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試作品 ドリーマーズアゲインよ、永遠に 手探りでお届けする駄作 (16/5)

 如何もエンジンに火が掛からないので今度も一兆年の夜はやらずに試作品に尽力するぞ。
 えっとそろそろ残酷な展開に舵を切るとしようか。

 四人は閉じ込まれたと考え、何度も力を入れて開けようとする……けれどもそれは僅かであろうとも開く事はない。既に地下に潜り、圧力に依り、昨夜の怪力だろうと受け付けなかった。そうして密閉空間の中で会話が始まる。
「流石に技術が高過ぎる。もしかすれば後から作られた可能性が高い」
「頭良さそうに語ってるけど、そんなのは誰でも思い付く事よ」
「インダス文明は結局謎のままわからず、かあ」
「でも一方通行じゃあ設計者の案は通らないだろう」
「出口があると灰原氏は唱える訳か」
「人の死体が転がればそれは出口がないと証明出来るでしょ?」
「いや、人の死体があるからって一方通行という証明に成らないんじゃないかな、昨夜?」
「はあ、原住民を虐殺した私達に相応しい処刑方法なのかも知れない」
「暗い話は止めよう。こうして酸素の無駄遣いをする事こそに生きようとする意志を粗末にする行為が働く。睦海が設計主だったらこんな真似はしない。先へ進むぞ!」
「エターニティの言う通り。行きましょう、みんな」
「フラウ折笠はその為にカズマを愛したのではない。親友の務めとして……本当の日本人だったら日本国民に成ろうという心構えを果たす為に前に進むしかない!」
「この体に改造された真の意味がこの中にあるかも知れない!」
 四者四様の目的を果たすべく闇に踏み込む。待ち受けるのは侵入者撃退用の落とし穴、串刺し、落石、人食いゴキブリや人食い蟻といった物が蠢く部屋、挙句には炎上……様々な罠は人間だけでは犠牲者が出ていただろう。だが、カズマと乙史には人間ではない二人が居たお陰で全て越える事が出来た。二人は彼らに感謝してもしきれない思いを膨らませる。特に乙史はイワノフに対しては表向きは冷たい態度を取るも心の中で感謝の気持ちを膨らませつつあった。
 それから三時間四十八分後……とうとう彼らは最奥にある王墓に入った。その部屋は灯り要らずで尚且つ天上の僅かに光が差し込む。何処から光が漏れるのかを誰もわからない。仮に漏れたとしても大雨の時に一体どんな工夫をするのか? 排水処理は如何するのか? 探してみると根が張っていながらも僅かに隙間の残る排水口を四つも発見。それは部屋の四隅に配置され、水浸しに成りながらも王家の眠る部屋を維持し続ける。それでも王家の宝を死守するには心伴い。水は物を劣化させるに十分な威力を発揮してきた。にも拘らず、この王墓は当時のまま。その原因は何なのか? どれだけ排水技術が優れようとも時は文明の利器を跡形もなく残さない。その謎の答えは中央に位置する王の墓を開くと判明。何と開くと冷気が爆発するように出るではないか。まさかこの墓には大昔の人類が恐竜時代より発見せし超技術を有するというのか。其処で四人の会話は再び始まる。
「この冷気はもしかして……お母様の遺した神の遺産なの?」
「神だと、馬鹿々々しい!」
「それって睦海が語った古事記及び日本書紀の裏の歴史の事か!」
「ええ、ヴァイオレンスの始祖ブラッドライザーはカムヤマトイワレビコこと神武天皇と一つの契りを結んで私達四姉妹を産んだのよ。その中で彼は先祖である神々が遺産を各古代文明の遺跡に遺した事をお母様に伝えたの。それがこの王墓を守る--」
「待て、日本神話の話とインダスの話は一致しない。下手な事を言う出ない!」
「全くこれだら考古学信仰というのは夢を忘れた大人を作り続けるのよ」
「良くわからない話は兎も角としてもこの部屋には僅かに他の出入り口を示す隙間が見える」
