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試作品 ドリーマーズアゲインよ、永遠に 手探りでお届けする駄作 (3/5)

 どうも時々自分の中で何かの真理を見つけた気でいるのはdarkvernuであります。
 発見した事とはあらゆる仕事の中で非人道的な事に手を染める場合、一瞬だけ迷いを見せる人間も上司の命令だからだとか会社にとって利益に成るだとかという名分を得ると平気でそれを実行出来てしまう所だろう……これに対する反論があるならどしどしコメントしてくれ。まあコメントはないだろうが(笑)。
 とそんな戯言はそこまでにしてエルガイムの第一話と最終話のタイトルと被った名前の物語に又、数ページ記すとしようか。

 デートの約束は正午に豊日神社鳥居前。一人で鳥居は絶対に潜らない事こそ待ち合わせをする者の務め。カズマと睦海はそう約束して前日までにそう決めた。
 そんなカズマの恋路を邪魔する者達は三人。それぞれが日本を苦しめる国々の人間。彼らもカズマと同じく帰化申請を受ける者達。だが、三人は決して日本人の心を知らない。日本を愛する心が欠ける。その理由は次に示そう。
 彼らはカズマを人気のない路地裏まで誘導。そこで自己紹介してゆく。
「ウリリリ、ウリは在日南新羅人にして総連のエージェントを務めるカラ・ガンスさ」
「私人民解放軍にて訓練を受けた立派な工作員あるね」
「自分は元ソ連のスパイ養成所で……それは親父殿の経歴でしょうな」
「俺はカズマ・エターニティだ。お前達は何の為に帰化試験を受ける?」
 自己紹介の後にカズマは尋ねる。すると三人はそれぞれの理由を語り始める。
「決まってんだろ。もしもやばい時はチョッパリのせいにしてやるニダ」
「私日本で楽したいね。日本人を一杯苦しめたいね」
「決まってるだろう。今後ロシアの国益を鑑みて日本のない情を調査する為」
 それを聞いたカズマは構える……「じゃあお前達は日本から出て行かないといけない」日本を愛するアメリカ人として!
「わからないか。チョッパリは俺達を強制連行したニダ。従軍慰安婦問題を金で解決した酷い奴等ニダ。お前に真実の歴史を教授させてやるニダ」
「私人壊すの大好きね」
「先ずはお手並み拝見と行こうか」
 南新羅人のガンスと支那人の名無しはそれぞれ構えてカズマに挑む。一方のロシア人の名無しは傍観する模様。
「止めておくんだ、ここで喧嘩すれば帰化試験を永遠に受けられなくなる」あくまで帰化を望むカズマは警告を続ける。「折角のキャリアをこんな所で無駄にしない為にも手を引け」
「それ出来ないニダ。全く歴史を知らない愚かなアメリカ人は日本の悪行を叩き込むしかないニダ」
「二対一ね。君勝てる可能性ないアルヨ」
「どうやら戦いは避けられない、ぞ……そこのアメリカ人」
 ガンスと支那人名無しは同時に動く。二人は先制攻撃を仕掛ける。
 それに対し、カズマは間合いを詰められるまで一歩も動かない。カズマは防御に専念。
「攻撃と防御……やはり勝ったのは!」
 勝ったのは……防御--右手にガンスの左回し蹴りを、左手に支那人名無しの左崩拳を絡め取り、円を描きながら流れるように彼らの顔面に手をやりながら……後頭部を固い地面に叩き付ける!
「如何か死なない事を祈る」
 防衛を終え、静かにロシア人名無しの方に顔を向けるカズマ。するとロシア人名無しは腕組を解き、背を見せる。
「如何した、ロシア人?」
「ロシアには古来からこうゆう法則がある。『弱い物だけを相手にする』と。自分は形勢不利を決めれば其方との喧嘩を買わない」
「賢明な事だな……だが、帰化は止めろ。お前もこの二人と同じで日本を心から愛してない!」
「それが気に成るな」
「何が目的だ?」
「質問に答えろ、カズマ・エターニティ。何故帰化条件は国を愛する事だ?」
「帰化する事は即ちその国に骨を埋める気で愛を覚えねば成らない!」
「それは無理だろう。幾ら心まで国に溶け込もうとも背骨が外国人なら如何だ?」
「背骨が外国人なら……ば!」
「答えられない。それがお前が日本を何処かで憎む気持ち。それが日本を愛する? 日本に骨を埋める? 笑える話をどうも有難う」
「……」
 何も言えないカズマ。初めて彼は己のルーツを恨む。
「おっと名乗ろう。自分はイワノフ・セギノルフ……システマ使いだ。先程見せた柔術いや合気道は自分に使わぬ事だ……ではまたの機会を」
 セギノルフは静かに去る。何時か会えると確信するかのように。
「……何も反論出来ない」
 カズマは自らのルーツが既に日本人から遠い事を憎んだ。折角、日本に来て真の日本人に成る事を目指した少年にとってセギノルフの言葉は突き刺さる。
 --幾ら心まで国に溶け込もうとも背骨が外国人なら如何だ--
 これに対する答えに行き詰まる以上、如何しようもない。如何して父、母は自分を日本人にしてくれなかった、と--涙が流れるまで時間は掛からない。


