FC2ブログ

試作品 ドリーマーズアゲインよ、永遠に 手探りでお届けする駄作 (4/5)

 どうもdarkvernuです。
 早速夢人達の物語を再開したいと思いますぜ。

 運命の日より半年前……睦海は和真を案内した研究所にてある男と会話を交わす。その男の名前は折笠宗光(おりがさ むねみつ)。睦海と同じく赤い髪をし、エメラルドグリーンに近い色をした瞳を宿す。彼は十歳も年の離れた睦海を前にして何か顔中にまで神経を見せ付けるかのような表情を見せる。それは怒りの表情なのか、或は昨今の時代に精神病として認められた火病を患うが為なのか、それとも闘争心が昂る性格故に? その答えは次の通り。
「兄さん、落ち着いて。貴方は実験体として失敗作なのよ」
「落ち着いていられるか、睦海!
 俺はあの惨劇を起こした『破壊の宴』を倒すまで止まる訳にはゆかない。お前の為だけじゃない。死んでいった仲間達、そして目の前で死んでいった無知成る人達の魂を救済する為に俺はお前の望む理想の兄として力を求め続けた。その結果、明日が如何成ろうとも構わない。悪鬼羅刹に魂を貶めようとも構わない。俺はこの愛する日本を救う為に自ら修羅道に堕ち、自ら大虐殺に身を染めようともここに辞さん!」
「だからこそ私達プロジェクトチームは冷凍睡眠とは別に『パラレルワール』プロジェクトを進行してるの。来たるべき『破壊の宴』との戦いで人類が勝利する為に世界各国の協力が不可欠なの。でもニュルンベルク史観は……『ソロモンの悪夢』は自分達の事しか考えずに地球を世界を破滅へと追いやってゆくわ」
「だからこそ日本以外の世界と協力なんて無駄な事だ。グレートブリテンが永遠にフランスといがみ合う様に日本とあの半島の国々と手を取り合う事なんて不可能な話だ。隣国と手を取り合えないのに世界中と仲良くして世界市民などと……お花畑が過ぎるではないか!」
「それでもよ、兄さん。それでも人間は手を取り合っていかないといけないの。分かり合えない、同じ人間ではないとわかっていても……例え牛と闘牛が元は同じウシ科でないと知っても牛と馬と闘牛は目下の敵と戦う為に手を取り合わないといけないの。馬と鹿が馬鹿同士で種族ごと滅ぼす存在を打倒する為に協力を惜しまないように……世界は一つに集約するのも悪くない話なのよ!」
「だが、神は自分達の邪魔をせんとバベルの塔を阻止する。バベルの塔がそう名付けられる背景には神の都合、神のエリート思想が見え隠れする。その言葉の乱れは時を経るとともに人間同士を修復不可能なまでに追いやり、結果として悪魔の洞窟に暮らす新羅人を産み出した!」
「悪魔に失礼よ、兄さん。悪魔ってのは契約に忠実で尚且つ嘘を嫌うのよ。平気で約束事を守らない彼らの事を人は悪魔の失敗作と称するわ」
「ほら、見ろ。それが人間同じという証明に繋がらない。世界が一つに成れない証拠よ!」
「そんな私も悪魔の失敗作と手を繋がなくちゃいけない時があるの。時間がない。時間がない事こそ私達の忌むべき問題なの。大好きに成りたい日本の為、大嫌いな世界中の為、そして愛するカズマの為に私は明日を救いたいの!」
「だったら俺に猶予を与えろ。俺にもう一度チャンスを与えよ!」
「ええ、わかったわ」
 睦海は従兄弟の宗光に利き腕側に注射の針を挿入。その間に研究室に立ち入る気配が三つ、六つ、そして九つ。
「う、睦海……何、を、した、ァ?」そう呟いて俯せに倒れ込む宗光。
「良くやった折笠博士」
「博士は余計だと言ってるじゃないですか、内閣官房長官殿」
「防衛省から軍司省への名称変更の際はどうか御協力を……博士」
「防衛大臣殿もですね……私はまだその域に達しないのに。これは貴方の仕業でしょうか、ドクターゲドル?」
「フエッヘッヘッヘ、わしはこのように拘束される程の大罪人じゃな」
「人間の形をした別物なのに」
 セキュリティポリスを両脇に抱えてやって来るのは二人と一体。中央に立つのは時の内閣官房長官。官房長官組より右後ろに立つのは時の防衛大臣。反対側で全身拘束具車で鼻の上からおでこまで素肌を晒すような如何にも人殺しに躊躇しない何かは天才科学者の異名を持つ大罪者ガリアス・ゲドル。彼らは睦海の計画を後押しする存在。睦海は彼らの命に従い、従兄弟の宗光を機能停止させる注射を打った。
「兄さんをどのように扱うの? もしかして実験に使うの?」
「フエッヘッヘッヘ、わしですら倒す自信のないあの『破壊の宴』を倒す切り札として何度も人体実験しないといけないのじゃ」
「倒す自信がないって結局立ち向かう事も出来ない臆病者だって自分で言ってるのに気付かないのですか、ゲドル博士!」
「まあ起こるな、折笠博士……いや折笠君。博士は世界中の軍事力を結集しても敵わない存在。それが負けを認める程の存在だ。だからこそ博士は本来非協力的な所を科学面で協力してくれるんだぞ。もしも協力しないのであれば既に我々は博士の胃袋の中に収まっているだろう」
「冷凍睡眠計画の推進材としての『ドリーマーズ・アゲン』は折笠博士……否、折笠さんの人脈の広さと類稀な才能を持ちまして後少しで試験段階に入ったのです。だが、それを妨害する事も想定されるが為に我々日本は独自に『パラレルワール』プロジェクトを推進し、それに相応しい若者を彼も含めて『七人』集める事に成功した。全員純潔の日本人であり、心技体ともに相応しい。博士が単独で『破壊の宴』の撃破が難しいと主張するように彼らだけでは真っ向勝負した所で結果は見えるでしょうな。けれどもそれに相応しい程に食い下がるでしょうな」
「でも『パラレルワール』に人類の明日は含まれないのよ。終わった頃にはこの宇宙の未来はなくなるの。だから私はそれに賛同しないの。未来がなくなる計画の何処に正義があるの!」
「何、未来がなくなればまた作れば良いじゃないか」
「簡単に言ってくれるから文民は嫌いなの。文章書きはそうして実践した人間の気持ちなんて一切考えないのよ!」
「やれやれ、困りましたね……官房長官殿」
「それが女性の素晴らしさだろう、気に入ったぞ」
「そろそろ時間が迫るぞ、お前達」
「サイコシリアルが我々に指図をするとはな……ではくれぐれも我々を裏切らない事だな、折笠博士」
「承知しました!」
 敬礼したまま宗光を運んでゆく三組を見送る睦海。その胸中は痛いほど苦しい。そして彼らが姿を消した頃にこう呟く……「果たして私達のする事は人類の明日を切り開くの? ねえ、教えてよカズマ!」と!


