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一兆年の夜 第七十八話 利休の闇を見て秀吉は手を下す(七)

 最後の事件はフクロンの証言に出て来たルケラオス県第五東北地区ぜおう。最後の死者は当時齢十九にして三日目に成るルケラオス人族の少女宮島美弥だぞう。胴体から首を切り離された状態で真ん中より二番目に小さな建物とその隣にある真ん中より四番目に小さな建物の間にて発見されたのを今回の五名の証言者の内の一名である齢三十にして十四日目に成るルケラオス燕族のストリメ・ミヤービーが発見したぞう。しかもその遺体は生きたまま前と後ろからの力が加わって引き千切られた事が検死の結果で判明したぜおう。全く銀河連語ほど生命の尊厳を踏み躙る存在は他に居ないぜおう。
 しかも五名の内の一名の証言を取るまでに夜の十の時と二十八の分まで掛かり、最後の証言を聞くまでに明くる日の三の時と十一の分まで掛かったぞう。それだけに証言者たちは情報収集者の気の使わない面を好まないとみて間違いはないぜおう。では早速ス鳥目に聞く事としようぜおう。
「何時ものように低空飛行さながらに彼氏の所へ向かえよう時よ。現場の横を通り過ぎられる時に首が飛ばれて来て……余りの事に風の受け流しを間違うて墜落。私の悲鳴に駆け付けようは群衆。ああ、あれは一瞬の出来事でろうか?」
 --確かに通り過ぎる寸前で生命の首が横から飛んできたら誰だって驚きの余り、冷静さを見失いますぞう。それで少し落ち着いてから何か気付いた事はあるでしょうぜおう?
「それ以上の事は難かろうわ。何しろ、気付かろうとも建物をよじ登り逃げし影が僅かに見えよう程度。多分、それは気のせいかも知れようが……良いかしら?」
 --いえ、他の証言と照合すれば気のせいには成りませんぜおう。どうも有難う御座いましたぞう。
「いえいえ、こちら側もこそ」
 他の証言と照合するのは意外と容易いぞう。だが、その生命から聞き出すのが骨の折れる話だぞう。象族の骨太でも余りにも困難だと折れてしまう程の物だぞう。だから最初の証言者を発見して二の時と……それくらいは時間を掛けてやっと二名目の証言者を発見したぞう。彼は幸いにも難聴で声が出ないぜおう。だから紙で記したぞう。齢三十三にして三の月と六日目に成るルケラオス土竜族で名前はムグラ・モグニャだぞう。
『確かに建物に攀じ登る白い布で覆われた生命は居ました。
 あれは土竜族の目で見ると明らかに一般生命ではありません』
 <何故そう言えるのでしょう?>因みに難聴なので声で伝える事は出来ないので不慣れな足話で意志表示してみたぞう。
『土竜族の目は地中の中で暮らす為に
 如何しても体内の熱を色に変換して追います。
 なので私が見たあれは熱ではありません。
 むしろ血が通っているかわからない程に
 そう、青いのです
 <それは土竜族で言う銀河連合の色ですか>
『その通り。
 銀河連合は如何ゆう訳か、熱の色ではありません。
 銀河連合は血を好むのは恐らく
 我々一般生命の熱を欲しているのでしょう』
 <それは大変な新事実ですね。
 他に何かわかりますか?>
『追うのも山々ですけど、
 土竜族を始めとした地中で暮らす生命は
 無暗に土の下を潜ってはいけないという
 条例がありまして。
 なので追う事もなく、踏まれないように
 現場から潜り去りました。
 申し訳ありません』
 <いえいえ。
 貴重な情報をどうも有難う>
『如何致しまして』
 親切なムグラのお蔭で銀河連合に関する知識がまた一つ増えたような気がするぞう。成程、銀河連合は熱反応では青く見えるぜおう。それから三名目の証言者である齢二十三に成ったばかりのルケラオスカンガルー族のスロベル・ガッルーンに取材を申し込むまでは十の分も掛からなかったぞう。但し、彼は走り込みの最中だったぞう。
「手短に言ッテアノ白イ奴ハ銀河連合だった。俺は何時も通り次のカンガルー寸止メ大会ニ為ニ減量中だったな。あれが路地裏ニ隠れるのを。まあ少しくらいは足を止めても問題ハナイト思ッテ覗イタラそいつは何とスカンクだった。只のスカンクジャネエ……アリャア銀河連合。俺は大会前に問題を起こすのは止ソウト思ッテ臆スヨウニ逃げて行ったさ。以上ダ。もう良イダロウ、俺ハ走リ込ミデ減量中だよさ」
 --どうも有難う御座いましたぞう。
「如何致シマシテ」
 さて、この証言ではムグラが見た白い布で覆われたのがスカンク型なのかそうでないのかはわからないぜおう。だが、ス鳥目の目撃情報に誤りはないぜおう。依って一つ目と二つ目の証言は整合するぞう。後は最後の最後に見つけた四名目と五名目の証言を紹介して昨の日までの情報を少し整理してから寝るとしようかぜおう。先ずは齢二十四にして九日目に成るルケラオス鰐族のアリゲレイデ・スクリュームの証言ぜおう。
「夫婦仲良く自宅の模様替え中にそいつは勝手に俺達の家の屋根を汚して行きやがったがん。しかもそいつは塗装を剥がすだけでは飽き足らっざ、鼻に突くようなにおいまで残していきやがったっざ。あれが消えるまで昨の日の夕方っぜ……辛かったっぞ」
 --他に気付いた事はありますぞう?
「ああっぞ、其れなら俺の嫁に聞けっぜ」
 そこで私はアリゲレイデの妻である齢二十一にして十一の月と二十五日目に成る元エピクロ鰐族で旧姓アリメイデ・サイクロニウムに尋ねるぞう。
「いやあねえっじ、あいつのせいで家の掃除がどれだけ進捗しなかった事かっぜ。うちの愛夫が折角模様替えの為に体を張ろうって時に塗装を剥がしてペンキを零したり凹ましたりするだけじゃあ飽き足らっぜ……まさか屋根に巨大な実を突き刺すという迷惑行為までしちゃってさっぜ」
 --それは如何ゆう事ですかぞう。
「何がっぜ?」
 --屋根に突き刺した巨大な実とはどんな物ですぞう?
「ねえっじ、アリゲレイデっぜ?」
「ああっじ、蝋燭持って来るから今から案内させるっざ」
 アリゲレイデ夫妻に案内される形で私は象族が乗っても壊れない脚立に凭れるようにそこに案内されたぜおう。すると三角屋根の頂上にそれはあったぞう。もしやあれこそが……とその前に一通りの事を記しておこう。
 現在の私は寝る前に情報の整理をするぜおう。実はそのザリスモは前足下にあるぜおう。これを朝早くに当局に持って行き、一連の事件の謎の解明に少しでも--
 とその時、私が開けっ放しにした窓からナンバット型が襲来!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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