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一兆年の夜 第七十二話 優央の記憶 銀河連合に依る恐るべき展開(五)

 午後四時十四分三十七秒。
 場所は剛力党首都本部前。
 あ、君は……全然変わってないね--優央が目にしたのは齢三十二にして一の月と二十七日目に成るプラトー人族の熟女が付き者二名と共に立つ。
「優央、様?」その熟女は徐々に前に進める足を速くしてゆく。「やっぱり優央様……だ」
 それから彼女は二名の付き者の言葉も聞かずに走り出し、優央を抱き締める!
「会いたかった……やっと僕は君に相応しい雌に成ったわ」
「ああ、会いたかった……史烈のれあ
 二名は抱き締め合う。そして口付けを躱そうとした時--
「待って下サイ、二名共。ここは新天神武デスヨ」
 そうですぜえい--そこへ齢二十四にして四日目に成る武内山羊族の女性エリフェレスが齢二十三にして十一の月と二十九日目に成る同じく武内山羊族の青年エリフィルズの耳を掴みながら引き摺って駆け付ける!
「いででえよう、フェレスも歯形付ける程噛まないでくれえい」
「最近の雄は腰が砕けるってパパが言ってええい」
「そうじゃなくて今は史烈様の問題ある行動を抑えるように付き者の自分達が言うべきでぜよう!」
 あ、忘れてえい--とエリフェレスは忘れやすい事を自覚する模様。
(そ、そうだ。史烈がどうしてわざわざ剛力党本部まで尋ねるのかを聞こう)
 優央は史烈に思った事を尋ねる。すると史烈の答えは単純だった。
「それは是非とも今後も剛力党には春風家が支援を継続する事を表明する為……それだけね」
「そうか……君も支援団体だったか」
「ええ、政治団体とは異なるわ。要は父史天のあが築いた財力を駆使して新天神武がこれから来るであろう力の一極集中の為にも剛力党に支援しないと意味がないと踏まえてよ」
「そうか……じゃあ待ってる」
「ええ、一の時で済む話じゃないわよ。向こうさんだって午後六時には閉めると言ってるようだから」
 確かにマモモナルはそうゆう雄だったな--と公私を使い分ける党首を正当に評価する優央だった。
「ではそろそろ引キ揚ゲマショウカ、優央様」
「ああ、その前に」優央は史烈と擦れ違い様に口付けをしながらこう言った。「時間は何時空く?」
「これが終わったら直ぐに六影府に向かうわ……待ってて」
 双言葉を交わして二名は背中合わせに別れの挨拶を送った。
「有難う、そしてまた明日」
「史烈……明日じゃあ間に合わないよ」
 二名はそれぞれの付き者と共に己のすべき事を果たしに行くのだった……
(これでお別れじゃないんだ。そうだよね、史烈。君はこんな所で終わるような雌じゃない筈さ。だからこそ僕はここで終わらせようと企む銀河連合が一体でも存在したなら絶対に許さないだろう……今だけ都合の矛と盾が発動する事を願う!)

 五月八十三日午前十一時十分十四秒。
 場所は真古式神武首都六影府中央地区中央官邸最高会議室。
 そこでは逐一銀河連合に依る度重なる奪取の報せが届く。故に最高幹部達は華やかに昼食が摂れず、時たま床に零す者が後を絶たない!