「ああ、天井の僅かな穴だけじゃない。確かにここに……ウオ、開いた!」
 乙史が冗談半分で調べるとそれは乙史を跳ね飛ばす勢いで内側に倒れ、高さ二メートル、横幅約一メートル五十センチもの入り口を形成。吹っ飛ばされるも、ちょうどそこに居たカズマに依って体勢を立て直した乙史。乙史を含めた四人はその先へと入る。すると一分もしない内に外へ出る事に。しかも更に奥を見通すとそこには何と一万年以上未来のンゲルルムッドの議事堂地下深くにあった『タイムゲート』と同じ物が根に覆われながらもあるではないか。しかもその中に手持ち金庫のような物が入る形で。
「あれはまさか!」
 昨夜は右手から刀を発現すると覆う根を全て斬り払い、『タイムゲート』を開く。刀を自分の体内に仕舞うとその金庫を右手だけで持ち上げて外へ出す。それから彼女はダイヤルを回さずに壊してでも開けようとしたが……それを止めたのがカズマ。
「駄目だ、トラップが発動するかも知れない」
「放しなさい、エターニティ!」
 怪力でカズマを無理矢理引き剥がそうとするのに対してカズマが取った行動は彼女にとっては思いも寄らぬ方法。何と左首筋に噛み付く捨て身を敢行。これには--
「止めて、下手すると君がヴァイオレンスに成るよ」
「そうだ、止めるのだ」
 引き剥がしたのは乙史とイワノフ。イワノフは急遽、用意した水をカズマに呑ませて口の中を綺麗にさせる。それから会話が始まる。
「ゲホゲホ……フウ。もしも睦海が仕掛け人だったらその金庫は爆発するかも知れない。そしたらお前の求めていた力は永遠に失われてしまう。前にも同じ事を止めただろう、力だけで全てが解決すると思ったら大間違いだってな!」
「全く君は時々捨て身に入るのね。だからこそ睦海は君を……わかったよ、それに従うよ」
 残念そうな表情で昨夜は金庫を抉じ開けるのを諦める。その表情には力づくで開けなかった事への無念ではない。
 乙史はその表情から昨夜にある事を尋ねる。しかも二人に聞こえない場所まで移動して。
「もしかしてフラウ夢叶はカズマに惚れたのか?」
「それは誤解ね、灰原。私が下等な人間の男に惚れる筈がないよ。でもね……恋をしたい気持ちは嘘じゃないよ」
「カズマはまだ気付かない。だが、私は気付いた。気持ちを伝えるのは今しかない」
「それは睦海を裏切る行為。私は最後まで睦海に頼まれた事を果たすのよ」
「全く強情な女性だね、貴女は」
「君程じゃないよ、灰原」
「何、私には一生を捧げたい恋人が居たのさ。今はもう存在しないがね」
 さて、話はカズマの方に移る。カズマは昨夜の為に金庫の暗号の解読に励む。時にはイワノフにも協力して。だが、先程の遺跡を見回してもヒントに成るような物は一つも見つからない。しかも己の名前を捩った暗号ではない事をカズマはわかっていた。昨夜が求める物の為に自分の名前を暗号にするなんて睦海が考えるとは思えない為に。
 一方のイワノフは上司から告げられた最後の命令を辿る。彼の真の目的は次に明かされる。何とそれはカズマにとっても理解し難い物。
「如何してそれを俺に伝える?」
「自分の目的とは『タイムゲート』の破壊。ここへ来たのは世界の均衡を崩すであろう『タイムゲート』を全て破壊して世界秩序を保つ為だ」
「冷戦の継続をしたいか、お前達は!」
「何とでも言え。ロシアとは古来より国際的な立場を確実な物とする為に北方領土を我が物にして後一歩で北海道を我が物に出来た筈だった。そうすればアメリカや支那、そしてヨーロッパの国々に大きな発言を可能とし、我が国の地位は不動の物と成っただろう……だが、『破壊の宴』は北海道に傷跡を残さなければ支那の都合の良いように成らなかったというのに!」
「だが、もうロシアは何処にもない。お前達ロシア人の誇大妄想はもう達成しない!」
