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一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(八)

 四月三十日午前三時七分四十一秒。
 場所は大樹型銀河連合中枢。
「はあはあ、ここまで付いて来てくれて有難う」
「左肩さえ無事ダッタラ……ハハハ、俺ハココマデノヨウデスネ。後ハ、後ハ……」
「もう良いわ。もう喋らないで、マンマロート」
「親友ヲ、宜シク、頼む、ぞ」
「おおおおうい、マンマロートおおおおう!」
「耳の奥、が、破裂、す、る、じゃ、な、い、ァ……」
(ここまで何があったのかを今は語るべきではない。今は奴の中枢に辿り着いたんだ。これが最後ならどれだけ良いのか……だが、ここは銀河連合の支配下さ。俺はマンマロートが命を懸けた突破口を台無しにしない為にも六影包丁を最後まで振るうだけだ!)
「烈君……外ではシデノミチさんが必死に足止めしてるわよ」
「あいつなら死ぬような想像は浮かばない。だからこそ背中を任せたんだよ」
「でもおおおう、マンマロートは左肩の傷を治さずううに--」
「わかってるさ!」と烈闘はギャレイ出を黙らせる。「わかってるからこそ俺は我慢してるだろウガアアアア!」
「烈君……十分わかるから無理しないで」
「全くお前という奴は……いや、無理はしない」左眼から少しだけ一粒の酸っぱい液体を流した烈闘は目を瞑る。「銀河連合が出てきたら報せてくれ……その時に悲しみを吐き出してやる!」
「知らせるわ。だから私とギャレイ出が案内してあげるわ」
「任せなさあああい、マンマロートの分までわいが烈闘様と優希様の付き者を務めて頂きまあアアス!」
 有難うね、ギャレイ出--と優希は感謝の言葉を述べた後、彼の鼻に口付けをする。
「ううううううほおおおおおううん!」
「あーあ、益々優希離れが出来なく成るぞ」
「それでまだ涙を溜め込むの?」
 気にするな……銀河連合を見たら思いっ切り吐き出すからさ--と両眼より少しずつ悲しみの液体を流す烈闘だった。
「ううううんんん?」
「如何した……え!」
「如何した、二名共? まさか奇妙な動きをする銀河連合が出て来たのか?」
「いえ、不思議な空間に入ったわ」
「不思議な空間?」
「申し訳ありませえええんんが、烈闘様あああう。溜めていいいいいたあ涙を吐き出してこれを見て下さあああいん」
 何だよ、悲しみが広がっていくじゃないかあああよ……ってこれは--溢れた涙を放出しながら見た烈闘はそれを見て驚きを隠せない!
(これは何だ……こんな都合の良い物が大樹型の中枢にあったのか。どうして銀河連合の体内にこんな惑星の欠陥と神経を示すと図が見られるんだよ!)
「私達は如何すれば良いの?」
「これえええいは……わいの背中に乗せれば運び出せええうる。でも運び出す間にわい達は--」
「いいや、ギャレイ出。運び出す準備に取り掛かるぞ!」
「え、大樹型の早期討伐こおおおうそが--」
「馬か鹿なのか、お前は。この地図を運んでゆく事で後世の生命達にどれだけの恩恵に与れるか……それは俺達が全生命体の希望として子孫達に誇りを持てるかどうかに懸るんだぞ!」
「それでも烈君。シデノミチさんが--」
「だからシデノミチを信じろ。シデノミチだけじゃない!」と溜め込んだ涙を放出しながら烈闘は熱く語る。「ソフェラもロージネスもエリフェルス達もそして死んでいったコウモラ、ワシ男、ハヤッ太、クマ道、クマ造、ザブルド、カエ洞爺、それからマンマロート達の死に意味を齎さないじゃないかああ!」
「……わかったわ。じゃあこれを引き剥がそうね」
「この蹄でどれだけ出来るかわからなあああういが……それでも真島の心を持つわいが全生命体の希望に成らなくてどうするんだああよ!」
 行くぞおおお--と号令を出すのはやはり言い出した烈闘!
「良し……でも重たいな」龍脈が記された地図に乗っかられた烈闘は余りの重さに上体を起こせない。「優希、手伝ってくれ」
「はいはい、と」
 ウオオオオ、重たあああい--無事、ギャレイ出の背中に乗せられた龍脈地図
(一応、なけなしではあるけど紐はしっかり結んで……長さが足りないな。後は優希が何とかすれば良いか)
「じゃあ先に戻ってくれ、優希」
「まさか一名だけで心臓部を?」
「それ以外に何がある……大丈夫だ、俺はここで死ぬような生命ではない!」
 れ、烈くううううん--走ってゆく烈闘に向かって右手を伸ばしながら叫ぶ優希だった!

 午前四時一分四十三秒。
(ここまで辿り着いたぞ。全く躍動するなあ。でもなあ、銀河連合……俺はここで死ぬような生命じゃない事を証明してやるさ!)
「覚悟おおお!」烈闘は無数の触手の網を生命離れした徒手空拳を以って吹っ飛ばしてゆく。「俺は仙者天同烈闘!」
(なるべく包丁を抜かずに俺の五体で全て打ち払ってみせるぞおおお!)
「テエエイ、トオオ、ハアアア……見えたぞ、そこだなあああ!」抜き放った包丁を躍動する心臓部目掛けて先端を前にして投擲する烈闘。「これが俺の力だああああ!」
 それから六影包丁は柄頭深くまで潜り込み、その勢いに耐え切れずに心臓部と思われる箇所は破裂--大樹型の全身にまで波及するかのように崩壊を始める空間!
(どうだ、これが俺達全生命体の希望が齎す絆の強さだよ……ふう、これで少しは役に立ったかな?)
 崩壊する大樹型を背景に烈闘の肉体は宙に浮き、落下を始める。いや、それだけではない。彼はここに至るまでの死闘を思い出してゆく……
『--おっとこれを記したら次の成功日記に入るぜ。えっといきなりこんな場面を
出されて困ってるって? じゃあここに至るまでの話とこの話の続きを纏めて紹介する
よ。そうだなあ、何処から話せば良いかな? いや、初めから語った方が盛り上がる
かなあ?
 いや、盛り上がるというのは俺が銀河連合と考えが同じで良い気分じゃないな。
あいつらは見世物じゃないんだし、空想話の登場者じゃないんだ。だから彼らの生きた証
を伝える為にもしっかりあるがままに示せねば成らないな。それからこの続きを記さない
とな。でないとあいつらが浮かばれない』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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