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一兆年の夜 第七十六話 道真は藤原氏に復讐する(地)

『--十六の日の目の始めは朝早くにコウマットが無事帰還し、仮眠を摂る前に何度も
報告した。コウマットがそこまで報告に熱心だったのは銀河連合の拠点を一つ見付けた
からだ。あいつは必死に成って逃げ延びたそうだ。故に重要な報告だと彼の心の中では
比重が高い。
 それに依ると拠点があったのはここから真南へ真っ直ぐ。途中の障害物を越えてでも
真っ直ぐその方角に進んだら拠点型が見える。だが、それが事実だったらもしかすると
真古式神武が喰われるきっかけに成ったあの遠征が思い出されるだろう。まあ殆ど昔の話
だから分からない事だらけだけど、
天同烈闘れっとうが死んで更には要と成る資金源もほぼ底を
尽き、軍者の数も半分近くを失った。それだけにあの拠点型はアリゲッダール曰く
真古式神武の遠征部隊を打ち破ったあの拠点型の可能性が高い。そんな相手にたった
の十五名だけでは勝ち目がない。故に真南へ行く事を断念。それ以外が模索された。二の
時掛けて話し合った結果、決まったのが真南の最奥にある拠点がの周囲以外。その中でも
ワシ麻呂とビーの綿密な偵察に依り、判明した南西西の最奥にある傾斜の高い森。森で
あるかどうかはこの時の俺達は知らない。昼勤偵察員のワシ麻呂もビーも危険を冒して
まで調べ上げる事は出来ない。だからこの目と耳で信じるしかなかった。その森まで
八の時あれば辿り着く。ところが俺達に待っていたのは銀河連合に依る包囲網。そして
新たなる銀河連合。それが木型。何とその森全てが銀河連合の姿をしていた。木だと
侮って枝に乗っかったキッ造がまさか大口開けた気に呑まれてその後に骨だけ帰って
来る
なんてどう予想しろと思ったか。俺達は涙を流すと共に冷静なアリゲッダールの指揮
の下で一体でも多くの銀河連合を倒した。キッ蔵の無念を晴らす為に。それから
アリゲッダールの判断の下で空間を見付けてそこへ一気に突破。俺達は一体も木型を
倒す事が出来ずに最寄りの隠れ洞穴で思う存分咽び泣いた。
 泣いた所でキッ造は帰らない。辛い時、悔しい時にはいつもキッ造が居れば和めた。
だが、あいつは死んだ。これから俺達は明日の内に一体でも多く木型を倒そうと思った。
だが、アリゲッダールはこれを指揮官として却下。生き残りである十四名の命を優先して
しまった。俺達は悔しかった。特にバッファ草は何度アリゲッダールと衝突したか
わからない。アリゲッダールは状況が芳しくない事を何度説明しても問題児バッファ草は
聞いちゃくれない。
 俺達はバッファ草を無視してキッ造が居ない悲しみを埋める為に眠ろうと決めた。
キッ造を失った悲しみは何もバッファ草だけが苦しいんじゃない。わかってるんだよ、
敵討ちに邁進したい思いは。でもあの時、明日にでもバッファ草を慰めれば良いなんて
考えなければバッファ草は
気付くべきだった。あいつがこれ程までに物分かりが良くない
事を。
 二つ目の悲しみが起こったのは十七の日の目の早朝。睡眠も十分ではないお日様の
時間にアリゲッダールは鋭い尻尾で俺達を叩き起こした。この時は日の連なる心身疲労
から指揮官とはいえ、本気でどなろうかと思ってた時にあいつが自分も含めてこの場に
十二名しか居ない事を大声で知らせた。それを聞いて一時は眠気から頭が入らずに二度
寝しようかと考えた自分に悔いたな。それから俺も含めて数えていたらそこにバッファ草
とコウマットが居ない事に気付いた。特に夜勤偵察員でもない戦闘要員のあいつが居ない
事は俺達に良くない報せの前兆だと思う存分に感じさせるのに十分だった。点呼が
終わって直ぐに偵察要員のコウマットが帰還した時にアリゲッダールはバッファ草の行方
を尋ねたな。当然、あいつも表情を青く変色させるに十分過ぎるくらいだな。それからは
バッファ草救出作戦が早期に出来上がり、直ぐにキッ造が死んだあの木全てが銀河連合
の森に急行。すると俺達が見たのは四本共全て銀河連合に喰われて出血多量で佇む
バッファ草の亡骸。
十三名は涙を堪えるしかない。だが、俺も含めて状況を理解しても
頭が回らない者達にとってはが多い。回る連中はバッファ草の救出作戦を決行。行動
に移す者達を見てようやく俺みたいな連中の頭は回り始めたさ。だが、ほんの少し行動に
移さないだけでまた一名死んでしまった生命が居た。ロバルトだ。ロバルトは木型の
十五本もの触手攻撃から身を挺して俺達を守った。自分の身依りも俺達が安全に脱出
するのを見送るように。それが完了するとあいつは力が抜け、無数の銀河連合に飛び
乗られて
、だからって!
 この二の日の間に三名の仲間を失った。十七の日の目の残りは別の隠れ洞穴で三名に
対して黙祷を捧げた。バッファ草の亡骸で他の二名の分まで。
 そして十八の日の目の日差しがちょうど良い朝。俺が起きた時に起こったのは--』

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darkvernu

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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