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一兆年の夜 第十一話 天同生子 建国篇

 ICイマジナリーセンチュリー四十年四月七十三日午前十時八分一秒。

 場所は西物部大陸プラトン地方大アリスト町神武聖堂広場。
 神武聖堂は成人体型十六もある社のような建物。この建物の造営を思いついたの
が聖堂表門より成人体型十離れたところにある応神木で出来た祭壇の上に立つ
仙者。齢二十二にして十日目になる女性。名は天同生子。彼女がこの建物を造営
しようと思ったのは秘境神武にある成人体型六十四の社を見て感動したから。彼女
の弁によるとそれは神々が話し合われたかのような威風堂々とした趣だ、との事。
その為、彼女はこの建物を受け継ぐべきだという考えに至り、神武聖堂を四年掛け
て造り上げた。出来上がったものこそ高さも威風堂々としたものまでは再現こそ出来
なかったが、彼女は満足した。
 そんな思いの詰まった聖堂を背に肩まで伸びる綺麗な黒髪を力強く動かしてこう
宣言した!
「この町は今の日を以て、として始動する!」
 水の惑星で初めてのが誕生した!
「クニ? 何て字だう?」
「えっ? こんな字であろうるか!」
「ンン玉って何? ンォお母さん?」
「ゥゥ玉はまあるい物だよ。クゥこうして描くのよ」
「口で囲まれてぶ。玉を口に入れぶからなの?」
 国という言葉に町中の者達は騒いでいた。そんな中で齢三十八にして八の月と
二十三日目になる八咫烏族の老年が祭壇に登り、後ろから生子に近づいた。
「何の用なの、アルジェミィ」
「生子様だ。御覧の通り町中だは混乱に包まれておりますぞだ。やはり国だを建てる
のは早すぎるのではないでしょうかだ」
 アリスト町の官房官を務める神武八咫烏族のアルジェミィ・アルティニムムは灰色
に近い黒色の体毛を散らしながら苦言をした。
「早すぎるという言葉を使うべきではない、アルジェミィ。新しいことをするは混乱など
付き物だ。でも私は考え無しに国建ての宣言をしたのではない。
 私は仙者として、御子として神々の意志に従ったまでよ」
 天同生子の予報は九割九分当たるとアリスト町では断言される。アルジェミィは
ベレッタ・バルケミン以上に噂を信じない雄だ。九割九分はアルジェミィにとって根拠
は一つもないと今でも思っている。
 しかし、そんなアルジェミィも信じてしまうことがあった。それは--
「生子様だが仰るのなら都合だの良いことも真だでありましょうだ!」
 天同生子が神秘的な存在であることを信じていた。
(とはいえこのまま皆を混乱の渦に飲み込むのは良くないわ。後で読四からどんな事
を言われるかわからないわ。さて、ここはいつも通り神々からのお言葉を聞かないと
いけないわ!)
 生子は突然目を瞑り、頭を少し下げ、両手同士を握り、それを眉間のすぐ側まで
近付ける。
「オ、オイ! 生子様が予報をオ始めルゾ!」
「いくら何んでも遅いんじゃあんねえのおうん?
 もおうんお日様はあ天辺にいん登ろううんとしてるうのにい」
「何言ってるか! 生子様は御子であると! 同時にな! 仙者なのだぞ!」
「へえ鉦くーん、君は生子様は時間を関係無しに神々の意志を読めると言いたい
わーけ?」
「まね、まあこれ以上言うとあの零様から鉄拳をお見舞いされかねないから大人しく
しようね、なね!」
「とにーかく生子様ーの天気予ー報は楽しみだぜー!」
 それを見た住民達は一斉に騒ぎを止めた--生子の方へ視線を向けた!
(水の、大地の、山の、火の、風の、空の、重力の、そして宇宙に生きる一兆年にも
及ぶ神々
よ! 何を想い、何を為し、そして何を視ますの? 私達全生命に神々の
意志をお教え下さいませ! 私達はその代わりとしてひとたびの汗と涙の結晶を
神々に捧げます! なのでどうかどうかどうか……)
 生子に映る映像は黒と灰という色から赤く青い色、やがては想像の海である桃を
越えた色に変化。そこから映し出されたのは未来から過去に誘われた何か!
(? 何かしら? どうして過去の事を映し出すの?)
 その時だった! 生子が神々の意志を読もうとしている間に空一面が螺旋を形成
するように歪んだ!

「あ、あ、あれはどううかしてえるぞ!」
「なななんでそらがゆがむのだい!」
「せ、生子様だ! 生子様ああだ!」
 住民達の混乱につられるかのようにアルジェミィは生子に触れてでも呼び戻した!
「!
 例を欠いた件は後にする。それよりも何を焦る?」
「あだ、焦りなさいますよだ! お空だを見て下さいませだ!」
(空? どれか……どうゆう事なの!)
 生子は空の歪みを見て中庸な眼を一杯まで大きくした!
「空は確か快晴だわ! 私は予報してないけど、御子であるアリスト蛙族の
吉田グガ子の予報通り快晴を示してたわ。なのにどうして歪むの?」
 生子は空の歪みを信じることが出来なかった。自分の目で見たとは言え、未だに
現実として認識出来ないでいた!
(これが神々のお意志なの! でも何か当たっていないわ!
 これがどうして未来から過去に誘うという意味なの?)
「た、た、大変ーだ! 東門ーから得体ーの知れなーいモノ共が来ーたぞ!」
 齢二十三にして一の月になったばかりのアリスト犬族のピート・プートの言葉に
住民達は更に混乱する!
「何々! だ、駄目! 恐いでちゅ!」
「足踏むにゃ! おらの後ろ足は可愛くて細いんだにょ!」
「可愛いは関係なっし! 俺様は尻尾が強そうだっぞ!」
「腰砕け言ってる場合かっと! とにかくあいつらを倒さっないと僕達が死ぬぞや!」
 この間にもう一名祭壇に登る者がいた。
「何かしら生活安全官エウミョウル・ムルリリウーム。何か報告があって登ったの
でしょう?」
 齢三十三にして五の月と十八日目になるアリスト猿族の中年エウミョウルは左手
で白髪を掻きながら報告した。
「じ、実は天同軍司官が交戦中でごっざいまっす!」

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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