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雑文特別編 迷探偵市子ちゃんのデビュー 飽きたらカルピスに薄めるように短くする試作品 (7/5)

 どうも一兆年の夜は何時も調子が今一つな時は幾らやっても書こうと思わない。なのである程度ふざけた状態でスタートするのが一番だと考えるdarkvernuである。
 さて、市子ちゃんでもやりますか。

 第八の事件 ケモノフレンズ誘拐事件

 午後四時十分……市子ちゃんは山田君と別れた後に事件の匂いを追って駅前までやって来た。すると思った通り事件は発生。被害者と思われる四十代後半で眼鏡掛けた如何にも風俗嬢に騙されそうなスーツ男に市子ちゃんは尋ねる。
「どうしたの、まさか家計簿学園の追求が上手く行かないから頭痛を起こしたの?」
「酷い事言うね。違うよ、君。ってか君、子供でしょ? 子供は早く家に帰ってお母ちゃんの所に甘えに行くんだ」
「大丈夫、朝っぱらから十分甘えてるから」
「そうゆう意味で言ったんじゃないよ。取り敢えず大人の話に子供が介入しちゃいけないよ」
「わかったよ」
 諦めたと思い、スーツ男はとっととスマホを取り出した……が、何と市子ちゃんは戻って来た。しかも胡散臭い笑顔と良くわからんネクタイを着用するセールスマン風の男を連れて。
「な、何だい!」
「目には目を、大人には大人を」
「どうもバンキシャ株式会社の常務をやっております背流須万(せる すま)です」
「ど、どうも朝土悲平(あさど ひへい)と申します」
 挨拶の後……「えっと君……こんな胡散臭い人を連れて来るんじゃないよ。子供だからって許せる話じゃないよ」と市子ちゃんを注意する朝土さん。
「おやおや、良いのですか? 確か朝土さんは昨日も駅近くの風店で女の子を指名して五クレジット渡してからホテルに連れ込んだじゃありませんか」
「な、何故それを!」
「へえ、良くわからないけど真っ黒だね」
「ウググググ!」
「まあまあ、私めはたまたま昨日朝土さんを見つけたのですからこれと言って商品を売り付ける気は毛頭にありませんよ。用があるのは私ではなく、この子ですね」
「そうそう、何を騒いでいたの?」
「それがですね。まあ、その……大事な物が盗まれたんだよ、君」
 朝土さんが盗まれたのは帰宅時に十五歳に成るばかりの反抗期の娘に渡す予定の手提げ鞄の中に入れていたサーバルちゃん人形。彼のプロレス実況に批判されたあの有名なアニメに登場するサーバルちゃん。無くしたのは午後三時五十分前後。近くの飲食店『ザイゲリア』にて起こった。
「如何にも眼帯付けてそうな人が経営するような店の名前だね」
「君は小学生だろう? 何とんでもない事を知ってるんだね?」
「まあまあ、朝土さん。それで座ったのはどの席ですかね?」
「テーブル席でしかも六人が座れる所だよ。確か珍しい喫煙席だったね。実は何を隠そう私はヘビースモーカーでね」
「それで鞄は何処に置かれたのですか?」
「私はど真ん中の席でしかもカウンター席の客の背中が見れるポジションだから利き手側」
「利き手は?」
「左利きだよ、君」
「フムフム、それで店に入ったのは何時頃かね?」
「一時四十三分だったね」
「じゃあ早速同席したと思われる人達を探そうか」
「待て、私がスマホで連絡する」
 スマホで連絡して十二分後……同席した五人が現れる。
 早くしてよ、これから友人と一緒に合コン行こうと思ってるのに--仕事を早く切り上げてお見合いを兼ねた合コンに向かおうとするのは取引相手の一人である三十代前半の早瀬里穂(はやせ りほ)さん……席は朝土さんの真ん前。
 全く失礼ですね、せっかく仕事をやってる時に電話が掛かって部下達に押し付けて来たんだぞ……早くしてくれよ--と仕事熱心なのは取引相手で朝土と同年代の島清水雄三郎(しましみず ゆうざぶろう)さん……朝土さんから見て右真ん前の席に座る。
