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一兆年の夜 第六十二話 天上天下唯我独尊(十)

 三月五十六日午前三時七分四十一秒。
 場所は石の森。西入り口付近にてザリアンを始めとした石の森制圧隊が結成された。新天神武の支援はほぼない状態で彼らがテオディダクトス大陸まで物資を運んで謎の森である全て石で出来た森の制圧に掛かる理由……それはここを突破しないとその奥にある地方まで進出出来ないが故に。そこもまた、テオディダクトス大陸に於けるどの都合にも支配されない土地なのか、あるいは既に銀河連合による都合が支配された土地なのかを知る為。
 だが、今の戦力では誰もが突破は果たせないと考えていた。いや、寧ろここを攻めるという事実を書き込む事にこそテオディダクトスの重要性を大きくする意味にも繋がると誰もが考えもする。
(出来れば全員生きて撤退しておきたいグバア。そしたら次制圧に取り掛かる時に新天神武政府が重い腰を乗り上げるかも知れないグバア)
「それでもん新天神武はざまだざ動かないだろうが。政府はざ複数のん政党がざ犇めき合う民主主義体制だからなざ」
「それがどうにも良くないんだよナア。建国者である天同七は後に成って余計な事をしてくれたもんダア」
「それは今の僕達だからいえる事だケエど、当時の一般生命はそれを歓迎したんだヨオ」
 それでも七様は碌でもない宣言したせいで一つに纏めて強引に押してゆく事を後回しにしてしまったんだゾオ--とクレッセは唾を飛ばしながら主張する。
「だからこそん今じゃあざ新天神武のんあるが政党はざ新古式神武とん速やかなざ合併をん主張しり、俺達がざ爺さんにりなるが頃合いにりなってからざ一つにりするが計画までに立ててるのんよん」
「随分とん大変なざ時代にり成ったよんなあざ」
「だからこそ僕達はざお前達のん次のん時代のん若者達がざ少しでにもん楽をん出来るようにりここでにあのん森にり潜伏するが銀河連合達とん戦ってに良い結果をん残しながらざ退散しないとんいけないんだざよん!」
 まあ、いい結果とかってのは言い訳に等しくて満足な力も出せないだろうガアナ--と己達が半端な覚悟で臨んでいる事をここに告げるクレッセ。
 この正論に対してカバオラは次のように考える。
(確かにそうグバア。わしらは昔のわしみたいに中途半端な覚悟を以てこの森の制圧に取り掛かってるグバア。そんな覚悟じゃあ理想の結果よりも下回るような結果が丸見えグバア。死者だって出るグバア。それじゃあ撤退の意味がないグバア。こんな結果に成ったら新天神武だってエピクロ島に於けるテオディダクトス開拓の援助資金打ち切りも有り得るグバア。だとしても制圧できるという心構えで挑んだら退くべき所が見出せないのも事実グバア。何せ頭の中は攻める事しかないからどうしようもないグバア。さてグバア、わしらはどの選択をするべきグバア)
 だが、考えは纏まらない。そんな悩むカバオラに対してザリアンは次のような事を言う。
「確かにりクレッセ船長のん言う通り、僕達はざ言い訳ばかりしてに力をん出し惜しみするが。そんな心構えじゃあざこれからざ攻める時のん足枷にりなる。事実だざ。だからってに攻めばかり頭にり浮かぶのんはざ流石にり引き際をん忘れてに悲劇しかざ残らない。そこでに僕はざこうが提案する」
「どんな提案をんするのんですかざ、親父?」
「まさか半分はざ攻めだけに考えてにもうが半分はざ撤退だけに考えるとんかざ?」
 いや、引き際をん決めるのんはざカバオラさんだけにりしてに調整はざ僕がざやる--そうゆう役割分担を提案するザリアン。
(成程……そうグバア! だとすると大きな声は僕とザリアンだけにして他のみんなには攻めだけを考えてくれたらいいんだグバア!)
「では石の森に攻め込む前にわしからの絶対命令があるグバア」
「何でしょうカア、それは?」
「わしとザリアン君の命令は良く聞けグバア! それとわしかザリアン君がもしもの事があれば全員直ぐに退却するのだグバア、命に懸けてもグバア! それ以外ならば各自の判断に委ねるグバア!」
「それでにしたらざ俺はざ俺のん心のん赴くままにり銀河連合をん倒していきますよん、親父のん親父のん仇討ちをんするつもりでに」
「僕もんその気でに行きますぜに!」
「そんじゃあやろうカア、父がどんな心持で一般生命の為に命を懸けたのかを感じ取って見セェる!」
「俺は何時も通り派手に暴れてでもあいつらに俺の恐怖を体感させてやるゾオ!」
「じゃあ行きましょうが、カバオラさんやざみんな」
「そうグバア。これがわしが生涯かけて見つけた答えグバア!」
 そして彼らは石の森へと走ってゆく……必ずや突破する事を信じて!
(兄さんグバア、やっとわしは答えを見つける事が出来ましたグバア。そして答えを見つけたわしはもう直グバア、兄さんの元に行くかもしれないグバア。それでもここで死ぬような命ではない事を証明して見せまグバア! それが三度も時を越えてでも求めていたわしの生きる答えグバア! それが誰かにはっきり答える事の出来ない答えでもわしはわしらしい答えだと信じて後ろを向かずに前を向いて進むグバア! もう二度と時は越えないでしょうグバア。もう二度とあらゆる時代に跳んでも悩む事はないでしょうグバア。そしてさっきと矛と盾がぶつかったから訂正するともう神々はわしを時間旅行させる事は永遠にないグバア。例え飛ばされるようなことが万が一に遭ってもわしはもう跳んだ時代で精一杯頑張るつもりグバア! グバア、覚悟を決めたグバア!)
 そして--

 第六十二話 天上天下唯我独尊 完

 カバオラの駆け抜けた道を辿って後に続く生命達は石の森の制圧に成功する!

 ICイマジナリーセンチュリー百九十六年一月一日午前一時十一分十一秒。

 第六十三話 玉と石は混ざりて交じり に続く……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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