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一兆年の夜 第六十四話 烈の闘い 藤原大陸の謎篇(七)

 午前八時四十六分四十八秒。
 十名はその洞窟を素早く調べた。すると明らかに成ったのは本棚は神々ではなかった。紛れもなく何かを記した物だった。その証拠はそれを調べた彼らの口から語られる。
「烈闘様、全ての紙ハ劣化シタヨウナ跡が見られます」
「つまりこれらは神様ではないという訳か」
「何といいう何といいう損失なのよ。本棚全ての紙書類は全部読みい物にい成らないいのおのお!」
「諦めるんだあい、ソフェラあい。これは墨で書こうとすれば瞬く間に破れてしまう程に劣化が進んでるんだあい」
「折角藤原大陸な謎ご解明されるた死んでいったコウモラ兄さんほ燥いでいたなね」
「紙の資料なんか如何でも良いワアイ。それよりも飯ダア飯い!」
「飯の話をするのとしないのとじゃあどちらかと言えば--」
「待って下されよう、ワシ男さん。何時も言っておりまするように喋らないで下さらないでしょうか!」
「むむえい」何かを感じるハヤッ太。「本棚は全部で十六でしかも十段式でしたねえい」
「どうゆう意味でぶ?」
「いやでろう、出入り口近くに立って右翼側から見て七つ目の本棚が少し浮いてるような気がするでえ」
「それは気に成るな。じゃあクマ道とソフェラで隙間から指を伸ばして持ち上げてくれないか?」
「ええええ、頭脳労働が私の--」
 それでもお前はこの中で一か二番目に力持ちだろう--と烈闘は強引に押し退ける。
「ちぇちぇ、これも百獣族にい最も近いい獅子族の定めねえねえ」
「確かに僕も力はありますがあい、こと指の大きさがあり過ぎる上に力の方向性も違いますからねえい」
 俺は力仕事が得意ダアゾ--と力関係は発散に繋がる為にクマ道は乗り気である。
 二名に依る持ち上げに依って発生するのはその本棚だけ勝手に後ろに下がってゆく。そして出て来るのは下に繋がる階段。十名は驚きを隠せない様子。
(やはり記憶の世界とやらに密接なる繋がりがありそうだ。この階段を降りた先に何があるのかを俺達は知りたいな。最も良い成果は得られそうにないとは思うけど)
 十名は前方及び後方を警戒しながら降りてゆく。それは三の分より後に完了し、そこで広がる光景はまるで遥か先の舞台に来るような反応を十名共見せる。
(どれもこれも神々なのか。あのよくわからない色付き石板押しもあの半円で細長い大きな物もそれからよくわからない文字で記された何かの印もそれから『星?』のようなのが全部で四十数個もあるこの旗も何か? 俺にはどれもこれもわからない。そしてこの頑丈さと何の意味も齎さない数々の品々からしてこれこそ本当の神々なのかも知れんなあ)
「見ろヨオ、アマテラス文字にヨオル注意書き……ここは『ワシントン配備の第三木亥シェルター』だそうダア」
「いや、普通ニ『核シェルター』ト呼んで良いんだぞ」
「核って何だ、わかるか?」
「いいえいいえ、私でも何の意味なのかさっぱりいわからないいよわからないいよ」
「そうか。じゃあここは全く……ンン?」半円で細長く大きな物の奥に何かを発見する烈闘。「あれは何だろう?」
 烈闘に釣られるように九名共そこへ急いで向かった。烈闘が見つけたのは扉。その扉を抜けた先には上へと登る階段があり、その先にあるのは……異様な何か。そこは上向きに設計され、開けてみると執務室のような場所に繋がる。それから烈闘達は執務室にある要者用と思われる椅子の背中越しの窓より外を見つめると信じられない光景が目に飛び込む。
(真っ白に成る瞬間がずっと映し出される。この窓は神々なのか、意味は成さない。でも窓に映る真っ白は何故か信憑性に溢れる程さ。何かが光った? 俺の感じた物はそれだ。いや、この窓は俺達生命に真実性を齎す。まるで命が吹き込まれてるかのようにこの場所は時が止まってる。いや、初めからここは作られたまま何も動かない。いや、動かす予定だったがそれが中断されて今と成っては……謎の解明をする筈が結局は謎を深める話に成ったな)
 烈闘にとって未完の舞台は己とどう関係するのか? それはまだ気付けていない……

『--この後二の時も其処を調査したんだけど、何も見つからない。どうやら神様は肝心
記憶の世界を俺達に教えたくないようだ。にしてもあの真っ白な光はこの後執務室
らしき部屋を呑み込むのかな? だとするならその為に執務室のような物が作られた
としか表現しようがない。記憶の世界の生命達はもったいない事をするよなあ。折角
作ったのにそれをこうゆう形の為だけに使い、そして用がなくなったら捨てていくなんて
銀河連合じゃないか。俺達にはその使い捨ては果たして精神を宿しているのかどうか。
 それは俺達も物が言える訳じゃない。俺達は特に命を使って全生命体の希望を体現
しようとするんだからな。記憶の世界の生命達は一体どんな思いでこの舞台を作り
出したのかはあいつに考察させれば良いな。躯央ならそれなりに、あ、そうだ。
 そう思えば残り三通の手紙についても読まないとな。という訳で残り三通の手紙は次の
日記に記す。この日記はここまでだ。果たしてこの体験と俺の体験は密接に繋がるのか?
或は無意味な部分なのか?
                              次の成功日記に続く』

 ICイマジナリーセンチュリー二百五年四月二十三日午前九時十五分零秒。

 第六十四話 烈の闘い 藤原大陸の謎篇 完

 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇 に続く……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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