「わかってるさ、そんなのはわかってるさ。だがなあ、許せないのだ。アメリカ人も日本人も思うががままに新技術を開発する事が出来るその想像力を……テレビもカップヌードルも、そしてこの『タイムゲート』も如何してお前達は平気で作れるのだ!」
 イワノフの中で怒りは行動としてカズマの胸座を掴むという形で発露。イワノフの、ロシアの劣等感がここで露に成るとは大昔の人間は想像もしないだろう。英雄願望という夢想の為に高利貸しとその妹を殺した罪をし、リザヴェータという最愛の人が出来るという事と監獄行きにて囚人たちによる酷い仕打ちを受けるという重い罰を受けたラスコーリニコフを再現するようなイワノフのカズマに対する八つ当たり……それをカズマは完全に理解する事は難しく、寧ろ更迭の左頬に右ストレートを浴びせるという無謀を敢行。当然、拳骨に皮で捲れるような傷が出来るのも無理はない。
「何故殴った?」だが、イワノフの動きを止めるには十分過ぎる一撃だった。「自分の身体は既に鋼鉄で覆われ、長い年月を生き抜く為に補助剤としてレアブラックストーンが組み込まれているというのに!」
「それは俺が……日本人だからさ!」
「クソウがああああ!」
 イワノフは手を放し、天に向かって叫んだ。涙を流す事が不可能なまでに改造されたイワノフがやれる事は叫ぶだけ。イワノフはやっと自分達の国の敗北を認める事が出来た。それからその敗北感を経て、暗号の手掛かりを掴んだ--武士道とは死ぬ事と見つけたり--イワノフが生涯掛けて理解不能の新渡戸稲造の武士道に著す一文。イワノフは直ぐ様、カズマにそれらしい暗号を試すように伝える。カズマはそれに対して半信半疑の思い。
「何、ロシア人にとって失敗した人間の末路を踏み台にして成功者は頂を手にする」
「何て嫌な民族だ、スラブ系は。だが、死なば諸共よ!」
 ロシア人の人の命のをゴミのように扱う姿勢と日本人の楠木正成魂が融合した時、金庫の鍵は開く。其処には確かに夥しい冷気が放出し、煙の先に切り取られた腕でありながらも黄色人種の生きた右腕がそこにある。生きたという表現とは即ち、切り取られた蛸の足が躍動する其れではない。血色が良いという意味で使われる。
 直ぐ様、カズマは昨夜と乙史を呼びに走る。それから一分も経たずに彼らは集まり、昨夜はそれを右手に取った。
「これが私の求めていた『海幸彦の右腕』」
「何、古事記に載るあの海幸彦の?」
「彼が山幸彦に但し違っていたなんて虫の良い話じゃないでしょ。従う為には先ず、逆らわないという証明が必要なの……それが--」
「そう、自分の右肘から先を切断して家来である事の証明……だよね」
 四人以外の声がそこにある。声のする方角とは王墓のある方角。其処へ視線を移すとそれは人の姿で立つ。
「何だ、他にも閉じ込められた人間は居たのか」
「へえ、君は--」
「待ってくれ、この男がこの時代に居る筈がない!」
「ああ、何処かで見覚えがあると思ったら……まさか君はアイルランドから来たカメラマンか!」
 昨夜とイワノフは初めて見る探検家。だが、カズマと乙史は既に会った事がある男。いやそれ以前にここは日本がまだ日本だった時代ではない。人間文明が滅んで遥かなる年月の経つ時代。ならばカズマと乙史はこのような男がこの時代まで生きてる筈がない。他にも冷凍睡眠プロジェクトがあった為……否、一探検家がそんな計画に参加出来る筈がない。ならば考えられる可能性は一つ。
「その赤毛と見覚えのあるリュックサックに時折見せる一眼レフカメラ……お前はデ・ランデ・ストラだろ」
「まさかその子孫じゃないだろうな?」
「子孫かあ、その推理は正しいね……もっとも僕が普通の人間だったらね」
「普通の人間か。成程、では試してやろうか!」
 カズマと乙史が知るデルマに良く似た青年。しかも姿格好まで初めて会った時と同じ。幾ら子孫でもその可能性は有り得ない。その為、イワノフはデルマに良く似た青年に向けてレーザーガンを放つ……否、放つ前に関節を極められて顎を強打!
