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格付けの旅 青年デュアンの死闘 ラキとロマンツェ

 忌むべき数字……それは地域によって異なるが、大体は四、九、十三、四十二、そして六百六十六を指す。迷信と宣う人間は要るそうだが、迷信というのはその数字の時に不幸にあったからこそ迷い言葉は発信されるのであって何でもかんでも迷信で片付けるのはそれもまた逆説的には迷信である。おっと何を語ってるのかわからなくなった時点でこの説明は終わりにして本編に入ろう。
 要するに青い話は今回で十三ページ目に突入したので次の話に移る為に敢えて今日中に終わらせ、十四ページ目に入ろうかと意気込む訳だよ。では最初は騎士道魔法と呼ばれしマリックの手下の一人であるフェオールとの戦いと行きましょうか。
「--私のターン……風系中級魔法テンペストで挑みます」
「--ええ、と俺は水系下級魔法アクアソードをお見舞いさせてやる」
 今回も審判に申告しないと魔法を唱える事は反則負けに繋がる。おまけに威力も平均的な数値でやるよう告げられたもんだから俺みたいに幾らでも攻撃力を高められる魔法使いは辛くて辛くて困るもんだ。現在、試合時間は一時間を越える。フェオールが中々しぶとくて嫌に成ってしまうなあ。まだまだ五回戦なのにこれはなあ。
「--はあはあ、私のターン。それは炎系中級魔法ファイアーストームで決着をつけて、見せます!」
「--息が荒いじゃないか。こっちもファイアーストームだ・・…何、ちゃんと魔力は調整してやるから覚悟しておけよ」
 そして炎と炎の波はぶつかり、相殺。互いに被弾しなかった事を受けて限界に達したフェオールは前のめりするように倒れ……勝負あり!
「ハアハア、中々強かったが俺が相手じゃなかったらもっとイケてたかもな」
「これはまたルールを縛らないと成らないな」
 とダインズはそう呟き、俺にルールの厳格化が起こると教えてくれた。

 さて、会場を後にしてラキは如何成ったか。おお、苦戦してるようだな。相手はジュンダーを意識不明の重体に追いやった隠れ禁呪魔法の使い手であるツムマジ・オサガワ。どうやらラキにも同様の禁呪魔法を放って苦しめてるなあ。
「--ハハハハ、しぶとい『シス』よ」
「--ハアハア、卑怯者に屈しないわ……ウイングブレード!」
 ウイングブレードかあ。ラキはそれでも近接戦闘に持ち込みたいようだな。因みにラキの試合などは俺の試合みたいに厳格ではない。形成魔法を唱える事は禁じられてはいない。
「行けえ……フィアフルフレアアアア!」
「うわあああああ、ハアハア……まだ」試合台の外に出そうになるも、ウイングブレードで突き刺しながら何とか持ち堪えるラキ。「まだ私は負けないよ」
「--いい加減諦めなよ……ファイアーボール!」
 ツムマジめ、手加減しに来たな。後は試合台から出せば勝ちだから派手な中級魔法を唱えずに簡潔で素早く勝利を飾りたい様子。中々苛立たせてくれるじゃないか。そうやって--
「あの野郎、そうやってジュンダーを苦しめたんだな……絶対殺してやるからな!」気が付けば俺の右隣の席に座るマリック。「ウワアア……またお前が隣に!」
「ああ、気持ち悪い!」俺は席を離れようかとも思った……それは次の通り。「『ツンデレ』とかお呼びじゃねえんだよ!」
 ツンデレ……それは表向きは冷たい態度を取る奴の事。俺の場合、この性質を好きじゃない為に現実では接しないよう心掛ける。
「誰がお前なんか好きに成る物か。それよりもラキが危ない!」マリックは特にラキに対しては尋常じゃない執着を見せる。「何とか出来ないのか、デュアン!」
「大丈夫だって、マリック。ラキを信じろ。ラキならあの程度の小物相手に負けない。いや、ラキの強さを信じるからこそ俺は」そこで俺は一旦、目を瞑る……そして深呼吸をした後目を開いてこう宣言する。「立ち上がって直ぐにラキは勝利を収める!」
「そんな馬鹿な事が--」
「ほら、見ろマリック!」
 俺の言った通り、ラキは立ち上がるなり投擲を試みる。まあツムマジの野郎は余裕ぶって下級魔法で迎撃したせいで相殺させる事もせずにそれを胸に一突き受けるって寸法だ。
「あが……人殺し、い?」
「ハアハア、人、殺しちゃった?」
「勝負あり!」
 殺伐とした雰囲気の中で胸に一突きの形成魔法を受けたツムマギは担架で運ばれてゆく。ツムマギが見えなくなってから直ぐに大歓声が沸き起こる。勿論、そこには隣に座るマリックも含まれる。
「よっしゃああああ、流石だよなあああ!」肩を掴むな、気持ち悪い。「やっぱラキならやってくれると信じてたぜ!」
 嘘吐け……と今更言わないが。只まあ、ラキは勝利と共に俯せに倒れたな。そのまま担架で運ばれて行った。心配に成った俺達二人は会場を後にする。

