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一兆年の夜 第六十九話 テンタウ 後篇(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百五年七月九十四日午後八時零分二秒。

 場所は真古式神武藤原大陸大中臣地方。そこは暗闇。
 そこでようやく名もなき瞳の赤い赤子を捕まえるある生命。彼の名前は藤原バッ戸……齢十八にして二の月と二十三日目に成る藤原飛蝗族の少年。彼は真古式神武の依頼に依り、この名もなき赤子の救出する任務を請け負う。その任務では彼を含めて合計五名という少数精鋭で構成。その為に今では彼だけに成った。それでも彼は任務を果たそうと命を使う。
(クマント・ベアーダだも死んだ。藤原コケ造だも死んだ。蘇我フク五郎だも死んだ。レイデル・バルケミンだも死んだ。後はだ俺だけでだこの方をだ六影府だまでだお運びしだ、使命にだ終わりをだ告げないとだいけないだ。だがだ、どうしてだこの方はだ勝手にだこんな所までだ動いただ? それ以前にだこの方はだ……いやだ、その前にだ行った道はだどの方角だったのかだ)
 バッ戸は自らの経験の足りなさを悔やみ出す。彼は今まで己よりも年上で尚且つ、一定量の知識と肝心な時に閃きが働く者達に助けられて来た事を思い知る。ところがそんな彼らが相次いで想念の海に旅立ってしまった為に自らの力だけで事態の収拾に当たらないといけない。これ程、バッ戸にとって試練らしい試練はない。その事についてバッ戸はこのようにも考える。
(生命はだ一名だけにだ成ってだ初めてだ正念場をだ迎えるってだ親父がだ言ってただ。だとしたらだ俺はだそこでだ……今はだ考えるよりもだ行動あるのみだ)
 暗闇の中で今すべき事は余計な事を考えるよりも先に来た道を辿って仙道に従って生還する事。それしか道はない。だが--
(跳ねどもだ跳ねどもだこの道でだ正しいのかだについてだ全くだ自信がだ持てないだ)
 赤子を探して凡そ三の時も掛けた。空腹に苦しむ場面もあれど大分時間を掛けて探し、この時間に見つけた。故にそれまでの道筋を感覚で記憶するなど難しい話。ならばバッ戸が摂るべき行動は一つ。
(茨なき道だに覚えだないならだ敢えてだ茨花のだ多い道だを進むだけだ)
 結局、それ以外に帰るべき道は見つからない……

 午後九時十分四十八秒。
 場所は未定。
 そこでバッ戸はまたしても赤子を見失う。
(あの方だはどうやらだ先祖のだ七弓なゆみ様に似て禄でもない考えでだこちらをだ苦労させてきますねだ)
 バッ戸は来た道を戻って赤子を探そうと考えもしたが……敢えて先に進む事を決意。その理由は次の通り。
(ここはだ学者のだ論理的にだ導き出した答えだよりもだ己のだ若さをだ信じてだ直観だで進むだ!)
 正に野生本来の感覚に頼ってバッ戸は進んだ道を引き返さず、真っ直ぐ行けば必ずその赤子の下へ辿り着けると信じて!

 午後十一時一分五十八秒。
 バッ戸が進む道は段々光が照らし始める。正確には薄っすらとバッ戸を導く光が見え始める。
(足元はだ、大丈夫だなだ? ひょっとしたらだ飛べない事をだ知っててだ突然だ、落とし穴のだある個所にだ俺をだ誘い出すかもだ知れないだ)
 この地下通路は銀河連合の最新型の体内と疑うバッ戸らしい考え。これはバッ戸が後ろ向きな考えだからなのか? そうゆう意味ではない。バッ戸は学者でもある以上はあらゆる可能性を信じてそうゆう考えも浮かばせる。もしもその考えは杞憂であるとわかればそれを直ぐに撤き回しする。真実ならば予想通りだとして覚悟も採れる。どの道、バッ戸は安易な考えに陥らないよう注意を払っている。
(徐々にだ光はだ大きく成るだ。その度にだ恐怖がだ俺にだ押し寄せるだ。今度のだ恐怖だも俺だを震えさせるだ。だがだ、今のだ俺はだ死をだ恐れないだ……撤回するだ)
 自信過剰な事を考えるのは却って神様に申し訳ないと言う考えなのか、直後に撤回するバッ戸。それだけに死ぬ寸前で死を恐れる可能性を潰したくない模様。まだまだ青さが抜けない。それについては次のように自覚する。
(徐々にだ光がだ大きくだ成り出すだ。赤色巨星はだきっとだこんな風にだ大きくだ成るんだろうだ。恐怖だに対してだまだまだ俺はだクマント達だに熟したりない者だと言われるなあだ)
 そうして光がバッ戸の肉体を包み、消し去らんほどの量で迎えると……

 七月九十五日午前五時四十一分十三秒。
 場所は未定。
(なだ、何だこりゃあアアアアだ!)
 バッ戸が思わず叫びたく成る光景……それは--

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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