 一旦休憩を挟んで後半行きましょう。

 午後零時十五分……約束の鳥居で一人、足踏みする睦海。彼女は苛立ちを隠せない。約束の時間を十五分以上も遅れるカズマに対して!
 そして、カズマはやっと来た……「遅いわよ、十五分も待たせて……って」頭の良い睦海は遠目で見るカズマの様子がおかしい事を逸早く察知。
 駆け付けてみるとその表情で直ぐに……「教えて、カズマ。如何してそんなに悲しそうなのか?」何かあったのかを探り当てる。
 だが、カズマはそんな気遣いをされて彼女を押し倒してしまう。何もかも読まれ、尚且つ誰よりも日本人である彼女をこの時ほど恨んだ事か。時としてその気遣いはカズマに殺意すら齎す。そう、それは次のように胸に打ち込まれる!
 --ココデコロセバオレハハレテナレル--
 だが、何処かに己を持つカズマは少しだけ冷静に見つめる。そして、己がした事を悔やむ。悔やみ出すと次に出るのは……「お、お、お、俺はやってない!」現実逃避するようにその場から走り去る!
「カ、カズマあああ!」
 睦海は混乱の渦中にあるカズマを追った!

 睦海を突き飛ばした--その事実が彼を目的無き逃避行へと走らせる!
 彼は逃げ続けた。何から逃げるのか彼は思い出せない。先程の喧嘩で死なせたかもしれない南新羅人と支那人? 否!
 己の背骨を指摘したロシア人イワノフ・セギノルフから? 否!
 突き飛ばした睦海を一度でも殺そうと考えた自分? 否!
 答えは日本人に成り済まそうとするカズマ・エターニティに対して!
 理由はカズマ自身が求めて已まない日本人。祖父は偉大なる日本人、その祖父から日本の心を受け継いだ父への憧憬、そして……「御免、睦海。俺はお前が望む日本人に成れなかった!」睦海の愛を叶える為。だが、それら全てが崩れ去る時こそカズマは日本人に成り済まそうとした事に気付いてしまった!
 俺は日本人に成り済まして日本人全てを欺こうとした。親の代から受け継がれる日本への愛は全て俺が利用したんだ。全ては睦海に愛される為に--そんな風に考えてカズマは目的無き逃避行を二時間十五分も続ける。

