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一兆年の夜 第七十六話 道真は藤原氏に復讐する(決)

『--そこは真っ暗だった。幸い、猿田が運んでくれた中に油が残っていたのでそれを
火打石を使って燃焼させる事で灯り代わりにした。だが、灯りには限りがある。
ホーシーズに依ると後十八の時までしか保たないそうだ。つまりそれまでにここから
出ないと遭難する危険性が高い。なので灯りは慎重に使わないといけない。
 とはいえ、食糧も万全とは言えない。こちらは更に少なく、この数だと残り二食まで
が限度。これも猿田が命を賭して俺達の為に運んでくれた。感謝してもし尽く
されない。それでも残り二食の状況は当時の俺の感想としてはあれだけでこうして
生きていると思い知らされる。
辛かった。
 さて、暗闇が支配する謎の地下通路。そして階段の傾斜は安全設計と言えども其処は
仕様で転がり落ちる心配はない。問題は何処まで続くか? それ次第では出戻り安全
か危険かが判明する。この場合は危険に値する。理由はこれから説明する。
 何しろ、ホーシーズに依れば七十八段目から銀河連合が奇襲。幸い、ホーシーズの
足蹴りで倒せる程の種類だから良かった。だが、これは残り三名に成るきっかけの伏線
に過ぎない。
 銀河連合は三十段下に下りる度に前よりも強くない種類をぶつけて俺達の心理を
油断たせる。そのせいで安心し切ったビーは前に出過ぎた。そして彼は前方に気配が
来たのを伝える為に俺達が瞬時に庇える段数よりも三段先まで下りてしまった。そして
一瞬だった。ビーを食べたのは百獣型。いきなり百獣型が奇襲する物だからマモパオ
以外は心拍数を大いに高めたな。俺だって目の前でビーを食べたのが百獣型と
わかったら怒りに任せて踏み出せる訳ないな。だからマモパオがビーの仇を一の分も
経たずに仕留めたのにはとても安心感を得たな。だが、マモパオに仕留めさせた事が
後々あんな事に成るとは誰が想像出来ると思ったか。

 ビーが死んで一の時と十三或は四の分より後だったかな。俺達はようやく果てに到達。
そこは一本道。やはり暗闇で支配され、灯りがないと周囲すら見えない。残り七名という
状況下で俺達は前に進んでゆく。俺とホーシーズにアリゲッダール、マモパオ、トラーダ
とトラーマ、そしてコウマット。船に乗り込んだ要員はすっかり半分を下回って
しまった。それでも俺達は進むしかない。それにいざという時はマモパオが俺達を守って
くれる。そんな安心感は却って危機に陥らせるとは如何して考える事が出来なかったの
だろうかな?

 ほぼ傾斜の緩い一本道を進んで恐らく二十一の日の目に成る時間帯かな? 目前に
依りにも依って象型が聳え立つ。マモパオ以外は身体能力という観点では余程上手く
やらないと倒せない種類。そこで俺達はマモパオに頼るしかない。ところがマモパオは
既に銀河連合と化してしまった。しかも説得しようと用意無く近付いたコウマット
あっさり食べてしまう程
に。最早、マモパオの叫びだけが希望。それ以外では最早何も
信じられない。俺達五名は利の適わない状況に追い込まれた。あの百獣型をマモパオ
に倒させたのは最強の戦力であるマモパオを無力化させる為の布石だった事に。
 如何しようもない状況に追い込まれた俺達。そこで覚悟を決めたのは遠征隊の指揮官
であるアリゲッダール。奴は前方の象型は自らの力で倒すと宣言した。後方は俺達四名
で倒すよう命じたな。だが、アリゲッダールは肝心な事を忘れていた。後方に居るのは何
があれ、マモパオの肉体を乗っ取った銀河連合であると。あれを倒すという事は俺達に
同胞を死なせる事に他成らない。つまりマモパオを乗っ取った銀河連合を倒す為に誰か
一名が上手く相打つしかない。そこで志願したのはトラーダ。其れには弟のトラーマは
強く反対。二名は喧嘩を始める事に。そのせいで俺はホーシーズと一緒にマモパオの
力を得た銀河連合を相手にしなくちゃいけなく成って今でもこうして生きてる事が不思議
なくらいに俺達は持てる武器が砕けようともマモパオ型銀河連合を相手に食い下がって
見せたな。そうする内に己を反省した二名が駆け付けて何とかもう少し食い下がり出した
訳だ。
 もう少しで誰か一名が死ぬと思ったらちょうど右後ろ脚が食べられながらも前方の象型
を倒したアリゲッダールが駆け付けた。彼いやこの場合は彼女は辞世の句を告げ始める
と一気に滑り込んでマモパオに食べられた。いや、食べられながらもマモパオの下を引き
千切って苦しんでる所を最後の力を振り絞って口の中から飛び出して目を刳り貫き
ながら目玉のない部分に向かって上手く尻尾の先端を突き刺して、一緒に果てた!
 俺達四名は指揮官であるアリゲッダールの勇敢なる行動とマモパオの最後の助言に
対して敬意を表して涙を垂れ流しながら敬礼した。それも一の時も続ける程な。
 それから二名の遺体を背に探索を再開。俺達は其処が行き止まりであるかも知れない
という心の中にある安心し切れない思いが支配的に成りつつある中で死んでいった十一名
の魂を背負う覚悟で不退転の心が広がってゆく。安心し切れない心にはやり遂げるという
生命にとって大切な仕事の流儀と呼ばれる心が広がってゆく。今に成ってだよな、これ。
全く恥ずかしいな。でもお陰で俺達の覚悟は本当の意味で据わった。しかも十一名の
死があってさ。全く顔向け出来ないな。
 そして俺達はとうとう--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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