 診断の結果……ツムマギは死んだ。死因はラキの一撃……ではなく禁呪魔法の対価として敗れると一切の治療の甲斐もなく魂を抜かれるというサクリファイスの一種に依る物だった。成程、これがツムマギの禁呪魔法だったのか。
 奴は試合前から勝利しないと死んでしまうと怯えていたんだな。勝利する度にそして相手が奴の魔法を浴びる度に筆舌語り尽くせない苦しみを味わうのはそうゆうからくりだったのか。さて、奴が死んで彼らは解放されるかと言われれば次の通り。
「御免、デュアン。次の試合に出れないわ」
「つまり俺の不戦勝なのか?」
「ええ、幸いツムマギの禁呪魔法を浴びた人達はドクター達の懸命な治療のお蔭で命を繋ぎ止められたわ。でも一ヶ月は安静にしないといけないっていうドクターストップが掛かったわ」
 何だって--そこで俺は気付いた。
 何に気付いたのか? それはツムマギを始めとした禁呪魔法の集団の目的は魔導学園を潰す事が目標であるのを。奴等は壮大な復習計画の名の下に全生命体の敵をも利用して魔導学園を我が物にしようと企んでるな。だとしたらゴリアテ達が奴らに協力するのも納得がいくし、ツムマギの禁呪魔法が相手を苦しめる物だとしたらそれこそ奴は命を賭してほとんどの目的を果たした事にも成るなあ。ハハハ、これは笑えない冗談だな。
「とか考えて笑っているのね、デュアン」
「悪いなあ。正直虫唾の走るシナリオを妄想してついつい物に当たりたく成って来たんだよ。まさかここまで俺を楽しませてくれる話があるとはあなあ」
「悪い事は考えないで、デュアン。貴方はそうやって私から離れていく気がするんだよ」
「悪い事は考えない。その代わり、暇な時間は少しだけアレを仕上げに入る」
「アレって何?」
「最近は魔力の節約も考え出して来たんだよ。だからさあ、そろそろ俺もアレの製作に入らないといけないなあ、と思ってね」
「だからアレって何?」
「それは完成してからのお楽しみって奴だ」
 コラ、待ち……ウググ--意地悪をしながら俺はラキの声を背中に受けながら病室を後にした。

 七回戦……要するに相手は多分あいつだろうな--
「運良く不戦勝したデュアン……会場外で何を作ってる?」
「それは秘密だ。それよりも勝ったのか?」
「余裕だ。あの程度の相手に私が負ける未来は見えない。けれども気を付けなくてはいけないのがお前を含めて五人居る」
「五人かあ。俺とマリックとモリスンと後はグローバリィ……ンで残り一人は?」
「ナウマンはそいつに敗れ、ギャンダラーはその前に敗れた……名前を『ナロウ・スペース』と呼んだか?」
「閃光のハイウェイのような名前だな」
「気を付けろ、デュアン。あの男も危険過ぎる」
 そんな捨て台詞を言って--
「それよりもさっさと次の会場に向かうぞ」
「そうか。もう七回戦開始かあ。じゃあ案内してくれ」
 良いだろう--と一瞬だけ微笑みを見せたロマンツェは俺を七回戦第一試合のある会場まで案内してくれた。