 全く正義の味方を録画してそれからそこまで言って委員会を録画した序に五人の小さき勇者達を録画した後に溜めていたゲームの一つであるウルスト2をやってバディファイトを楽しもうと思ったらこんな目に遭って--無駄に糞長く語るのはたまたまやって来た自称無駄君……朝土さんの利き腕側の席に座る。
 成程、俺が疑われるのは仕方のない話だ--と尋常じゃない存在感を表すのは眼鏡を着用し、年齢からして見た目は二十代後半と思わしき青年で今回の取引相手の仲介役を担わされた交渉者で自称ネイキッズさん……朝土さんの右手側に座る。
 あーあ、どうせ疑われるんだよ--とまるで諦めたかのように表情が暗いのは早瀬さんの部下で二十代前半の新人京本正臣(きょうもと まさおみ)さん……朝土さんから見て左真ん前に座る。
「フムフム、この中では容疑者は三人に絞られますな」
「そう、そして犯人は……無駄君、君に決めた!」
「何言ってるんだ。ポケモンと言えばその決め台詞だろうけど、だからって僕をポケモン扱いされるのは困るな。それだったらデジモン扱い、いやデュエモン扱い? 兎に角、ショッカー軍団も裸足で逃げると--」
「証拠……そんな物決まってるでしょ!」
「ほほう、死体を弄ぶ某噛ませ眼鏡の様に僕を追及するんだな。でも忘れるなよ、僕はインコにだって証人喚問出来る事をここで証明を--」
「利き手側に座ってるからだろ。しかも無駄君は何の関係もなしに座ったんだから犯人で間違いない」
「何だって。それじゃあ僕は盗まれたのが大人気ゲームのシバにゃんをわざわざ盗む為にこっそり相席して話し合ってる中で盗んだというのか。これまた一本取られましたなあ、その通り。僕は鞄の中からこっそりシバにゃんを盗もうと思ったんだ。でもネイキッズとか言う眼鏡が圧力掛け続けてそれが実現出来なかったんだ。本当だよ--」
「え、シバにゃん? そんな人形を私は持ってませんよ」
「あれれ?」
 市子ちゃんの推理は大外れ。
「フムフム、だから言ったでしょ。容疑者は三人に絞られると。つまり先程の無駄君の供述に依り、無駄君は勘違いで朝土さんの鞄の中にシバにゃんがあると思い込んでいた。それを盗もうと企むも予想以上にネイキッズの目が光り過ぎてそれが出来なかった……つまりここでネイキッズも容疑者から外される訳ですなあ。ムム、とするとここで問題が発生しますなあ」
「何処が問題なの?」
「ネイキッズの存在ですよ。彼だけで簡単に犯人は犯行が不可能に成りますなあ」
「何だって。ネイキッズさん一人で--」
「彼を人扱いするのは戴けませんが」
 どうやらネイキッズさんは人扱いされない模様。
「兎に角、もう一度アリバイを聞き出さないといけませんね。ネイキッズだけで真犯人は朝土さんの鞄からサーバルちゃん人形だけを盗むのが怪しく成りますので」
「ええ、別にどうでも良いでしょ?」
「いや、これがどうでも良くない物ですよ。わかりますか、宮塚さん。盗まれたと気付いた時間よりも容疑者五人がテーブル席にやって来た時間を割り出す事にこそ真犯人の手掛かりが得られる物ですよ」
 正に推理の王道。事件発生時刻でわからないなら犯行時刻を割り出す事で真実に近付く。数学者がポワンカレ予想を解くのにトポロジーの視点に囚われるのではなく、化学の視点からアプローチを掛けるように。
 そうして判明したのは次の現場到着時刻。
 現場……確か二時に来たわね--これが早瀬さんの証言。
 はああ、お恥ずかしながらに大きく遅れて二時半に到着しましてね--これが島清水さんの証言。
 どうせ犯人扱いだろう……俺は早瀬さんと一緒に到着したんだ--これが京本さんの証言。
 世の中には僅かながらの--話が長いので割愛するとどうやら無駄君がこっそりやって来たのは三時前。
 俺は二時四十分だ--これがネイキッズさんの証言。
「ううむ、これはきっとネイキッズさんが来る前に犯行を行わないといけないよね!」
 珍しく市子ちゃんがまともな意見を述べた……が!
