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一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百五年四月三十一日午前九時四十七分十八秒。

 場所は真古式神武大陸藤原大中臣地方新乙奈子平野。銀河連合に依って明白にされた本当の乙奈子平野。そこは赤い大地ではなく、緑溢れる大地で構成される。だが、その緑は水の惑星の生命エネルギーではなく銀河連合に依る死を齎すエネルギーが齎す歪なる色をする。正確に表現するならば緑なのに作り物の緑……いやそれ以上に剥き出された何か
 そんな風に大樹型を倒したばかりの齢二十にして二十一日目に成る神武人族の青年天同烈闘れっとうは昨日までの戦いで生き残った数が四万七千程だと聞き、歯を食い縛る。次に向かうまでにこの先に何があるのかも確認を怠らない。だが、先の戦いで偵察隊の数も半分以上減らした為にその調査に余り時間を稼げない模様。不十分なまま切り上げるのが目に見える。それでも戦いに於ける基本中の基本は怠らない。
(俺が傷を少し治す間にこの先にあるという命名鳳凰堂山と呼ばれる山には何があるのかも確認しないとな。死んでいったマンマロート達の為にも俺達は果たさなければいけない)
 やっぱり引き下がった方が良いわ--と烈闘に勧めるのは齢十九にして九の月と二十九日目に成る妻の優希。
「それは何があっても聞かないな、優希」
「死ぬ事が大きいわ。もう良いでしょ、ここまで来たら」
「今下がったらあの森での全滅は避けられない。俺はお前達が安全に戻れるように海路を確保しないといけない。その為にはあの山を越えることが条件だ」
「あの山を?」
「ああ、そしたら後ろに控える五万の補給及び救出部隊を短くとも四の日までに意志を届けて無事に船で送り迎えさせるんだよ!」
「危険だわ。それにあの山って標高がどれだけあるのを知ってるの?」
「それを調査しに偵察隊を送り込んでるんだろう。何、あいつらは無事に任務を果たすと信じてる」
「全く無茶苦茶よ」
「無茶苦茶で結構だ。だが、ここまで進んでしまった以上は俺自身もこれからの真古式神武の為にももっともっともっと--」
「それ以上は言わないで、烈君!」優希は烈闘の左頬を叩く。「貴方は安易に決めてしまったのよ!」
 優希……持続的な程に痛かったぞ--と意外にも肌に響くのを口に表す。
「私の言う事を聞いて……メラリマお姉様のように取り返しがつかなく成るわ。それで本当に全生命体の希望に成るの?」
「雌の勘は良く当たると聞くが……残念だけど俺にはもう届かない」
 烈闘……どうして雄は馬か鹿ばかりなのよ--と最低限の指令を出しに行く烈闘の背を見て優希は崩れ落ち、涙を流す。

(あの時、優希はこの先どうなるかも予言していたんだろうな。だが、俺は一度決めた事を反故しない為にも鳳凰堂山に進出するしかなかった……なかったがあれは!)
『--鳳凰堂山の調査は僅か三の日で打ち止め。何故なら調査に赴いた偵察隊の内の
四分の一しか帰還してない事を受けての事。持って帰った情報ではあの山には百獣型や
指揮官型と言った並の兵士では太刀打ち出来ない銀河連合の他にも新たな個体が判明
したとの事。故に目先の調査よりも偵察隊の生き残りを図った。
 えっとその個体は海洋種族の姿をしておきながらも口の中より何かしらの怪音波を放ち、
足止めをしてる所を他の個体で一斉攻撃を掛けさせる事より俺達は彼らの口から
伝えられた限りの情報を元にその個体を参謀型(仮)と命名。
 まあ実際には戦うだろうからこれは仮の名称に過ぎないけどな』

 四月三十四日午前八時五十九分五十五秒。
 遠征部隊は進軍を再開。向かうは偵察隊を四分の一まで減らした鳳凰堂山。そしてそこは天同烈闘が最後に戦う激戦の地に成ろうとは誰が予想出来たのか?

(マンマロートが死んだ場所は最後の戦いより前の場所。だが、ここは俺の最後を締め括る地だ。四万居ようとも十二万居ようともあの参謀型の存在がどれだけ脅威なのかを理解していたら……数なんて何の意味もないじゃないか!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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