 さて、七回戦ではどんなルールを敷いて来るのか? これが終われば次の日が来るまであれの製作に励めるからな。
「今回の試合も俺が務める。だから少しは警戒を解きたまえ、双方共」
 審判を務めるのは五回戦第一試合で公明正大な審査で名を馳せるダインズか。
「それでどんなルールなのでしょう?」
「少々厳しいかも知れないが、今回に限ってはスローターもこんな機会を与えて下さった」
「良いから早く提示しろ、ダインズ」
「呼び捨てするな、デュアン……と言っても聞かないのがお前の性分だろうな」
 それでダインズの提示したルールは次の通り。
 ルールその一:形成魔法の使用を認める。
 ルールその二:連携をしない。
 ルールその三:中級魔法まで。上級魔法以上の使用を禁じる。
 ルールその四:魔法の威力を高めない事。
 ルールその五:殴り合いを禁じる。
 ルールその六:魔法を使う時は足を止める事。
 ルールその七:禁呪魔法の使用は禁止。例え試合前より呪縛に掛けられた場合でも自己申告する事。
 ルールその八:反則負けにさせるような行為を禁じる。その場合は反則がちに成った物が反則負けに成る事を覚えておくように。
 ルールその九:一から八まで違反すると反則負けに成る事。重々気を付けるように。
「成程ね。今回は申告の必要は要らないみたいね」
「じゃあさっさと開始線に着くとしよう」
 それからダインズの右手が空から試合台に向けられた時、試合開始。最初に詠唱するのは俺。いや、零詠唱禁止はルールに示されてない以上は幾らでも中級魔法を唱えられる。
「--だと思った……サラマンドラブレードフィールド!」
 水系中級魔法メイルシュトロームに対して炎獣の檻で防ぐとはな。しかも予め詠唱する事で俺の初撃を止めたか……いや、初撃を止めたんじゃない。俺は奴の放つフィールドの範囲を侮り、一撃を貰った!
「--今のはルール違反?」
「いや、エネルギー計測器を確認した所は威力の上昇を確認されず……寄って合法と見做す!」
「--有難うね、それはそれで……イフリートブレードオーバー!」
 奴の繰り出す炎王の刃を膨大な魔力で防御するしかなかった俺。それはまたしても後手に回る一撃であり、直ぐに切り替えられないとわかるとこれ程厳しい物はないな。
「--幾ら零詠唱だからって指を咥えて……ウンディーネブレードシュトローム!」喋る機会さえ与えずにロマンツェは攻撃を仕掛けて来るなあ。「--フウウウ……させる機会も与えん!」
「それはそれは……余計なお世話だよ!」形成魔法は唱えなくとも出来るがな、応用含めてな。「これがイフリートブレードオーバーの正しい使い方だよ!」
「ウグウウウ……直撃を免れたが」左膝を試合台に付けたな、ロマンツェ。「--頸動脈を狙うのは少々ルールを破りに掛かってるのでは?」
「ファイアーボール……殺しはルール違反に成らん、そうだろ?」
「ああ、そのようだな……にしても計測値は正常だとは」
「アイスソード……序盤は確かにお前の有利で事が運んだ。だが、形勢逆転さ。降参しろ」
「そのようだな。私の負けを……ウグ!」あ、アイスソードが当たって少し苦しそうだな。「この場『では』認めよう、デュアン・マイッダー」
「勝負あり!」
 フウ、試合は俺の勝利で終わった。だが、この俺が延長戦に縺れ込まれるとは思わなかったな。
「じゃあこの場所で決着を付けよう、デュアン・マイッダー」
「ああ、そうしようか……今度は全力で臨んで来い!」
「後悔しても遅いな、デュアン」
 ロマンツェは会場を後にした。えっと時間にして五時に迫ろうとしているな。その間はマリックの阿呆とモリスン、それから例の成ろうの試合でも見ておくか。
 それら全てを見た感想はこんな感じだ。ナロウは危険だな。奴は明らかにルール違反を犯してる。だが、誰もそれを確認出来ない。俺だけがそれを確認出来た……奴は魔法以外の術を使ってる。マギでもない。呪術の一種でも法術でもない。あれは一体何なんだ? 魔法とは違って複雑な何かを感じ取れる。だが、該当する物が思い付かない。あれは何だ?
「やあ、デュアン」背後に聞いた事のある声が耳に入る。「どうだい、俺の同志の力は?」
「えっと誰だ、お前は?」
「振り向くなよ。『ワイズマン』と呼ばれし俺がお前の前に表したのはナロウの放つ術を知らせる為だよ。彼が使うのは『数科学世界』で一般的な『天使術』という物だよ」
「『天使術』、それに『数科学』?」
「何れは知る事に成るだろう、デュアン。お前がもしもグローバリィを倒す事態に成ったらなあ」
 それを言ったままワイズマンは立ち去ったか……何なんだよ、どいつもこいつも!

 真夜中と定義付けられるは午後十一時過ぎ……まさかここで俺達が待ち合わせるなんてなあ。それはクラリッサが死んだ場所。俺がクラリッサを始末した場所。ほら、破壊された月が良く見える場所なのさ。その真下に立つはロマンツェと呼ばれしクラリッサの双子の姉クライツェ・ベルフェル。
「正体を現したわ、デュアン!」フードを脱ぎ去り、既にバトルクロスの準備を完了した後。「妹クラリッサはディーに体を乗っ取られ、どの道死ぬ運命にあったのよ」
「それで敵討ちか?」
「ああ、それを仕掛けたのがあのグルービィ・マクスウェルならば私はあの男を殺さなくては妹の無念は晴らせない!」
「その役目は俺に譲れ!」
「私に勝つ事が出来たらなああ!」
「勝つさ。俺はデュアン・マイッダー……神さえ恐れ戦く魔術師様さあああ!」
 俺達が構え始める時、事態に気付いたラキが走って来る。そして互いに大地を蹴って今ぶつかり合った!
「キャアアアア、何て魔力なのよおおお!」吹っ飛ばされながらもラキは俺達の戦いを見届ける。「これは……これだけの魔力なのに勝負は一瞬なの!」
 その勝負から翌日の早朝六時……準々決勝第一試合が開始される!


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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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