「要するに犯人は島清水さん……貴方に決めた!」
「な、何で私ですか。私は三人が座ってる中でやって来たんですよ!」
「そんなの簡単よ。最初座ったのが無駄君の席でネイキッズさんが来ると逃げるように--」
「それは有り得んな……実はそいつはずっと同じ席に腰を下ろしていた」
「あ、あれ?」
 どうやら市子ちゃんの推理は外れた……しかも容疑者の一名であるネイキッズに依って。
「有難う、ネイキッズ。これで容疑者を二人にまで絞りましたな」
「ウググ、と成ると……うーん、ここは籤引きで決めよう」
 それでも探偵か、市子ちゃん。呆れたのか知らないが、背流が推理を進める。
「ところで朝土さん。席をお立ちに成った時間でもありましたか?」
「あ、そう言えば二時五分頃でしたかな。トイレに直行しましてね……大体五分ほど格闘してましたね」
「成程、これで犯行時間を大きく絞れましたな。つまり犯行時刻は二時五分から十分まで。ここから犯人を絞り出す事が可能ですね」
「あ、そうだ。ところで聞きたい事あるんだけど」
「何、小さな探偵さん?」
「お姉さんの趣味は何?」
「そうねえ。趣味はアニメ鑑賞ね」
「お兄さんは?」
「は、どうせ聞いたって笑うんだろ? 俺は初音ミカで様々なアレンジソングを動画サイトに投稿するんだよ」
「これでわかりました。犯人は……君ですね」
「な、何を根拠に? 私が犯人だという証拠……まさかアニメだというの?」
「その前に京本さん、彼女は疑わしい行動をとりましたか?」
「さあな。そう言えば俺は二度だけ給仕の方へ体を向けたね」
「二度……それは何時と何時でしょう?」
「確か二時六分と二時九分」
「な、何を言うのよ。そんな僅かな時間に私が犯行を行えるという訳?」
「だってタモリさんのスカンクネタを馬鹿にされた腹いせにスカンクを盗む時間にはピッタリ--」
「ハア? 何言ってるのよ。盗まれたのはサーバルでしょ?」
 ここで事件は解決。
「おやおやあ?」
「な、何不気味な睨み付けしてるのよ?」
「どうして盗まれたのがサーバルだと知ってるんですかあ?」
「そ、それは、えっと。そ、その、あ、あれね。さっき無駄君が変な供述してる時に聞いてたのよ!」
「それは有り得んな。無駄君は一度もサーバルなんて言ってないな。いや、元々俺はお前が何かを持っていた事に気付いていたんだがな」
 とここでネイキッズが決定的な証言を口にした。
「え、知ってたのならどうして黙ってたんですか!」
「俺はあれが朝土氏の物だと思わなかったのでね。だからずっと早瀬氏の物だと思って黙ってたんだ。ところが事件が起こって君が何かを盗まれたと言ったのでそこであれが盗まれた物だと気付いたんだ」
「おやおや、最初から犯人を逃がす気がなかったんですね。全く悪い御方ですなあ」
「貴様にだけは言われたくはないがな」
「うん、成程。確かにネイキッズさんは人扱いしちゃ駄目だね……それで早瀬さん。どうして盗んだの?」
「だって欲しかったんだ。あれ限定品でしょ」早瀬は盗んだサーバルちゃん人形を取り出した。「限定三名様のサーバルちゃん人形をどうしても欲しかったの。欲しかったの、欲しかった……うううわああああ!」
 何という悲劇か。マニア心が時として犯行に及ぶとは!
「これで一件落着……流石私!」
「君が良かったのは犯人にぼろを出す時だけ……大して活躍もしてないだろうが」
「全くですね。無駄な推理が多過ぎる。それで容疑者を絞り出すのは良い事ですが、ですが的外れも良い所ですよ。もう少し懸命な推理をしていたらもっと早く事件は解決しておりました物を--」
「二日目をどうも有難う御座いました。またの事件を心からお待ちしております」
 締め括るのは何故か外部出演のセールスマン。こうして二日目は終わり、いよいよ正念場の三日目が幕を開ける……


 いやあ、長いぜ。今回は妙に長かったな。どうも迷推理する為に事件の質を落とそうと思っていたら予想以上に質が落とせない。気が付いたら前回以上に質の高い事件に成ってしまった。事件難易度は低いつもりなんだけどなあ。
 またスターシステムで約三名程外部出演させてしまった。今度こそ次からは外部出演させないようにしないとな。今回でようやく二日目は終わった。次回からは三日目。最初に紹介されたが市子ちゃんは飽きっぽい性格なのでさあここで飽きてしまうのか、それとも……
 それじゃあ市子ちゃんはここまで。時間をおいて一兆年の夜を始めるとしようか。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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