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一兆年の夜 第十一話 天同生子 建国篇(序)

 私が産まれて十八の年。桜舞い散る季節の始まり。

 私はアリスト町から秘境神武を訪れたプラトー人族の末裔ベレッタ・バルケミンに迎え入れられるように下界へと降りた。初めての下界についての感じ想うことはあるわ。それは空気が少し美味しくないところかな?
 一の月を経て私はアリスト町に着いたわ。町の者達は私を迎えてくれたわ。ただし、零は論より外だけど。それで桜の花びらはといえば全ての木から無くなってしまったわ。あるとすれば桜の死、桜の木は緑の衣を着る。ちょうど私も衣替えする頃だわ。
 三の月が経過。読四がアリスト町に移住したわ。相変わらず零は町で好き放題して困るわ。季節は夏の真っ直中。零のようにアリスト町には二つの台風が訪れ、
暑苦しく、熱によって倒れる者達が現れる毎日。でも町民の暑さはそんな熱でやられる程弱くなかったわ。
 それに耐えてなのか、二の月が経過。木は枯れ葉の色へと変化していく季節。町は私が移住した時よりも拡大。村三つ分を加えた面積になった。暑き日々を耐え抜いた賜物ね。でもこの季節、冷えた空気が町全体を覆う。それに連なるように町も冷えた空気が蔓延していく。
 その空気が覆う中、二の月が経過。雪景色へと変化する季節。雪が町民達を包んでいくようにおぞましきモノ達も町民達を恐怖で包み込もうとした!
 私は一者で戦ったわ! でも町が広くなった事でおぞましきモノ達は各地区で町民達を食らっていくわ! 私はどうすることも出来なかった。そんな危機的な状況でおぞましきモノ達を次々と倒す者がいたわ。それは私の二番目の弟、零。彼は町民達を先導しておぞましきモノ達を次々と倒す。
 私は産まれて初めて自分の浅はかさを知ったわ。そして、父の言葉を忘れた自分自身を後悔したわ。その話はまた今度するとして。
 町からおぞましきモノ全てを倒した私達は喜んだ。けれども同時に自分のやった事、死んだ者達のことを思い出し、後悔したわ。

 私が産まれてちょうど十九の年。十九回目の桜を見た頃かな?

 私と同じ年の弟、読四は町長になったわ。
 何故なれたのかは私の推薦があったからなの。それで私はどうなったか? 私は今まで通り仙者として町を守っていくのよ。
 それから五の月が経ったわ。今度は軍と呼ばれるものが出来たわ。起てたのは零よ。あの子ったら自分の子分を集めてると思ったらこうゆう事を思いつくのね。どこまでも勝手な弟だわ。勿論、読四とは喧嘩になったわ。でも面倒だったから私は二名の仲介に入って事を収めたけど、読四は満足しない様子だわ。まるで今の季節のようだわ。向日葵の季節は終わったというのにまだ暑さが抜けきれないところ。
 暑さが抜けきれないまま二の月が経過。またおぞましきモノ達が来たわ! 今度は零が起てた軍というものが町を守ろうとしたけど、さすがはおぞましきモノ。前回通りにいかないわ。軍は次々とおぞましきモノ達に食われていったわ。
 でも今度は町民達がおぞましきモノ達を次々と倒していったわ。これには訳があって実は読四が零を思ってなのか町民達を戦えるようにしておいたお陰なの。これによりおぞましきモノ達は全て倒されたわ。
 けれども、今回に限ってさすがの零も反省したのか、以降は勝手気ままな振る舞いをしなくなったわ。まるで冬眠生活に入る熊族のようね。でもこの大陸では中々お目にかかれないわ。よくわからないと思うけど、今はそうゆう季節ということを私は言いたいのよ。

 私が産まれて二十歳はたち。桜が咲く季節。

 読四は町民の支持を背景に次々と新たな政策を打ち出すわ。
 租税として原産のアリスト豆を納めること。土地事業改革。配達本部の民営化。
 私は今の読四を心配するわ。支持されるというのは期待されているという証であり、
自分自身が特別な存在になった訳じゃないのに。私はあの子程凡庸じゃないから
わからないわ。とにかく読四は自分を抑えられなくなってるというのがわかるわ。
 でもね、桜が必ず散っていくように自らの精神も儚く散るものなのよ。特にこの季節
は己自身の最も気を付けないとね。
 桜散りゆくは三の月が経過。三度目のおぞましきモノ達が来襲。読四は町民達に
戦うよう促した。読四は町民達の力が集まれば切り抜けられると思っただろうね。
 しかし、町民は町民。どんなに集まっても気迫で勝てる戦いではなかったわ。
おぞましきモノ達は町民とわかった上で彼等を捕まえては盾にするといった怒りたい
気持ちにさせる事をして次々と彼等を死なせていくわ。この時になって私は行動を
始めた。自ら自身で戦うのではなく、誰かの力を借りることも考えて。そうして最初に
行ったのは劣弟、零を奮起させる事よ! 零はあれ以来大人しくなりすぎたわ。確か
にあの子は勝手すぎるわ。でもそれは時として私達の力になる。そう思ったまでよ。
 だから私は必死で零を説き得ようとしたわ! 説得して五の時が経過してもあの子
は動いてくれなかった。けど、その時に町民達があの子を説得しに駆けつけた! 
それでもあの子は動かない。それから三の時が経過して読四が来たわ。今までの
意地を捨てたのか、座禅しておでこを地面に叩きつけてでも説得したわ。それで
とうとうあの子は再び戦うのを決めたわ! それからは正に疾風のようね。台風の
ように通過した地域を巻き込んでいくように私達アリスト町の者達はおぞましきモノ
達を倒していったわ。ようやく父の言ったことを果たせそうね。
 おぞましきもの全てを倒し終えると読四と零は和解したわ……と思ったけど翌の週
の後には零はいつもの問題児に戻った為、あえなく決裂。生命はそう簡単に変わら
ないわね。

 私が産まれて二十一になるわ。桜は何の年を見ても美しい。

 私、読四、零。三名は本格的な町造りを計画したわ。それは全生命体の希望という
父の願いを実現するためには今までではいかないと考えるようになっていた。私達
三名は議論した。でも答えは得られないままだわ。
 それから翌の週が経過。今度は読四の副官、零の副官などを加えて議論した。
 また翌の週より後は各地区の会長を。
 更に一の月より後は選員を各自決めて議論を。
 また翌の週より後、それでも二の月より後……様々に議論をしていく。

 私が産まれてようやく二十二。今の年も桜は綺麗に舞い散るわ。

「この町は今の日を以て、国として始動する!」

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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