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試作品 幻の村

 どうも先に気に成ったのである程度のプロローグだけ書いて終わらせたいdarkvernuです。
 早速やっていきましょうか。

 それはそれは一体どのくらい明日の話だろうか。最早誰にもわからない。誰にもわかる筈がない。何故なら少年が引っ越しする所は実在しない村。いや、表現に誤りがあった。訂正しよう。この村には存在しない人間が暮らす。住人はそれに気付かない。いや、気付く事が出来ない。そう、この村は幻が住人の心を守り続ける。
 と長たらしい冒頭はここまでにしてそろそろ本編に移ろう。少年は両親と共に私鉄電車を降りてホームに足を踏み入れる。これから始まる学園生活を想像して。それじゃあ家族の会話を追ってゆこう。
「幻(まぼろ)や、多分ここだったらお前の望む物に成る筈じゃ」
「幻ちゃんや、今度という今度はきっと幻ちゃんの清み良い所に成る筈じゃよ」
「で、でも僕にはみんなの心が理解出来ない」
 少年の名は瞬幻(またたき まぼろ)。十六歳。高校二年生。父親が四十三、母親が三十六の時に儲けた子供。その為、両親に甘やかされて育った為に人とのコミュニケーションが取れずに小学校、中学校、そして前までの高校とずっと虐められっ子の的と成って辛い学園生活を送り続ける。いや、訂正。コミュニケーション能力の欠如に依って齎されたある能力のせいでずっと周りとの距離を持ち、虐められ続け、恩師と成る教師とも出会えなかった。これが少年幻の不幸。だが、あくまで十六年とほんの数ヶ月に於ける物。これから先も不幸が続く保証はない。だが、少年は背筋を伸ばせない。自分のせいで周りに迷惑を掛ける。自分の能力のせいで周りには理解されない。まるで戦後日本が患う自虐史観の如く少年を大いに苦しめる。
 そんな少年の為に高齢で少々甘やかしがちな両親はとある山奥の村に引っ越す。少年が周りと向き合うには最終的には少年自身が変わらないといけない。わかっていても幼い少年にそれを説教するのは些か傲慢である。故に両親は自分から変わる為に先ず周りの環境を少年に合わせる事を選択。どんなに鞭を与えても相手がより陰気に成れば全く意味がない。それなら飴という名の環境を変えて少しずつ少年の心を開かせる方法を選択。子に甘い両親らしい手段。それを非難する権利は誰にもない。
 ではその新たな環境の名前を紹介しよう。その環境という名の村の名前は幽村(かすかむら)。人口凡そ三千人。総面積は……何故か不明。故に国はこの村の実態を知らない。いや、知ろうとすればする程……混乱を及ぼす。と少々混乱させる説明に成った。要するに幽村(かすかむら)であり、人口約三千人だが、総面積は謎に包まれる彼岸島のような村だと思えばわかりやすいだろう。
 それじゃあ駅の出入り口から出た瞬一家を待っていたのは若き村長の姿。いや、村長と名乗る者を見て三人は大いに驚く。こちらは説明文ではなく簡潔に会話文で紹介しよう。
「え、そこまでお若い人が村長?」
「信じられんのう、慣れないネットで検索して見付けた村では、まさか、村長まで一風変わっておるのう」
「き、君は僕と変わらないじゃないか!」
「はい、初めて見る方々の反応は慣れっこであります。それにこの村では選挙で選ばれた人ではなく、世襲制で村長が選ばれます。あ、御免なさい。難しい説明をするのが私の悪い癖ですね。私は村長の幽宮(かすか ぐう)と申します。こう見えて十七歳で高校二年生で御座います」
「え、高校に通ってるの?」
「はい、父の遺言に従い……私は小学六年生の時に村長に選ばれてからはずっと公務の傍ら、学生としての本分を務めてまいりました。去年、そして一昨年は大変でした。去年は公務の忙しさと出席日数との葛藤でもしもこれで成績まで悪かったら留年という危機に立たされる所でした。一昨年は受験勉強ですね。良い学校に通う事が可能でも村長と掛け持ちで務めるには流石に故郷よりも遠い所を通い続けての公務は断念しました。いえ、息子様の通う学校を馬鹿にしてる訳ではありません」
 と所々慇懃無礼な部分が垣間見る村長宮。彼女は小学六年の時に前村長夫婦と姉の麗(れい)を何者かに殺害されたのをきっかけに僅か十一歳で村長を襲名。以来、血と汗と涙を流して村の為に貢献し続ける。しかも彼女は特別扱いを嫌う為に自分を優遇しないように全教員に命じる等、自他共に厳しい少女。其処には秘密があり、それが彼女の今の所々垣間見る慇懃無礼な性格に反映される。
 さて、家族を招くのは何も村長唯一人ではない。村長の秘書を務める三十代後半で身長187はある屈強な体形の男がそう。彼は村長以外とは一切言葉を交わさずに家族を黒い高級車に乗せてゆく。各地を訪れながら家族と村長の会話を満喫して村の名地を紹介しよう。
「……」
「御免なさい、彼は人見知りなの。だから私意外と会話したくないそうよ」
「そ、それで翼お嬢さん……あ、失礼しました。村長様の--」
「別に呼び方は構わないわ。私はまだまだ村長として未熟だから」
「そ、それでも上下関係を重視して村長さんとお呼びしますな」
「そんな気遣いは……え、白崎(しろさき)も?」
「……」
「わかりました。白崎には今まで助けられました。それが上に立つ者の務めなら致し方ありません」
「……」
「えっとその白崎さんって……何だか生気を感じないんですけど」
「あ、コラ……幻ちゃん。初対面の人にそれを告げたら--」
「あ、良いんです。別にえっとマボロ……どんな漢字ですか?」
「あ、幻の一文字ですな」
「ああ、また父さんがしゃしゃり出ちゃって」
「良い名前ですね、幻さん」
「あ、前の学校からよく言われるんだ。僕はフルネームで『しゅんげん』、『しゅんげん』、って」
「でも大切にして下さい、幻さん。名前は自分自身ですから。名前を変えたら……自分は無く成ります」
「村長さん」
「あ、君は私と同じ学年でしたね?」
「あ、はい。高校二年生です」
「だったら私の事は……え、白崎ったら!」
「ど、如何したの?」
「ちょっと二人でやり取りするから待っててね」
 白崎は車を運転する為、余り余所見をさせる訳にはゆかない。その為、宮と白崎は人差し指同士のモールス信号で会話。そのやり取りは最初の名地を紹介するまで続いた。
「ふう、これで納得してくれたわ。全く白崎は融通が利かないんだから」
「ど、如何したの?」
「あ、私の事は宮(ぐう)と呼んでね」
「え、でも僕と君じゃあ--」
「呼んで、下さい!」
「う、うん!」
「ホッホッホ、良いのう。若いのはこれで良いんだ」
「青春だね。でもこの青春はきっと希望に成るのよ、幻ちゃんにとって」
「あ、そろそろ見えましたよ。右側を見て下さい。あれが最初の名地であります『幽の三重塔(かすかのさんじゅうのとう)』。幽村は鎌倉時代にとある地方で暮らす貴族の幽章(かすかのあきら)が朝廷に頭を下げて建てたと言われます。しかもそこには支那の古書封神演義でお馴染みの全長五メートルの雷震子の仏像があります。それはこれが建てられて約五十年近く、雷に依る天災が起こりました。それを収める為に時の彫刻家である九十九坊(つくもぼう)が単身支那に渡って僅かに現在する封神演義の初に出て来る雷震子を具現化してここに至りました」
「凄い歴史をお持ちですね。雷様を収める為に仏像を彫るなんて」
「ん?」
「ど、如何かされましたの?」
「三重塔の天辺に女の子? が立ってるけど?」
「いえ、居ないじゃろう?」
「うん、見掛けんのう」
「気のせいですよ、幻さん」
「いや、僕には見えるんだけど」
「……」
 幻は嘘を吐かない。事実、天辺に少女が立つ。だが、幻にしか見えない。それが幽霊なのかどうかを確認する術は持たない。そして、幻だけが持つこの見えない物を見る能力にこそこの村で起こる恐るべき怪事件の引き金に成ろうとはこの時、誰も知らない……


