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一兆年の夜 第七十八話 利休の闇を見て秀吉は手を下す(六)

 第六の事件はルケラオス県にある中央地区の中央病院前で起こった作為的な転落死事件だぞう。死んだのは当時齢三十三にして六日目に成るルケラオス団子虫族の断崖ダンぞうだぞう。彼は背中の殻が軟な為に入院を余儀なくされた患者ぜおう。その患者が一部関係者しか立ち入る事が出来ない屋上から落下して緊急手術室に運ばれるも三の時の後に死が確認されたぞう。屋上である事の確証は何かぜおう? 実は中央病院は元々、神様として展示された物を緊急改宗した物だぞう。だから一階につき一部屋だけの構造でまともな病院として改修が済まされてないぜおう。しかも建て替え工事でもすると神様の気分が良くなくなる可能性を周辺住者達は声高にして進展しないぞう。その為に屋上を除いて最大五階建ての各階の窓は全て正門の反対側に設置され、其処を塞がれると実質逃げ場はない程にあの病院は衛生環境が整ってないぞう。んでダン増が転落した位置は正門前だぞう。つまり五階と四階から落とされた可能性はないぜおう。
 そんなダン増事件ぞう。これはダン増自身が自らの足で屋上まで言った痕跡は一つもないぜおう。僅かに残る罅割れの殻から一覧表にない全く新しい銀河連合の種類の痕跡を検出ぜおう。その為、操作当局は事件解決を促す為に新天神武軍の記録表からその痕跡と一致する銀河連合の種類の特定を急がせるぞう。これはあれだぞう。ロウ牙の証言で発覚したナンバット型だぞう。ここに来て一連の事件を引き起こした銀河連合事件班は猿型、犬型、其れから蝶型と来て最後にナンバット型に依る連携を以て私達を苦しめたという訳かぜおう。何とも許し難い……と思い込む前に先ずは証言を入手しないとなぞう。今回は三名の証言者に許可を貰えたぞう。もう夕方の四の時だぞう。では齢三十四にして九の月に成ったばかりのルケラオス蟻族の有田アリ造のしょうげんぜおう。
「ンァ待合室にてようやく待った甲斐と今の日の診察を終えて清算を待つという時に物音が聞こえて外に出ると団子虫族の者があれやな状態で死んでるのが見えた。ズァウギャアアアイ、ゥオ今思い出すだけでもあれは凄惨だ。ィイあんな風に生命が死ぬのはもう見たくない光景だあ」
 --大変気を宜しくしなかったのですぜおう。他に気付いた事はありますかぜおう? ま、まあ無理するのでしたら後日証言して下さっても良いですぞう。
「ンォ気付いた事……思い出しそうだが、ウゥ生憎この歳じゃあ。ウゥわしが話せるのはここまでだ。オゥ後はこの先生に尋ねて下さい」
 --どうも有難う御座いますぜおう。
「ムゥ如何致しまして」
 アリ造の勧める先生とはこの中央地区病院に勤める齢二十九にして十の月と十日目に成る六影鼠族の宮林ネズこうだぞう。六影県以外では医者は外からの生命が来るそうぜおう。だからこそ珍しく六影府からの生命に取材する事に成ったぞう。
「ああ、あれでちゅか? 気付いた事と言ったらあれでちゅ。ダン増爺さんの遺体に注目が集まちゅ中でたった一名だけ者塵に紛れてその場を退散したのが居ちゅ」
 --それは大変重要ですぜおう。それはどの方向に去って行きましたぞう?
「その前に僕が現場に来た経緯でちゅ。まあ料金の精算時間に成ったのにこの爺さんが勝手に外へ出たでちゅ。だから僕が注意する為に呼び掛けと同時に駆け付けたでちゅ。そしたら……叫んだでちゅ。幾ら死んでいった生命を見続けるとは言ってもああまで変わり果てた団子虫族の生命は中々見慣れないでちゅ。僕の叫びもあって集まり始めてはアリ造爺さんや僕に釣られるように他の生命も悲鳴を上げたり、泡を噴いて気絶したりと様々でちゅ。んで質問の答えはこうでちゅ……この病院の唯一つの出入り口の内側から見て左足側に怪しいのが去ったでちゅ」
 --それは具体的にどんな種類ですかぞう?
「それについてはこの病院に飯食らいにやって来ちゅこいつに聞け。こいつは働きもせずに病院の余った飯を求めてやって来ちゅ迷惑千万な生命でちゅが、義に忠実な生命ではあちゅ。まともに働きさえすればもっと良いでちゅが」
 --どうも有難う御座いましたぞう。
「いえいえ、如何致しましちゅ」
 という訳でネズ高曰く唯飯くらいと称される齢三十にして十一の月と二十八日目に成るルケラオス袋鼠族にして定職に就かないいわば社会問題の一つである要労働者のフクロン・ネズッテに尋ねるぞう。
「それはでちゅね、悲鳴を聞いて駆け付けたんだ。まあ今日も病院の残飯を狙おうとやって来たんだ。すると驚きの光景。何時も残飯処理を阻止するこの先生に近付いて件を尋ねてる時に何か白衣で身を隠した生命が逃げるのを見かけたんだちゅ」
 --それを如何しましたかぞう?
「そりゃあでちゅね。追いましたよ。だが、あの生命はあれに包まれながらも無茶苦茶速くてしかも動きが制限されやすい路地裏に入ったら更に加速して、もうね……見失ったでちゅ」
 --成程、袋鼠とは言えども狭い場所は御手の者である袋鼠族のフクロン自身がそう言うのですから相当な何かですぜおう。其れで白衣で覆われている以外で何か特徴はありましたかぜおう?
「ああでちゅ。あいつは臭かった。故に路地裏でも追う事が出来て臭いが途切れるまで俺は追う事が出来たちゅ」
 --何だってぜおう。では臭いの途切れた所は何処ですかぞう?
「第五東北地区でちゅ」
 --第五東北地区と言えば七番目の事件が起こった場所だぞう。そ、それでそこへ来て他に何か気付いた事がありますかぜおう?
「病院の方が気に成ったでちゅ。なので後の事は捜査当局に任せて唯飯が食えるかどうか確認する為に病院に帰ったでちゅ」
 --わかりましたぞう。どうも有難う御座いますぞう。
「如何致しましてちゅ。唯飯の事は書かんでくれよちゅ」
 ここに来て新たなる新事実だぞう。それを抱えたまま私は最後の事件について情報収集を開始だぞう……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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