「な、これはコマンドサンボ……否、合気道か!」
「何だ、放つ前に一瞬で!」
「まさかこいつは!」
「この感じ……そしてあの喋り方はもしかして!」
「お前は何者--」
 イワノフが尋ねようとしたその時、イワノフは首以外をデルマと呼ばれる青年に良く似た男の体内から放たれる赤い滅びの光で消し飛ばされた!
「そ、それはまさか……デルマ。お前が--」
「貴様が『破壊の宴』だったかあああ!」
 昨夜は右手から刀を発現して首を刎ねる勢いで神速の抜刀を試みるも……両眼を赤く光らせたデルマの右掌打によって百メートル以上吹っ飛ばされた!
「全く学習能力のないヴァイオレンスだよ」
「あのフラウ夢叶がカウンターを決められるなんて!」
「お前が『破壊の宴』だったのか!」
「その通りだよ、カズマ・エターニティ。僕こそが『破壊の宴』……勿論、この姿は人間が地球の覇者だからこそ児戯の如く成り切ってるに過ぎんさ」
 乙史だけじゃなく、カズマも恐怖で顔を引き攣る。人の姿を擦れどもその実態は自力ではどう足掻いても敵わない存在。敢えて合気道の技を掛けて昨夜を弄ぶその余裕に努力や遺伝では如何する事も出来ない壁が存在する事を改めて思い知らされる。
「おや、まだ刃向かうのか?」
 昨夜は背後を取り、既に『上質な血の入った右手』こと『海幸彦の右腕』の封印を解いてその中に内包される神の血を飲み干し、背中より血の翼である『ブラッドフェザー』を最大限解放。彼女の両眼は赤く染まり、瞳の中央ではデルマこと『破壊の宴』を真っすぐ見つめる。
「エターニティ及び乙史。急いで『タイムゲート』に入って。君達こそ……希望なのよ!」
 既に昨夜は死を覚悟していた。その意思を飲み込んだカズマは首だけのイワノフを抱えて乙史と共に『タイムゲート』に向けて走り出す。ところがそれを逃さない宴はその『タイムゲート』を赤い破壊の焔で粉々に焼き尽くした!
「駄目だよ、逃げちゃあ。君達を逃がす訳にはゆかないよ。僕はね、今機嫌が悪いのだからさあ」
 『タイムゲート』が破壊された今、為す術はあるのか!


 という訳で『ドリーマーズアゲインよ、永遠に』をお届けしました。少し本気を出し過ぎたな。これじゃあ一兆年の夜の執筆開始が夕方に成るな、御免。さて、タイムゲートが破壊された今では最早どうしようもない状態だな。果たして如何成るのか……それは金曜か土曜にやる予定の次回のお楽しみ。因みに昨夜が本気を出しても破壊の宴には逆立ちしたって勝てない。え、何を言ってるかって……いや、それが公式設定なんだから仕方ない(悲)。

 それじゃあ今回はここまで。本当に夕方に始める。本当に申し訳ない。但し、カテゴリは追加しとくので気長に待ってくれよ。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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