 そして雨……やがて雷が周囲に恐怖の鐘を鳴らす。カズマは雨こそ嫌いはしない。だが、雷は酷く嫌った。そのせいで彼は未だ肺活量が残る中で足を止めてしまう。
「雷は子供の頃から打たれたら死ぬって教わる……から!」とうとう、両膝を水溜まりに浸けて両手をその中に潜らせた。「震える。雷は恐い、恐い、ホラーホラーホラー」
 雷雲は鳴り響く。何時、カズマの元へその裁きを始めるかを窺う--そう表現しながらカズマは処刑台に立たされる気持ちを少しでも理解し始める。
 何れ己はその雷の前に一生を終える。雷は一瞬で全てを終わらせる。今までの人生が一瞬で済まされる理不尽にカズマは歯痒い気持ちで一杯に成る。雷は最愛の人を殺そうとした自分を裁く為に雲の中でうねり声という名の準備運動を続ける。カズマは筆記試験こそ今でも苦手だが、少しでももったいぶった表現をしてる気持ちにも成る。普段の彼ならこれを糧に前向きに立ち直る。だが、今の彼は己の背骨を指摘されて何も浮かばない。何も前向きに成れない。そこには彼を慰める人間は一人も居ない。そう、今では世界で唯一人。
 もう終わりだ、もう俺の人生は雷が落ちて緞帳は急加速するように落ちる--彼は自らの人生という名の物語が幕を閉じようとするのを黙って待つ。
 その時……「雷は落ちません!」そう耳の穴にまで届けられる温かい言葉!
 誰かの幻聴か? いや、幻聴なんて都合の良い話だ。死ぬ間際に届けられる温かくも残酷な悪魔の囁きだ--カズマはそう考える!
「いいえ、これは真実です」
 また聞こえた……「もう良い、幻聴でも何でも良いんだ。俺にはもう日本人に成れる資格なんてないさ!」カズマは死ぬ事を前提にそれを静かに聞こうと決心。
「君がどんなに帰化した所で日本人に成れない。そうでしょうね、きっとそれが皆様にとっての真実なのでしょう。でもね、カズマ。だからって今まで君が努力して来た事が無駄に成らないの。今まで日本人に成ろうと励んで来た事は無駄に成らないの。どんなに君の遺伝子が日本人と程遠いと断言されても、どんなに君がカズマ・エターニティというアメリカ人であっても君は、いえ君の心は日本人なの。それがどれだけ私の為に尽くされようとも、それがどれだけ私の為だけに日本人という名目を利用しようとも私は君自身を、君自身を永遠に見つめるの。だって、君は苦しかったんですよね。去年試験を落とした事で裏技を駆使するという腹立たしい事をしないと愛する日本に縋り付けない程追い詰められたんでしょう。既にわかってるのよ。滑り止めは君自身の過ちである事にも、そしてそれを自ら辞退した君の良心にも。でもね、でもそれくらいで君が培ってきた愛は崩れない。それと同じように雷如きで君の存在を消したり出来ない。
 何故なら私が君に代わって雷に打たれてあげるから!」
 睦海が後ろから優しく抱きしめる時、雷は何処へと落下--どうやら二人の仲を取り持つ為に雷はうねり声を上げたか……カズマはそう考える。
「睦海、睦海、睦海イイイイイ!」
 それから彼女の手を振り解くとカズマは睦海を正面から見、そして強く抱擁!
「御免よ、御免よ、ソーリーソーリーソーリイイイイ!」
「私の方こそ今まで黙ってて御免なさい。今まで上から目線で君に言い続けた事を御免なさい」
「良いんだ、睦海。これから俺達は対等の立場に立ったんだ。これが本当の対等関係だったんだ!」
 こうして二人の距離はより縮まり、やがては……
 距離の縮まる二人が永遠の別れを告げるまで後一年……


 という訳で『ドリーマーズアゲインよ、永遠に』をお届けしました。どうやら筆が乗る気分こそこの作品と一体化する証拠だろうな。まあその気分に成るまで筆を書き進めないといけないのが辛い所だがな。
 それじゃあ今回はここまで。こちらはやや長編で商業化する予定。記せなかったエピソードを何個か仕込んで出すのでお楽しみを!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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