FC2ブログ

一兆年の夜 第六十三話 玉と石は混ざりて交じり(秘)

 午後二時八分六秒。
 地上絵の鳥は制圧隊の面々を持ち上げながら迫り来る銀河連合を次々と突き刺してゆく! その一撃は最早通常の刺し傷ではなく、質量に耐え切れず破裂してるように見える。それだけに地上絵の鳥の質量は制圧隊の面々からすれば巨大構造物によって生じる衝撃に等しい。
(何とか巨岩の隙間にあす取っ手に尻尾を引っ掛けた弾き飛ばされないようにしてる。それでもこれはかなり引っ張られる。周囲を見渡すと左右上下に跳ばせれる隊員を何名も見る。サルートは尻尾に引っ掛けた何とか飛ばされないようにはしとるけど……なあ)
「ギッジェ、大丈夫っか?」
「ああ、何とか出来ぢ、る、げ、ども」
「右前脚で隙間に引っ掛っける事に……ウグ、お、お、お!」
「お前達も何とか無事に、よ、う、喋る、のが、む、ずか、しいや、わ!」
「僕の場合は小柄さを利用して隙間に避難して、うわ、き、聞こえまするか!」
「聞こえる?」
「あああ、折角頑張ってに生き延びたざ残りのん隊員がざみんな……してに!」
 こうして六名だけに成った制圧隊。彼らは巨岩にしがみ付く事で地上絵の鳥が動く事で発生する揺れを凌ごうと試みる。
(岩だから鋏では一切切れ目も出来なせ、何よりも引っ掛かじ辛い。鋏を広げて何でか取っ手代わりにするという試みも厚みがあると難しいんでよな。だから僕は尻尾のみど何とか耐え凌いでいるんだけど)
 徐々に呼吸が荒くなり、誰よりも苦しみ始めるギッジェ。彼は限界近くまで近付くのを感じながら再度走馬灯が訪れる事を願い出す。
(もう直ぐ走馬灯が見えず。ああ、苦しみ、から、解放、せれ、だた、なあ。そ、したら、な、あ、僕は、ICイマジナリーセンチュリーに於けず八百年以降の計算式の方法を見づける事が、出来、出来ぜ)
 キシェールに産まれた雄に課せられた使命を果たそうと既に心は死を望み始めるギッジェ。彼を見て大声を出す生命が一名居た。
「オイ、気を確かにっしろ!」サルートだった。「死んだら何も伝わっらないだろう!」
「へへ、へえへえぜ。もう、げ、ん、かいぜ」
「もう直ぐ銀河連合の群れは全滅っする。もう直ぐこの揺れも終っわりが近い……ってやらせるかあああ!」
 左前足で右前脚と入れ替えるように引っ掛けるとサルートは尻尾を振るって限界が来て放り投げられたギッジェの尻尾に引っ掛けた!
「ウグ、グググ、刺っさった、ぞ、ぞ、お」
「サルートオオオオ、がハアずハア!」
 我に戻ったギッジェはサルートの尻尾に足を引っかけながら渡ってゆき、隙間に無理矢理体を詰める。それから自らの尻尾を振るって彼の右前足を左前脚に引っ掛けた隙間に無理矢理詰め込んだ。
「ギッジェ……お前っが!」
「呼び捨つるな。僕はお前よりも年上どろ」
 ハハハ、そうっだったな--と毒が回り出しても笑顔を見せてギッジェを安心させるサルート。
 ギッジェが毒を抜こうとしてる時に地上絵の鳥は空より襲撃せし銀河連合全てを仕留め終える。即ち、元の場所に戻る為に落下が始まる事を意味する。
「生き残った全てのん隊員よん、落下はざ始まるぞおおおん!」
「耐衝撃に備えろよの!」
「そんな事言われても蝶族の僕はどうるしようるもないよ!」
「泣き言を吐かないの?」
「サルートは絶対に死なせないざ!」
「済まっない、ギッジェ。本当、に、済っまない」
 六名は十五の分より後に訪れる落下に備えて各々安全と思われる箇所を探してゆく。

 午後五時七分十一秒。
 六名は目覚める。多少、血を流しながらも彼らは生還を果たした。
「奇跡にり近いなざ……ウッブが、苦しいなざあざ」
「全員致命傷を受けてないやわ?」
「僕の方は右羽が少し穴が開いて自力で動く事が出来ません」
「お、俺は少しだけ抜っかれてない毒が、回って気分が、宜っしくない」
「少し血を流してるけど、大丈夫?」
「だからお前の訛りはわっかり辛いって」
「ぼ、僕は尻尾の先端が欠けどいる。で、でも命に別状はないざ」
「それはざ良かった……いやざ、良くはないかざ。何しろん俺達はざ多くのん犠牲のん上にり命をん繋げているようなざ物だざ」
「それでも生きてるだけでもよの」とパン堂は号泣し出す。「俺達は彼らの命に応えてるじゃないかやわ!」
「ええ、そうでするね」
「それでも辛いよ?」
「だから、さあやわ、ああ、訛りがわかりやわ、辛いやわ、う、ううううよの!」
「さあ、俺の身体で涙を拭って下っさい」
 うおおおおおおおよの--サルートに応えてパン堂は彼の胸元で思う存分涙を出した!
「さた、僕は五名が聞こえない場所でこの事実と向き合うとするざ」
 ギッジェは彼らの為に今度の件も又、認めないつもりのようだ。そうして考えを巡らそうとすると向こう側よりザッタの弟ザットネル率いる救助制圧隊がやって来る。彼らはザッタを救出する為に急遽編成され、無事にその役目を果たした。
(これを機に僕は始めよどかな? 何を始めるっど? それは--)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR