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一兆年の夜 第七十三話 優央の記憶 悲劇の再現(四)

 ICイマジナリーセンチュリー二百十四年五月百日午前十時二分三秒。

 場所は真古式神武首都六影府中央地区中央官邸。最高会議室。
 齢三十八にして三の月と九日目に成る優央は今回もマンメリーを同行させなかった。代わりに齢二十歳にして十五日目に成る雄略サーバル族のサーバ十二世を同行させる。
(四の年より前からずっとあいつはもう無理だ。子育ても完全に史烈に丸投げしていて全然やってくれない。日課であるカンガルー拳法すらやらずにずっと酒浸りの日毎。あれだけ僕を支えてくれたマンメリーがメリーナとマリエラの死であれだけ廃れた生命に成るなんて!)
 優央はマンメリーが廃れた生命に成ったのを受けて何とか出来ないかと考える。だが、考えれば考える程に結局それで会議に集中出来ないと踏まえて齢三十七にして十一の月と二十日目に成る六影人族の老年一場雄三はこう言う。「優央様、また話とは何なのかを説明しようか?」と白髪にして口の周りを覆わんばかりの黒髭が目立つような彼は益々、厳格で頑固な老年と成った!
「そうだね。今も変わらない僕と違って君はもうすっかりお爺さんか」
「年月は酷く残られようぞ」齢三十六にして十七日目に成るプトレ燕族の老年にして真古式神武最後の最高官として威厳を見せようとするは沖田ストラ戸。「それに伴われ、わしも威厳が整ってこられようぞ!」
「ンァ威厳、ズゥそれで?」それに対して副最高官を務めるのは齢三十にして十七日目に成るアリスト蟻族の中年ドレイズ・ジニンはツッコミを入れる。「ズゥ仕事ぶりも結局は俺が居なければどうしようもないじゃないかな?」
「若造共端まだまだ元気那事だぞ」齢四十三にして三の月と十一日目に成る神武鬼族の老年にして軍務大臣を務めるミチナカノシレンデンは四十を超えるにも拘らずその引き締まった肉体に一切の衰えを見せない。「俺なんかもう直ぐ死にそう出怖くて怖くて衰えてばかりだぞ」
「良く舌が回ちゅねえ、軍務大臣殿は」そう語るのは齢三十にして四日目に成るタレス鼠族の中年にして三の年より前に亡くなった田中チュウ五郎の第十五子である生活大臣の田中チュウ十五朗はシレンデンの冗談に対してツッコミを入れる。「想念の海に旅立った親父に比べたら全然三十代前半の肉体そのものでちゅ!」
「全然の使い方はそれで合っるのか?」そう指摘するのは齢三十一にして十一の月と三十日目に成るアリスト鴎族にして二の年より前に亡くなった榊原カモ好の一番下の弟にして総括大臣である榊原カモ八郎。「まあ全然は者に依って使い方が異ると聞くからな」
「その話じゃないだろう。今は激化する内部に潜入する銀河連合に依る無差別事件の収集とそれに乗じて徐々に新古式神武を外から奪ってゆく銀河連合をどう対処するかだろう」雄三は雑談を止めて話の腰を整える。「国民の新天神武への移住も遅々として進まない。銀河連合を体内に抱える生命の判別が難しい以上は……な!」
「僕の計画が後少し早かったらな……何度も言うけど、叔父さんである天同躯央はそうゆう事を悔いる暇があったらそれを糧にやっておかなければいけないと主張する。けれども僕にはもうこれ以上何の策も思い付かない」
「いえ、優央様はそこに居るだけで良いんだ。象徴とはそうゆう立場なのですから」
 だからって歯がゆいよ--優央は自分がお飾りである事に益々悩む。
(僕の提案だった全国民を新天神武へと移住させる計画は銀河連合に依る内部から喰らってゆくという悍ましいやり方を目の当たりにする事で賛成多数で成立するが……もう少しそれが成立していたら面倒な身体確認も行わずに済んだけど。まあ起こってしまってから悔いてもどうしようもない。僕達は発生する前からそれを然らずして防ぐしかない。けれどもそれは預言者でないと難しい。一般的な生命は昨日と今日しか認識出来ない。明日のように未知の領域は明日に成らないとわからないと叔父さんもさんざん言ってるし、叔父さんでなくとも学者や研究者は語る。
 今、僕達はやるべきなのは早急に話し合いを終わらせて数々の有効な手を速やかに実行する事。こうして話し合う時間も結局は銀河連合に依って付け入る隙を与える事に繋がる。けれども話し合いが十分じゃない場合は手も大した意味を宿さない。何とも遣る瀬無い真理なのだよ!)
 優央の考える通り、最高幹部達の誰もが話し合いに悠長な時間を掛ける暇はない。そうする暇をもっとやるべき事に使えばどれだけ銀河連合に反撃を加えられるかわかった物ではない。けれども話し合いが十分じゃないと手も褒められた物ではなくなる。誰もが優央の思う通りにどうしようもない心理に悩まされる。
「そろそろ十一の時に差し掛かろうとしてるな。一旦昼食の時間としよう」
「何を言われようか、雄三!」昼食の時間に異議を唱えるのは最高官のストラ戸。「食事の時間こそわしらに必要が無かろうぞ!」
「戦う士族斗端何模戦場だけ似居る之出端ないぞ、ストラ戸乃坊主」
「口ばかりの僕達も食事せねば会話の幅は広がりまちぇん」
 流石だ、みんな--と褒め称える優央。
「優央様が褒め称え候……では」流石のストラ戸も異論を撤回せざる負えない。「食事は摂らねばな」
 象徴にこれと言って権限はない。けれども象徴がそう口を挟んではどんなに最高官や摂政も考えを改めるしかないと。それだけに権威的存在の言葉は重く受け止めないといけない。
(早く会議が収束すれば良いのだが……でも会議は長引くのだよな。この間にも奴らに依って命を落とす国民はどれだけ……胸が痛いな。今年に入ってどうも胸が痛み出す気がする。深刻に成らないと良いが)
 優央の胸の痛みはやがて自らの命脈を断つきっかけと成る。それについて優央は次のように述懐。
『--この痛みはやがて僕を死なせるだろう。命日を設定する理由を詳細に述べろと
言われても僕は医者ではないし、医者もそこまで神懸っては居ない。けれどもこの時から
僕は死を意識するように成ったかな。それは昼食時の出来事だった。
 胸の痛みを気にしつつも僕は一般生命で言う高齢もあって完食する時間を延ばして
でも食事を完遂しようとしたな。だが--』

