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一兆年の夜 第六十三話 玉と石は混ざりて交じり(郷)

 一月二日午前九時四分二秒。
 場所はオリゲネ地方。サッカス地方との距離は凡そ成人体型三千九十九。
 そこで一行は二つ目の泉を発見。直ぐ様、それに飛びつくかに思えた。
「待ってに下さいり、皆さん。先ずはざ偵察員をん送ってに大丈夫かざどうかざのん確認をんしてからざ行きましょうが」
 石の森と同様、その泉に銀河連合が潜伏しないという保証は何処にもない。故に正しい判断を下すザッタ。
(そ、そうど! 粘液の種族が存在していで……そうしておけば少しはあの状況を説明出来るかぞしれない!)
 おい、両鋏をぶつけて音を鳴っらすな--サルーイが気に成る程、蠍族のギッジェが閃いた際に取る仕種は響く模様。
「御免、少し騒々しかっぞ」
(ではそろそろICイマジナリーセンチュリーについて考えぞう。八百年を契機に四の年毎から今度は……太陽太陰暦はまだまだ難しい分野だず。紙に書いて記すしかないけど、それが遥か遠くまで置いて行ったからどうする事も出来ずなあ)
 ギッジェはひたすらに八百年以降のICイマジナリーセンチュリーを思索する。キシェール家に生まれた雄として発展に繋げていかなければならない。その為には時代毎に性質を変化させる事で最終的な一兆年へと至るまでに全生命体の寿命と共にICイマジナリーセンチュリーは進み続ける。キシェール家はある種族の生命に託されて以降、そうしてICイマジナリーセンチュリーを研究。次の世代に研究成果を残す事でまた次なる世代へと手綱を渡していった。
(だからこそ僕の代ど今度こそ発展らしい発展に繋げないと今度産まれて来るだあろう僕の息子達に顔見せ出来ない)
 だからこそキシェール家の雄は頭脳労働を欠かさず行う。例えその進歩が六本足で僅か六歩でしかない結果であろうともその弛まない研究を止めては次なる世代に楽をさせる事は叶わないのである。
「オオイ、そろそろ頭脳労働を少し中断して石包丁を持っつ時だ」
 おわああああがああ--頭脳労働を少し中断しただけで叫び声を上げるくらいにギッジェの集中力は並ではない。
「ハハハハやわ、それだけ元気だとお天道様の所に向かうご先祖さまもさぞ口から胃袋を出すくらい驚くだろうよの!」
「笑えないで、それ」
 さて、どうしてサルーイはギッジェに石包丁を持たせるのか? 実は泉を探りに行った偵察員の内の一名が引き摺り込まれて二度と泉の中から元気な姿で浮かばなくなったという報告が生き残りの偵察員であるアゲルの口から報告された為に。
「そうゆう事でだあ。また僕に肉体労働をさせる訳ぜ!」
 そろそろ構えっていろよ、ギッジェ--サルーイの合図と共に泉より周囲成人体型半径百の範囲に入る制圧隊。
 すると泉の奥より出でし赤くそして黒い何かが戦闘に立つ総指揮ザッタに向かって風の速さで襲い掛かる。だが、咄嗟に準備していたパン堂の新式雄略包丁に依って叩き斬られた!
「綺麗な切れ味……罪深いなあやわ、この切れ味はやわ」と全生命体が抱える心の呵責を口にしながらも一方で喜びの言葉も口にするパン堂。「これなら後六回は使えるよの!」
「まだです、小隊長? まだ泉の奥より出でし赤黒く細い何かはたくさん出てきます?」
 だからその訛りじゃあ緊張感が薄れるだろうよの、ショウウンやわ--と言いつつも三つ纏めて両断する程の脚前も見せるパン堂!
「凄いず、日暮小隊長ぜ!」
「そりゃああの方は熊猫族だっけじゃなく、エピクロ市で名の知っれた日暮家一の暴れん坊なんだからさ!」
 あんまり興味ない話ぜ--と頭脳労働に特化した生命はどの時代であろうとも世間話に疎い傾向にある。
 さて、戦闘は意外にも僅か五の分より後に終了した。犠牲者はアゲル以外の偵察員三名のみ。制圧隊全員は黙祷。
(悲しみは一兆年まで続くのでしたらそれは何処まで自分達のやり方が正しいぜ思えるのだろうか? 僕はICイマジナリーセンチュリーを通じづ悩む。どうして僕達生命体と銀河連合は戦い続ける運命にあるのぞ? どうして生きている限り、僕達は銀河連合と出会い続けずのか? どうして僕達は……徐々に己が銀河連合の性質に近付きつつあるのど? 今はまだ遥か遠くまで離れず性質。でもこれはこうして僕みたいに気付いてゆせ度にそれを全生命体は意識を連動させて実感させられる……いや、それは思い込みかも知れぜ)
 黙祷と共に一兆年の流れを思考し終えたと同時に突然、制圧隊の頭上に巨大な何かが多い始める!
「あれはざ何ですかざあああ!」
「俺だって知らないやわあああ!」
 それもまた、ギッジェが現実思考故にその存在を認めなかった為に創作した雲型銀河連合。しかも積乱雲その物と化して奴らは制圧隊を喰らわんと襲い掛かる!
『--これもまた僕が考案した創作銀河連合。奴等は氷にも大樹にも成れるのならば雲
に成る事だって可能な筈さ。しかもこの雲型銀河連合にはどう足掻いても僕らは力無し。
力ではどうする事も出来ない以上はさっさと脱出して安全圏まで突破しないといけない。
でもな、雲だぞ。雲その物の成人体型は千でも足りないぞ。そんな相手にどうやって
逃げるというか。
 でもな、逃げる事が出来た。前に登場した僕達と同じ生命である粘液種族と
呼ばれる名無しの生命達に依って。やはり彼らは僕達のように心優しく、共に戦う
頼もしい生命体だった。
 えっとその場面を紹介しろって? いや、それは出来ない。創作を含む場合は盛り
上がりに相応しくない場面は省略するのが基本という物。これは全てが真実の
体験日記じゃない。時には創作を入れる以上は盛り上がりに相応しくない場面は入れず
に数行で済ますのが普通である。だからこそ省略し、日記の最後の場面となるあの
地上絵に舞台を移さないとな。
 一応、地上絵は真実さ。だけど、繰り広げられる話には真実味は薄い。それだけは気を
付けてくれるかな?』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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