 という訳でホラーサバイバルウォーズサイキックアクション物語『幻の村(仮)』の冒頭の一部を紹介しました。本当は冒頭全て紹介したいのですが、長く成り過ぎたのでそろそろ『一兆年の夜』にシフトしないといけないなあと思って打ち切った。
 さて、この物語では主人公『瞬幻(またたき まぼろ)』と村長にしてメインヒロインの『幽宮(かすか ぐう)』が数々の難事件をラブコメととんでもバトルで乗り切るという物。しかもラブコメを入れる事で幻はあらゆる所で女性キャラとフラグを立ててゆく訳である。まあ、あくまでラブコメはシリアスを緩和する為の奴であり、メインはホラーだからね。但し、彼岸島化を想定してサバイバルウォーズサイキックアクションを足して紹介したぞ。これなら突っ込まれる事はない……多分。
 という訳で試作品の簡単な解説を終える。

 夢にはたまに予想も付かない事が起こる。女と抱く夢が気が付けば大学卒業してるにも拘らず、大学で単位に追われる夢を見せられたりするなど、事実は小説よりも奇なりを体現するような事態に陥る事だってある。しかも夢を見せられる本人は夢だと気付くまで現実だって思い込まされるからな……わかるだろう、その気持ちを。
 それじゃあ試作品はここまで。さあ、時間を於いて一兆年の夜の作業に入るぞ。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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