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一兆年の夜 第七十五話 最高官のお仕事(中)

 午後零時三十分十一秒。
 場所は最高官第一執務室。
 カラッ佐とリリーナルは動けない。けれどもイタドウヨは筋肉を膨張させて相討ちを図る。
(死っぬ気だ。そっそれは最高官として止めないと!
 でっも体が、きょっ恐怖が、恐っ怖がああ!)
 カラッ佐は引継ぎの為にやって来たイタドウヨが自ら命を捨てて自分達を守ろうとしてる事を強く止めようと考える。けれどもカラッ佐は恐怖で体が動けない。恐怖で手羽先を動かせない。それが何よりも悔しくて悔しくてリリーエを喰われてゆく悲しみで心身共に昨日の全てを動かせないリリーナルと同じ状態に追い込まれる。彼女と一緒にイタドウヨの戦いぶりを見るしかなかった。だが--
(あっあのイタドウヨが力で圧倒されてるって? りっ栗鼠族の柔軟性が鬼族の力を鎧袖一触するのか? ウッウワアア……あっわわわ、勝ってない。こっのままじゃあみんな銀河連合の腹の中に収まるぞ!
 なっ何とか出来ないのかああああ!)
 カラッ佐の思考通りそれは只の獅子型ではない。栗鼠族の柔軟性を活かして尻尾で力を流して小さな四本足で体勢を崩したイタドウヨの身体を掴んで第一執務室中に投げ込んでゆく。獅子型とはいえ、鬼族とほぼ同じ身体能力を有するが為に消耗が激しいのは一目同然。イタドウヨは相討ちする事も出来ずに自分が一方的にやられる事に今までの自信を失いつつある。
「この鶴翼党乃党首牙、次期最高官だった俺牙獅子型似……一般生命乃身体於乗っ取るよう那銀河連合似真っ向科羅やられるなんてあってたまる科亜亜!」
 とうとう用意もなしに突進を図るイタドウヨ--こう成ったら最早一方的に喰われて死ぬしかない!
(クッソウ、声っが……声?)
 身体は動けなくとも声は出るとわかったカラッ佐。すると彼は張り裂けん程の音量で次のように叫んでみせる!
「俺っは最高官、そっれなのに何時も何時も俺のやり方に文句ばっかりつけやがって!
 どっどいつもこいつも俺を選んだ事も忘れて良くない所ばっかり捲し立ててええ!
 俺っはあの方に憧れて最高官を目指してそれから偉大なる恩師に極意を教わって後継者として立候補して選挙で必死に飛び回りながら両手羽先が一時上らなく成る程握羽して対抗に勝って念願の……ハッアハア!」カラッ佐の息継ぎが十分じゃない叫びはイタドウヨだけじゃなくて今にも止めを刺そうとする銀河連合の動きを止めた。「どっいつもこいつもみんな俺の苦労をわかってくれない。おっ俺がどれだけ金集めに苦労して更には大臣選びにも気を使い、そっして大臣の余計な事に対してどれ程意を痛めたかあああ!」
 ここ来て銀河連合は果敢に立ち向かうイタドウヨから口煩いカラッ佐に目標を切り替えた。これには秘書官を務めるリリーナルもようやく私情よりも使命を優先し始める--尻尾で無理矢理自分の身体を立たせてみせる。
「最高官をやら、せません。こ、こです、リリーエ!」まだ震えが残るも自らの妹への思いを原動力に自ら引き寄せようと大声を上げる。「全生命体にあるん声を、言葉を発、するん力は誰かを、誰かを守、るん時にあるんですん!」
 ところがやっとの思いで立たせたリリーナルよりもカラッ佐の方に獅子型は突進--瞬く間に彼の胴体に噛み付くのだった!
「あっぐあああああああ!」と悲鳴を上げながらカラッ佐は伊丹で身体機能の一部を取り戻したと瞬時に判断して精一杯翼をばたつかせて宙に浮くと。「うっぐぐうう、こっの烏丸カラッ佐最後の」偶然にも獅子型の力の流れを理解するかのように窓の方に向かわせて一緒に跳んでゆく。「オっオ花火を挙げてやるからなアアアアがああああ!」
「カラッ佐アアアア!」
「最高官んんんん!」
 カラッ佐と獅子型は窓ガラスで全身のあちこちを刺されながら地上まで落下してゆく!
(結っ局俺は誇れる最高官に成れません、でっした……りりーぜ最高官殿、ぉ--)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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