの言葉に呼応するように右腕を完全破壊されて左腕だけで宴に向けて突進する昨夜。反応が遅れたのか、宴はその刺突を首に受けてそのまま昨夜と共に壁の向こうより千メートルまで減り込まれた。そしてその衝撃は乙史が発見した装置を誤作動するかのようにその場を迫り上げてゆく。
「フラウ夢叶のお蔭で大地が迫り上がってゆくぞ!」
「それだと先程見付けた装置は無駄だったと認める訳だな」
「いや、無駄じゃない。古代人やそれを引き継いだ睦海達は今日の事を踏まえてこの仕掛けを作り上げた。また彼女に生き永らえさせられたか!」
 睦海は死んでも睦海の魂は永遠にカズマを支える。永遠にカズマを助ける。カズマは改めて睦海に感謝の意を示すように両手を二回叩いてから一礼した。勿論、乙史もやった。しかもカズマが一礼した後にイワノフを渡した後に同様の方法を以て。
 それからカズマとイワノフを持つ乙史は走る。電子飛行機が着陸した場所まで走って後二時間十二分……彼らは体力に自信がある物の一流のマラソンランナーに一歩及ばない。故に途中から息切れを起こす。特にイワノフの頭部を持つ乙史の疲労はカズマよりも屈強であれども彼以上に甚大。それでも昨夜が示した命懸けの行動に報いる為にやっとの事で電子飛行機の前まで辿り着き、息切れを起こす肺とそれを扱う肉体に無理をさせてでも二人は頭部だけのイワノフの指示を仰ぐ。これは二人もそれしかないと判断しての事。
 そして二人は指示通りに電子飛行機を起動させる--目の前に破壊を有した二十代前半の姿をした青年が細目を大きく開いてその惨たらしい赤眼を横へ横へと伸ばしながら!
 その姿に再び絶望が広がる。昨夜を以てしても作業時間を含めて二時間三十一分十八秒しか足を止める事が出来なかったのか……否--両腕と右足をは完全破壊されながらも口に咥えたまま刃に血を流し込み、最後の大攻勢の準備に入る昨夜が映る!
「サ、昨夜!」
「そんなに成ってまでまだブラッドフェザーを解放し続けるのか!」
「あのヴァイオレンスが命を懸けるのは初めて見たな」
 それから機内であるにも拘らず、昨夜は三人の脳に直接最後の言葉を届ける。
 --私の旅はここで終わる。けれども私達が示した道に終わりはない。何時か破壊の宴がやって見せた破壊すらも破壊出来ないような再生を実現し、如何かこの終わりを迎えた宇宙に人の可能性とやらを示して。私は最後まで人間の可能性を信じる事が出来なかった。今の姿はその証……両腕はなく、自分の足ですら邪魔者扱いした。全能の力に溺れた結果がこれよ。でも貴方達は違う。貴方達は力を持たないが故に無限の可能性を作り上げる希望に満ちるの。何時か何処かの偉人が言ってたよ。希望は何時も貴方達にある。それは悠久の時の果てでしか実現出来ない余りにも楽観的で無責任な言葉なのかも知れない。それでもそれを満たした国があった。それが日出国日本。エターニティ、灰原、それからセギノルフ。如何か日本を代表してこの世界に希望の目をお願いするよ。それからカズマ・エターニティ……君の事は永遠に忘れない!--
 それが脳で語られる間に何が起こったのか? 先ずは昨夜の刀は彼女の全ての血を吸収して全長百メートルの巨大な刃と成ってカズマ達の乗る電子飛行機を除いた全ての物を斬り割いてゆく。勿論、自然現象にも匹敵する宴は斬られても斬られても肉体を再生する。だが、その間に昨夜の実体化した血の巨大刃の質量に圧されて電子飛行機の道を開ける程にまで吹っ飛んだ。それから昨夜は血が枯れ続けるまでカズマ達の道を守る。そして電子飛行機の高度がニ千メートルを越える時……宴は反撃を開始して僅か一秒で昨夜を粉々に消し飛ばした!
「さよなら、夢叶昨夜。これでブラッドライザーが産み落とした四姉妹は全て墓場へと運ばれたね。でも気に入らないな。追うのは簡単だが、動くのが辛い……またガインに依って負った傷が疼き出したか。このままじゃあエネルギーが暴走する。いっそ暴走するのも良いけど、それは僕の美学に反するのだよね」
 カズマ達は一度消滅した破壊の宴の古傷と昨夜の魂を懸けた行動に依って命を繋ぎ止め、ロシアが極秘に開発したとされるもう一種類の『タイムゲート』に向けてスターリンの故郷であるグルジアのゴリへと飛び立つ……


 ようやく終わったぞ。『ドリーマーズアゲインよ、永遠に』の昨夜の死までをお届けしました。え、そいつ死んだら殆ど詰みじゃねえ? そこは気合でカバーするのが物書きという奴だよ、君。

 さて、今回はここまで。時間を置いてまだまだ書くぞ!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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