「全く碌に食事もさせなかろうか、フン!」食事しながら筋肉鍛錬するのは齢四十三にして三日目のラテス燕族の老年フッソウ・メッサーシュミット。「ゴホゴホ……ウオうわ。ハアハア、そろそろ引退が近かろう」
「そう成られましたら僕にお任せくださろう」と言ってのけるのは齢二十八に成ったばかりのプトレ燕族の青年にして副最高官を務める沖田ストラ戸。「まあ最高官選挙では見事果たしましょうぞ」
「ズォほぼ単独当選するような最高官の椅子にどうして座ろうとするのか」とうめくのは齢二十二に成ったばかりの若くして財務大臣に抜擢されたアリスト蟻族の青年ドレイズ・ジニン……彼は去る年に亡くなったドレイドの第十八子。「ジェ権力の座はそんなに良い物か……忙しくなるだけだぞ」
「まあまあ、ドレイズの坊や」齢三十二にして十の月と一日目に成るアリスト鴎族の中年にして総括大臣を務める榊原カモ好。「国家最後の日が迫うとする時は誰も欲がりそうもない椅子を欲するのが生命という物じゃいか」
「国家乃死ねえ」珍しく最高幹部会議に出席するのは三十五にして二の月と二十五日目に成る神武鬼族の老年にして軍務大臣を務めるはミチナカノシレンデン。「俺様牙居る限り端真古式神武端喰われ端しない……予言乃日牙何だ!」
「みんな静粛に」優央は勝手気ままに喋り出す幹部達を静める。「こうして意味を見出せぬ話ばかりに時間を掛ける事こそ銀河連合に依る攻撃に繋がってしまう」
「でちゅが、ずっと奪還したり奪われたりと……何時進展しまちゅか!」と訴えるのは齢四十一にして七の月と二十日目に成るタレス鼠族の老年にして生活大臣を務める田中チュウ五平。「こんなの益々にして国民の多大なる保障の維持がまま成らなくなりまちゅ!」
「充実し過ぎるからこそ今に成ってこのような危機が訪れたのをお前は承知だろう、チュウ五平!」と事の因果はチュウ五平を始めとした歴代生活大臣にあると主張するのは摂政を務める一場雄三。「民を養い過ぎればそれこそ必要な時の備えをおろそかにするとわかってなかったからだろう」
「何でちゅと。そうして--」
「二名共静カニシテクレルカ!」
 議論は一向に進まない。それもその筈、既にそれ以外の方法を誰も気付かない。それ以外の方法として突拍子もない事が飛び出すのは目に見える。そう成らない為にも誰もが案を浮かべようとすると結果としてこうゆう事態に陥った因果を追及する状態へと陥る。
(叔父さんが居てくれたら、父さんが居てくれたら……何度そう願ったか。だが、死んでしまった以上はもう自分達で答えを探し出さなくてはいけない。けれども真古式神武は新天神武に金を借りてまで軍事活動をする。銀河連合に食われる時間を延命する為に。延命する為に……待て!)
 突然、優央は机を強く叩いた!
「如何為サッタノデスカ、優央様?」
「マンメリー……そろそろ始める頃合いだぞ」
「頃合……何を?」
「国民全てを新天神武に移住させる為の計画を……僕の勘では早く済ませないと銀河連合はとんでもない方向に攻め込むかも知れない」
 それは心配し過ぎでありましょう、優央様……フンガ--とフッドルは杞憂であると返す。
 だが、優央のその勘は……的中した。それは後の話にて!
「銀河連合は確かに奪うにしても戦力を小出しにする。小出しではまるで真古式神武をそれだけで喰えると艦の相違をするようだ。優央様が仰る心配もわかりますが、まだそれは早計かと」
「既に現最高官にもそれから次期最高官と思しき生命にもその旨を伝えた後だ。今からでも遅くはない。でないと銀河連合がやって来た展開は予想だにしない形を取る事に成るぞ!」
「フウ」
「如何シタンダ、シレンデン?」
「地図端ない科、マンメリー?」
 俺達がそれを用意シナイト思ってるのか--とマンメリーは係の者達に頼んで現真古式神武領土全てを移した数百枚にも成る地図を室内に運ばせた。
「ウオうわ……ゴホゴホ、これは老体に鞭を打つ埃の量ではなかろうか!」
「マンメリー、お前は資料館の使われてない部屋からも引っ張られもうしたか……ゲホゴホ!」
「新しいばかりでは芸デハナイノデ古イ方モ参考にしないといけない」
 ウダウダ言わず似取り掛かるぞおおおう--戦う士族としての血が騒ぐのか、シレンデンは本気に成った!
 シレンデンが本気に成ったお蔭で銀河連合に依る展開を打破する術が見つかる。それは……旧首都タイガーフェスティに全軍を展開し、僅か一の週掛けて奪還する事にあった!
『--この時のシレンデンは畏れ入った。まさか今日の会議の十の分の一にも満たない
時間で銀河連合に依る小出しの戦略を打ち崩す真なる方法を編み出すんだから。
それから明くる後の日に僕達は境目にて十六の年ぶりにそこの銀河連合の大群と対峙。
僕達の数は僅か五万しかない。幾ら望遠砲を整えようともその激戦は死と隣り合わせ
だったさ。それについては後程語る。
 さて、僕が考案した早期の国民移住計画ではあったが反対多数で却下された。これは
叔父さんと同じくみんな現実しか目を向けていない為に実現しない。実現していればより
多くの国民が命を落とさなくて済んだ。これの実現が遠ざかったのは誰も彼もがそこに
効率性を見出せない為。それでも僕の勘に間違いはない。その結果を僕は周知する。
 そろそろタイガーフェスティ奪還戦について記述していこうか。その戦いとは--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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