 午前十一時三十二分四十三秒。
 優央は床にお箸日本を落とす--箸が床に当たる音と同時に彼は両手で左胸を抑えながら顔の表情を歪める!
「なー、どー如何為さいましたバアルウウウ!」優央の落した箸に反応して飛び出すはマンメリーの代わりに付き者を務めるサーバ十二世。「すー、すー直ぐに医者をおおおおおバアル!」
「胸を気にしていたのは……俺とした事がああ!」優央の食事速度に合わせて食事を摂っていた雄三は箸を止めて机を叩いた後に、直ぐに駆け付ける。「だが、躯央様の言う通り悔いてる暇があるならそれを糧に……優央様を救わねばあああ!」
 僅か二の分の後に人族用の担架と最低限の救急箱を持参した医師団計八名は駆け付けて優央を優しく担架に乗せると最高会議室左隣にある専用医務室に運び、緊急手術を始める。そして僅か五の分の後……優央は一命を取り留めた--メスを入れずに基本的な心肺蘇生法に依って!
『--一命を取り留めてから一の月程眠っていたな。あの時は多忙な日々を送っていた事
もあって十分な睡眠も摂れていないな。その間に雄三やストラ戸を始めとした彼らは僕の
空けた穴を埋めるかのように
僕の為に尽力した。マンメリーを立ち直らせる為に雄三は
何度も足を運び、再起を促す。僕の案である全国民を新天神武へと移住する計画を
活発化させる。
 そして--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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