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一兆年の夜 第六十四話 烈の闘い 藤原大陸の謎篇(六)

 四月二十三日午前六時七分四十一秒。
 場所は中臣峡谷標高成人体型凡そ五十二。そこは空中種族以外が通るには命懸けの道が並ぶ。
 先頭を進むのは齢三十三にして八の月と九日目に成るクレイトス蝙蝠族の中年コウモラ・リックマン。そして最も後方に居るのが彼の弟で齢二十九にして四の月と二日目に成る青年コウモレ・リックマン。彼らは共に偵察隊に所属して遠征部隊の為に情報収集に当たる。二名に挟まるように足を踏み入れながら進むのは前から順に烈闘、マンマロート、ベア道、齢二十四にして二十七日目に成るプロティ豚族の青年ザブルド・クロネット、齢二十一にして二の月と十六日目に成る藤原犀族の青年藤原サイ電、ワシ男、齢二十五にして六の月と八日目に成る藤原燕族の青年藤原カエ洞爺とうや、齢三十二にして六の月と二十八日目に成る藤原隼族の藤原ハヤッ太、そして紅一点のソフェラの九名。彼らはお喋りしながら足を滑らせる恐怖と格闘中。
「蝙蝠訛りは躯央に聞けばどれ程学術的に勉強に成るかなあ?」
「眠いんですや、烈闘様。話し掛けないぢ下さい」
「そう言えば夜行性ノ種族デシタネ。誠ニ申シ訳ありません」
「ナア、マンマロートさんヨオ」
「何ダイ、ベア道?」
「何時まで二本足で立たなくちゃいけナアイ?」
「狭イノダヨ、それに四本足で進む為には幾ラ何デモ幅を取ってしまいかねない」
「良くわからんガア、何となくわかりそうダア」どうやらベア道は頭脳労働が得意ではない模様。「それよりもさっさと派手に暴れ回りたいナア」
「良い訳ないでぶ、ベア道。お前は食べぶ、遊んで、寝ぶことしか考えてないぶ」
「ブーブー五月蠅アィ、ザブルドさんヨオ!」
「本当のことを口にしぶ良くないか!」
 待って下さあい、二名とも落ち着いて下さあい--と犀族の割には温和なサイ電は二名の喧嘩を止めるので精一杯の様子。
「そうそう、ここで落ちたら私達三名の力で拾い上げるのはとてもではありませんが難しかろうてでありますよ」
「僕以上に回りくどい訛りでしたら少しは黙っててくれましょうか」
「最近の若者達はどうしてこうも落ち着かなころう」
「まあまあまあ良いいじゃありいませんか、ハヤッ太様。それも若いい者の特権だと賢者は仰りいますのでので」
「そちらの訛りも随分複雑でろう」
 あらあら、ハヤッ太様こそこそ--と甘美の公式を発見したレオーネの子孫だけあって良く舌が回るソフェラ。
「そろそろか、コウモラ?」
 そうですに、そろそろ……一旦止まって下さい--と声を高くして九名の足を止めたコウモラ。
「空中種族は風の受け流しが容易じゃないならどれ程避ければ良いのかやら」
「確かにそうでろう」
「うわわ、フウウウウ危ない所でありましょう」
「三名共静かねしてくれますこお?」
 と十一名共寸での所で墜落を免れる。それからコウモラを先頭にゆっくり入ってゆく。
(中は暗いなあ。後は銀河連合に襲われずに無事で済めば御の字よな)
 それは烈闘だけでなく、頭脳労働が出来る者達なら誰でも考える銀河連合に依る奇襲。特に暗闇は光ならざる世界を好む奴らの領域……油を断ち切れない!
「烈闘様、全員無事入ルノニ成功しましたが……コウモレから連絡ガアリマシタ」
「何となく察しが付くが、詳細を」
「は、実は入る途中で銀河連合らしき何カガ洞窟出入リ口の直ぐ真下ニ降りてゆくのを目撃しましてね」
「だと思ったな。という事は進んでゆく内にその出入り口も見つかるだろうな」
「予め武器ヲ持参シテ正解でしたね」
「それはベア道の意見だ。あいつは俺と同じく戦いしか知らんが、勘は優れてるからな」
 俺はちっとも好キニ成レソウニありませんが--とマンマロートは本音を告げる。
「じゃあそろそろ準備してゆくか」
「ええ、行キマショウ」
 打ち合わせを終えたマンマロートは洞窟へと向かう前に打ち合わせた事をここに述べる。それに対してベア道は雄叫びを上げる。
「そリャア、楽しいナア!」
「静カニシロ、ベア道」
「五月蠅アイ、マンマロートさんヨオ。俺は派手なのが大好きなんダア!」
「そうでぶ。銀河連合をたくさん倒して故郷の父さん母さんに孝行すぶんだ!」
「と言われましても結局は調査の為です物ねえい」
「閃いいて閃いいて来るわ。きっとここにい新たな数の法則が見つかるわよわよ!」
「何でえ、戦いじゃなくて調査の為だってえ。まあいっけえ」
「だから緊急時にワシ男さんや僕、それにハヤッ太さんを招集したんでしょうね」
「私はどんな理由であろうともなかろうとも招集されてうれしいのか悲しいのかとしたら嬉しいに--」
「いやあい、ワシ男さんは少し黙ってくれませんかあい」
「兄さん、さらさら眠くなってきますに」
「ぢま油断つのや、コウモレ。銀河連合ほこうゆう時ね限って--」
 それがコウモラの最後の言葉に成った。落下するのは上半身の無いコウモラの肉。コウモレは悲鳴を上げ、マンマロートは周囲を見渡す……すると彼は天井に張り付いて剥き出した眼光を光らせる何かを発見。直ぐ様それを次のように言い当てる!
「銀河連合ダナ、蝙蝠型ノ!」
 正解なのか、それら二十八体は一斉に襲い掛かる。だが、その内の一体の頭部は口の所まで凹む……いや、烈闘の左拳は蝙蝠型の柔らかい頭部を変形させるほど重かった!
「今がその機会だ、お前ら!」
「ううううう、うあああああああああ!」コウモレは持参する翼持刀に物部刃を仕込むと何度も蝙蝠型のある方角に向けて撃ち続ける。「兄さんな仇兄さんな仇兄さんな仇イイイイ!」
「烈闘様に出来て俺が出来ない道理はないゾオオ!」
「暗闇より僕達を襲ってえええい!」
「仲間を死なせた罪を知ぶ、銀河連合!」
「外ニ出るなよ、意ガ届カナイ一撃が来る!」
「暗闇は大変でろう!」
「私は故郷があるべき生命の土地にするべく諦める諦めないと選択すれば答えは--」
「だからワシ男さんは静かにして下されよう!」
「百獣族にい百獣型にい最も近いいと噂される獅子族の戦闘力を甘く見ないいでね、銀河連合さん銀河連合さん?」
 コウモラの死という悲しい事態が訪れるも十名は懸命に戦い、そして生き残った。
(御免、コウモラ。俺がもっと周りを注意する事が出来たらお前を死なせずに済んだのに)
 烈闘はまだまだ己が未熟である事を痛感する。
『--コウモラの遺体から流れ出る血を追ってみる俺達。するとそこに本棚のような神々
を発見する。それらがどんな役割を担ってるのかについては次で……あ、ここで頁が
無く成るな。という訳で一冊目は次で終わりにしよう。その本棚には何が書かれてある
のか? 或は他の神々同様に装置としてここに眠るのか? 果たして答えは一体何なの
だろう。それは読んでのお楽しみ』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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