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一兆年の夜 第十一話 天同生子 建国篇(四)

 午後四時一分六秒。
 場所は東テレス町一番地区五番地第一東門。
「はっ! ここから出ていけ! でないと俺は赦すことを容れず切り伏せるのみ!」
 国防官天同零は第二部隊に加勢する形で戦いに参加していた!
「危ないわ、国防官!」
 零の背後を捕った蟻型を望遠刀で狙撃していく者がいた!
「雌の癖して戦いが出来るのかよ!」
「あなた好きじゃないわ!」
「好き好きじゃないは後にしろ! とにかく雌は俺の援護だけをしてればいいんだよ!」
「雌じゃありませーん! ちゃんとリモートって言う名前ですから」
「名字はないのか?」
 零は蛇型と虎型の挟み撃ちを虎型の背中を蹴りつけることで回避しながら質問
した!
「報告する時言いましたけど!」
 齢十六にして二の月と七日目になるアリスト人族の少女リモートは蛇型を狙撃しながら返事をした!
「おい、避けられてるぞ! 蛇型に読まれてる場合か!」
「誰のせいで狙いが乱れたとお思いですか! ちなみに私の名字は--」
「零! 夫婦喧嘩はあ後にしろろ! こっちはあもう限られれた界まで追いい込まれたあ!」
 真島ベロウ都は右足で足斧を振るいながら、零達に助けを求めた!
「とか言いながらまだ戦えるじゃないか!」
「お前程お余裕じゃあねえぞ!」
「ってまだ私の名字は聞いてないでしょ! さっさと--」
「ああ、この戦いを終わらせないとな!」
 零はリモートと残り第二部隊七名と共に第一東門付近に残ったおぞましきモノ
十三体を倒していく……

 午後五時九分一秒。
 場所は首都四門中央地区神武聖堂生子の間。
 裏側から再びピートが報告しに駆けつけた!
「報告し-ます! 第三東ー門のおぞーましきモノーは全体死ー亡を確認ー!
 繰ーり返しまーす! 第ー三東門のおーぞましきーモノは全ー体死亡をー確認!」
「そうか、ありがとう」
「それから第二部ー隊は十一名のー死亡ーを確認。住ー民の死亡ー者は零でーす!」
「名前を聞かせて……」
 ピートは次々と名前を報告した。報告する者も報告される者も顔つきは悲しみで皺が増えた。
「……以上でござーいますー! ですが、国ー防官は無ー事ですのでー、えっとどうーすれば」
「気にするのは健康に宜しくないぞ、ピート。悲しみを背負うのは私だけで良い。
 それが私の役目なのだから」
 生子は死に往く者への悲しみを受け止めようと必死であった。そんな中でも問題児零の無事を聞いて安心する自分を認識していた。
(あの子が無事ならそれで良い。そう勝手に思えればどれほど楽なのか。
 私にはそんな余裕は与えられないのかしら?
 ところで私の予測はどうなったのかピートに聞かなければいけないわ)
「ところで第二部隊に加勢した者は零一名だけなの?」
「実ーは偵察官ーを務めていーるはずのーリモート・キングレイがー戦っーてました!
 何故ーでしょうーか?」
 生子は自分の予測通りの報告を聞いて右額から一滴の汗を流した。
(絶対あの子に巻き込まれたわ、彼女!)

 午後五時十八分二秒。
 場所は東テレス町三番地区第三東門。
 零達が来た頃には既に戦いは終わっていた。第五部隊は半数が死亡した。
 けれども、住民は幸いにも一名の死者は出なかった。
「マウグスタのおっさん!」
「おっさんではナアい! お兄さんダア! 何度言エバわかる!」
「それよりも報告しろ!」
「あのナア、報告すルウぞ! 第十部隊が全滅しタア地区に俺達本隊の半分を向かわセエたところだ! そこはどうなったカアは後ほど報告致す!
 ここ三番地区では住民の死者は零名ダア! だが、兵士は第五部隊だけでも半数近くの死亡を確認した! 剥き出しアリは皆倒シイタ後だ!」
「ちっ! また俺は生き残ってしまった! 名前を教えろ! 死んだ奴等を心に刻んでやらねえと!」
 ベルッド・マウグスタは全ての名前を零に出し惜しみ無く報告した!
「絶対にお前らの死を忘れない! この国を生きたお前らを絶対に忘れてなるものか!」
「あなたも悲しむんだね」
「今悲しんでも帰らねえんだぞ! それは雌だってよくわかるだろ!」
「ええ、あなたに言われるまでもなく!」
 リモートは零を好きにはなれない。けれども零の悲しみは共感した!
「水を差してすまナアイが、君は偵察官ではアルまいな?」
 ベルッドは前左足で尻を掻きながらリモートに質問した。
「ええ! 雌が戦いに参加して良くないと言いたいの?」
 ベルッドがそう言おうとしたら--
「心配するな! お叱りはすべて俺が受けるからこの事は俺が無理矢理戦わせたということで報告しといてくれないか?」
「は? だがヨオそれじゃあお前さんは--」
「怒られるのは慣れてるからそれでいいだろ? 意見したら尻掻いてることを言い
ふらすぞ!」
 それを流されたら自分自身の雄としての誇りが傷つけられると感じたベルッドは零の方針に反論しなくなった。それを見ていたリモートは腰まで伸びる長く真紅な髪を揺らしながら--
「あなたってどこまでも神様に迷惑をかける雄ね!」
「神様が怖くて動きまわれるかよ!」
 リモートの苦言に零は罪作りな返事をした!

 午後六時一分二十三秒。
 場所は首都四門中央地区神武聖堂生子の間。
 天同生子はすべての報告を聞き、戦いが終わったことを理解した。
(第二東門では第十部隊は全滅し、三十名近くの住民の死亡が確認された!
 本体の半分が駆け付けた頃にはおぞましきモノ達はいなかった!
 その事については生活安全庁が早急なる調査を行っている。でも、私が思うには彼らは外へ逃げたと予測する。もちろん中にだっていないことはあり得ないわ。
 でも、私は自分の予測を信じて手を打ったわ! 後は報告を待つだけだわ。
 それよりもこれからの事を考えないといけないわ! 私ができる範囲は狭いけど、守ってばかりでは国家神武は守れないわ。誕生したばかりの国を守る為には時として……)
 裏側から零がやって来る!
「オイ、姉貴! そろそろ俺たちは奴等を倒す為にも奴等の住処に向かおうぜ!」
「まだ早いわ! 皆の疲れが癒えた頃に話し合いましょう」

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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