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一兆年の夜 第十話 天同生子 始動篇(二)

 プラトー人族ベレッタ・バルケミン。クレイトス人族色葉冬道。
 二名は神武猫族のニャルタラノニャルタヒコに案内される。
「ニャルタヒコ氏の成人体型はコンマ八に満たないのか?」
「何の話をしますにゃ、ベレッタどにぃ?」
「ま、まあ自分はニャルタヒコ殿の外見的特徴を探りたいのだよ。
 ん? 目は自分と同じく小指の幅よりやや小さいと」
「重さは鶏量六にゃ。毛の色はやや黒い茶色だにゃ」
「そうか、ありがと!」
「ところで奥へ進めば進むほどわからない神様が一杯いるんだけど」
「左側に見えますのにゃ、成人体型三十四あります望遠鏡にゃ」
「えっ? あれって望遠鏡なの!
 あんなに大きくてはめどころか身体がすっぽり入るよ!」
「用途が分からない以上あれは間違いなく神様だな。その近くにかまくらみたいな
建物が見えるんだけど」
「えにぇ、あれも神様でございまにゅ。どうですにゃ? 実に秘められるでにょう」
「秘めすぎるな! 僕はたくさんの神様を見過ぎてもうここを隠したくなってくるよ!
 神秘的すぎるよ! まるで髪の毛のない僕を圧倒するかのように!」
「だから髪の毛は関係ないだろ! それにしても自分達は情けなく感じる。
 成人体型やら鶏量やらを開発したのにそれらは全て元々あった神様の引き写しをしてるようで全く情けない!」
「でもICは僕らの力で開発したじゃないか!」
「それも私から言わせますと太陽暦の引き写しでにゅ。どこまでやったって私達は
独自色を造れないかみょ」
「だな! こうして足を動かすことだって別に自分達の独りよがりではないのだから。自分達は結局のところ先代から教わった物を引き継いでいっただけだよな。
 違うとすれば木の枝みたいに分かれていってややこしくなると言う点だな」
「先祖からか。僕の父は色葉太史。父の父は史高。その父は飛遊家に嫁いだ太美の兄なんだよな。んまあさらに遡って遡ると天同家に嫁いだ夏代の弟にあたる夏斗だよね」
「ベレッタ殿も先祖は大層立派な方々ばかりではないですにゃ?」
「現在も元気よく生きる父ユークリダスは歴史研究家だ。祖父のボルリディスは野菜研究家。曾祖父ベルボウルは生物研究家。それでベルボウルの母ベルエールは
ゼノン村の住民一斉避難を指揮した御方だ。彼女がいなければ歴史はどうなることやら。ついでにベルボウルの妹ベレルボは飛遊家に嫁いで四名の子を産んだ。
 第一子実通奈は後に--」
「ええ、生子様、読四様、零様の祖母にあたりますにぇ。天同家は様々な家系の血を受け継ぐ偉大なる家系でございまにゅ!」
「何が偉大なるかけ、うわっと!」
 ベレッタは髪の毛のない目を瞑った人族の像を踏んだ衝撃で足を滑らせた。色葉が右手を掴んだお陰で転ばずに済んだ。
「だから足下に気を付けるようにいっといたじゃないかね!」
「ごめん。今度こそ気を付けるよ!」
「何か満足いかない様子ですにぇ。もしかしにぇ、生子様を試しているのでにゃ?」
 ニャルタヒコの答えは当たっていた!
「どうしてさ、ベレッタ君! 生子様は全ての生命の中で最も美しい御方じゃないか!」
「全ては大袈裟だ! 少なくとも万名に美しいと呼ばれる御方だろ?
 でもな。内臓モノの名称が決められないのと同じく自分達の美しさまで統一出来るものか?」
「内臓モにょ? まさかおぞましきモノですにゃ!」
「ああ、秘境神武ではそう呼ぶか。でもしっくりこないな!
 それと同じように美しさは味覚と同じく自分達の舌が必ずしも統一されない!
 牛族には牛族の! 豚族には豚族の! 猫族には猫族の!
 更には色葉家には色葉家の! そしてバルケミン家である自分には自分の美しさの物差しがあるのだ!」
「また始まったよ! ベレッタ君は三角錐の形をした建物や人族の顔をした大きな
猫族のような建物でも眺めて語るのをやめようよ!」
 ベレッタの語りは一の時が過ぎるまで続く。そうしている内に集落の見える距離
まで辿り着く。
「ここが神武の集落なのか?」
「僕は初めて目の当たりにしますよ!」
「まだ着いておりませにゅ。またしばらく歩くことに--」
「ん? 二名とも構えて下さい! 気配がひと、ふた、み--」
 色葉の臨戦態勢に二名はただ頭が回らなかった。
 だがそれは--
「色葉どにょ。焦ってはいけ--」
 ニャルタヒコは下半身を食われた--地面から出たおぞましきモノによって!
「おいおい……
 ど、ど、ど、どううりゃいい?」
「危ないベレッタ君!」
 色葉は勢いよくベレッタの両足を掴んで押し倒した--ベレッタがさっきまでいた場所に別のおぞましきモノが落ちてきた!
「あ、危なかった……
 まさかこいつらがが、う! また来た! 三、四、五、六、七、八、九」
「合計十います! ベレッタ君が戦えない以上、僕一名で何とかするしかない!」
 十のおぞましきモノは二名を囲んだ--円陣を組むように。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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