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一兆年の夜 第六十四話 烈の闘い 藤原大陸の謎篇(五)

 午前七時十分六秒。
 戦いは始まる。先ずは登り坂。真古式神武側の戦力は凡そ十一万。対して銀河連合の数はその六分の一。しかも銀河連合は全て空中類。空から攻撃する事で数の差での利非ずを覆そうとする。
(戦いが始まる前に既に登り坂に於ける銀河連合の種類は複数の偵察隊の調査に依って全貌は明らかと成る。俺が数に胡坐をかいて知らずで通すと思ってるのか!)
 だが、烈闘は既に対策を講じていた。そのお蔭で一名の死者を出す事無く僅か一の時も掛けずに突破。
「これで物部刃ハ尽きましたね。補給戦力に頼んで更ニハ怪我を負った兵士達ヲ予備戦力ト交代させて休息を摂らせましょう」
「どうしてそう思う?」
「上るという事は疲労が大きい訳デスノデ出来ル限りは戦って来た者達ニハ後ロデユックリ休息を摂って貰うんですよ。それと後退した予備戦力ハ少シ体を動かしてない者達が多い。そうゆう者達ニハ登山スル事で鈍った体を解して準備を整えるのです」
「成程成程、そりゃあ良いや。それに決めよう!」
 マンマロートは頭脳面で既に躯央から学んでおり、的確な助言をする事が可能。故に烈闘は彼の意見に快く従う。
(俺達が前に出ても良いが、それでは芽の出る者達の教育にも成らない。なので俺達は困った時に前に出る。それまでは出来る限り彼らに楽が出来るように活躍の場を与え、死者を出さないように戦う。こうして本当の激戦に向かうまでに余裕を持たせてゆく訳だ……まあ知らない場所ほど苦労の多い所はない。俺達が本当に戦うのは其処だろう。それまでは少しでも戦力を温存してやりたいがな)
 烈闘にとってはまだ温い戦場。本当に激しいのは昨日まで苦労した防護提の戦いと峡谷を越えた先にある未知なる世界。今はまだ向こうだって戦力を温存する。故にこちらも同様に温存しなければならない。
(さて、次へ向かうのは明日の夜。今日は情報の足りない峡谷の全貌を少しでも知る方を優先する。大丈夫だ。こっちにはまだ十一万もの兵力と後方に待機した五万もの戦力。そして船の近辺にて補給及び救出活動の準備をする五万もの戦力がある。まだまだ余裕は持てる。持てるんだよ!)
 だが、この考え程油を断つ意味はない。烈闘は己の知らない間に油を断っていた。
『--最近優希が登場しないって? 彼女には予備戦力の所へと下がらせてある。お腹に
子供が居る以上は前に出させる訳にはゆかない。是非とも彼女の温かい御持て成しで
兵士達を励まさなくては成らない。彼女にしか出来ない事であり、俺は鼓舞させる以外に
やれる事はない。
 いかんな、俺とした事が。まだ弱いかも知れない。ねーねみたいに、そしてじーじぃ
みたいに強くなくてはいけない。それが全生命体の希望としての使命だろうが。全く俺
はまだまだだな。おっと今日はここまでだよ。続きは明日かも知れないぞ』

 四月二十二日午後九時零分四十四秒。
 十一万の遠征部隊は動き出す。登り切った先に来るのは長距離より飛来する物部刃のような物の数々。だが、遠征部隊は既に対策を採っていた。それは亀族を前に出す事で奇襲に備えるという物。
(わざわざ盾を使わないなんて手があるか。銀河連合は何時も俺達が真っすぐ向かう時にそのような曲道を好んで使って来る。その対策に俺達は既に亀族を凡そ百名以上も連れて来て彼らに鉄縄で甲羅を縛り、守りに入ったんだよ。彼らは守る為にその訓練も受けている。地上での機動力は遅いが、その分だけ堅牢なんだよ!)
 と烈闘が心の中で答えるように亀族は一名も死ぬ事なく、耐え切った。その底力に恐怖を覚えった狙撃担当の銀河連合達は一目散に退散してゆく。
「下がってイキマシタネ、烈闘様」
「向こうも考えあっての事だよ。俺達に恐怖したのも事実だろうけど、それ以上に戦力を温存するという名目で戦闘を止めて下がる事を決めるのさ。全く恐ろしいぞ」
「何れはそいつらが加わって益々後方ハ攻略困難ト成るでしょうね」
「では夜も遅い事だし、防御に回った亀族は睡眠を摂らせ次第予備戦力と交代だ」
「成程、彼らも交代させる事で二度目ノ手段ヲ温存するんですね」
「それと躯央からの手紙も読みたいしな」
 実は躯央より五通もの手紙が届いていた。烈闘は寝る前に二通ほど読破したい模様。そこに書かれている事を纏めると次の通り。
 一つ目は躯央が優央の子育てに苦労してる内容。それに依ると躯央は泣き止まない優央をあやすのに様々な試みをするも泣き止んだのは優央が眠る時。全て効果がない。それと優央が定期なく用を足してゆく為に躯央は見出すのに苦労する事。もう一つがやはり躯央の言う事を一向に聞かない事だろう。それらもあって躯央は睡眠出来ない模様。
 二つ目は歪みに関する事柄。どうやら躯央もそれを目撃してる模様。それもお日様の大きさと満月の大きさ。しかも躯央はしっかり歪んだ数も計算しており、最初の歪みは発生から四十二の年より後に訪れると計測。次の場合は凡そ十二の年より後に訪れると計測。それらを烈闘の頭が回らない程説明する為に途中から読み飛ばす始末に。
(あいつはもう少し俺でもわかるように説明してくれって。角度とか天体位置とか更には落下する地点何か俺がわかる訳ないだろう。数字ばっかりで何が書かれてあるのか全然だぞ)
 そこに居マシタカ、烈闘様--そこにマンマロートがやって来た。
「如何した、マンマロート?」
「偵察隊を指揮するコウモラ・リックマンヨリ報告ガアリマシタ」
「どんな内容だ?」
「実ハ妙な洞窟ヲ見つけた、と」
 何--それは大陸藤原の謎を解き明かす事に繋がる洞窟であろうとはこの時、誰も知らない!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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