 まだまだ続きますよ。

 カズマには睦海以外にも交流がある。それはカズマに入れ替わりで合格させようとした帰化人のドイツ人のオットー・ハイドリット。彼はカズマより五つも年が離れる。だが、その心は既に日本に染まる。髪は黒、普段着は侍、冬であろうとも足袋を欠かさない。こうした日本被れは日本への愛が引き起こした物と言えよう。しかも彼は帰化名として灰原乙史(はいばら おとし)という名前をずっと神名だと言って聞かない。真ではない。神である。既にキリストの神と子と精霊への忠誠心は薄れ、今では天照大御神に忠誠を誓う始末。但し、男系主義者である事を忘れずに。
 そんな男を連れて豊日神社に足を運ぶカズマ。二人は鳥居を慎重に潜る。神社のルールを忠実に守り、お賽銭時に於ける神の起こし方も一つ一つ注意を払いながら。けれどもある行為に不満を漏らしたオットーこと帰化名乙史は衆目の前で腹を切ろうとした。
「死ぬね、日本では恥ずかしき行為は腹切りあるね!」
「止めな、おっとー!」
「オットーじゃなくて灰原乙史と呼ぶね!」
「そうじゃなくて切腹は今の日本に存在しない。勝手に命を絶つなんてするんじゃない!」
「いや切腹ね。私日本の為なら命を絶つのも厭わないね。これぞ新渡戸稲造スピリッツ!」
「新渡戸稲造の武士道研究はそんな浅はかじゃない!」
「恥の精神は罪の精神以上に尊ぶ。カズマもそれに気付くべきね!」
「クソウ、中々オットーを止めるのが難しいぞ!」
 オットーは時代錯誤な帰化人。故に幾ら近代の常識を説いても聞く耳は持たない。おまけにカズマよりも身体能力が高い為に直ぐ突き飛ばされ、何度も顔中に砂がこびりつく始末。そんな彼の前に細目でやや赤毛の青年がリュックサックを背負って現れた。彼は切腹を試みようとするオットーの前に近付いては一瞬にして右肩の関節を極める。
「ウググ……一瞬で!」
「す、凄い……って日本人じゃないな」
「これは失礼しました。僕は南アイルランドから遥々世界一周旅行の為に日本を訪れるデ・ランデ・ストラと申します」
「変わった苗字……それよりも方が外れそうです」
「これは失礼」
 その青年はデランと呼ぶよう二人に言う。それについて二人は何故あって直ぐになじむような事を口にするのかを尋ねる。するとデランは次のように語った。
「実はね、僕は……宴なんだ」
「は?」
「ファット?」
「冗談ですよ。何、僕には見えるんですよ。人には知らない事が時々……じゃあまた。僕は日本ばかり訪れる暇もありませんので」
 謎の青年デランはお辞儀をして背を向けて去ってゆく。そんな青年に対して二人はすっかり我に戻る。
「何者だろうか、彼は?」
「何者でも良い。彼は私達に道を示してくれた。まだまだああゆう技を使う人間が世界に居る事を再確認させられたな」
「アイルランドにも合気道はあるのか?」
「いや、軍隊格闘術のそれでしょうな。彼は軍隊に入って格闘術を学んだだろう……それにしても実に見事な関節技だよ」
「それ以前にもう死ぬ真似はしないでくれ」
「済まない、私の心の友よ」
 二人は互いの右手を握り合い、友情を深める。この先、どのような事があろうとも二人の友情は引き裂かれない……そう思って!


 という訳でお送りしたぞ。一応、『ドリーマーズアゲインよ、永遠に』は前に出した二作よりも長く、そして壮大にお届けする物語。その為、起承転結の起は今後の伏線に成るような事柄を幾つも仕込んでいるのだよ。なので後付けとは言わせませんぜ。
 それじゃあ今回はここまで。マユユは三年前の覇者の一人であるエシディシと並ぶ程の逸材。エシディシデビュー年にもやらかしていたなんてなあ……園遊会に母親連れて来るなよ!

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR