FC2ブログ

一兆年の夜 第六十二話 天上天下唯我独尊(六)

 ICイマジナリーセンチュリー百九十二年九月四十六日午後五時七分四十八秒。

 場所は新天神武テオディダクトス大陸サッカス地方北アンモ山アンモ集落。
 それはここで住む事を決めたザリアンとザレナス、そしてケロッタが築いた北アンモ山に石の家が二つある集落。そこには齢二十四にして四日目に成るルケラオス蜊蛄族の青年が齢七にして一の月と八日目に成る第十一子及び第十四子を肩車しながら齢三十六にして五日目に成るルケラオス蜊蛄族の老婆の元に向かっていた。
「重たいよん、二名共。もう父さんだってに辛いんだざぞん」
「なにがつらいもんか」
「いっつもママまかせなくせに」
「遅いわよん、ザリアン。全く私はざこんなにり腰がざ曲がらなくてに色々とん辛いのんにりあんたはざ二名をん担ぐだけでに根尽き果てようとんしてるねに」
「その割にりはざザッタとんザリガルとんザリーナをんおんぶしてるじゃないかざ、ザレナス」
 ザリアンとザレナスの間には凡そ五十八名もの子供を儲ける。一回目の産卵では二十六名の子を儲け、それぞれザッタ、ザリーナ、ザツダラ、ザットネル、ザリスニ、ザリオス、ザリアナ、ザテルセ、ザクロム、ザクロマ、ザクロマス、ザレン、ザック、ザッグ、サッグ、サット、ザット、ザリス二世、ザリス三世……名前を挙げたらキリがない程、二名は子を儲ける。しかも無事に全員育て上げた。
「辛いッケロ。どうしておいらにも子育てさせるんだッケロ」
 これだけの子だくさんをここまで育て上げたのも齢三十四にして十一の月と一日目に成るルケラオス蛙族の中年ケロッタ・ジネンダのお蔭でもある。
「仕方ないだざろん。僕達はざ三名しか居ない。それにり全員ちゃんとん育てないとんこのん過酷なざ環境をん生き延びる事はざ難しい。そうゆう点でにはざケロッタさんがざ居てくれて助かった」
 寿命が少しづつ減ってッケロ、もう五の年ほど縮んだッケロ--とケロッタは子育ての深刻さを吐露する。
 いや、ケロッタだけではない。寿命が縮んでると理解するのは二名も同意。それだけに子供というのは手若しくは足や鋏及び羽の掛かる存在。しかも五十八名ともなれば誰一名たりとも目を離す余裕もない。いや、既に目を離した隙に五名ほど姿を消す。
「あれ?」
「如何した、ザレナス?」
「ザツンテとんザリッケ、それにりザーラベはざ?」
「おい、三名はざ知ってる?」
「ツンテンはざおふろにりはいりにりいったよん」
「リッケちゃんはざラベーとんいっしょにりツンテンちゃんさがしにりいったっちゃざ」
「わかるのッケロ、みんなの区別ッケロ!」
「七のん年経ってもん君はざ子供のん区別のん仕方をん知らないのんねに」
 僕達がざ親だからってに言い訳でに誤魔化さないでによん、ケロッタさん--とザリアンは言うが、五十八名もの子供を他者が区別を付けようと試みるのは七の年以上経とうとも難しい物である。
 そんな訳で三名共五十五名を連れて第三十七子ザツンテと第四十一子ザリッケ、第四十二子ザーラベ探しに山を下りてゆく。集落故に住む範囲は其処まで広がってない現状がある。

 午後七時三分七秒。
 場所は北アンモ山標高成人体型五十五。
 マレのニカ湯と名付けられる温泉にて齢五にして十の月と五日目に成るルケラオス蜊蛄族の子供三名はそこで湯の掛け合いをしていた。すると突然、温泉は膨張。三名は何も知らずにそれを楽しんでいると突然、そこから河馬族の老年と熊族の中年が百獣型を噛み付きながら飛び出して来た!
「今ですグバア、クレッセの坊主グバア!」
「首の骨を折ってヤアルう!」
 鈍い音を立てながら二名と一体は先程出て来た温泉に落下。湯飛沫に驚くも三名は子供故に大喜びをする。
 湯から出て来た二名は百獣型を互いの口で噛みつきながら運んでゆく。それから三名の子供達よりも遠い場所に置くと直ぐに血を抜き、次に抜いた血を丁寧に隔離し、更には抜け殻の遺体を折り畳んでから地面を掘り始める。最後には抜いた血以外の銀河連合を其処に埋めてから火打石を探し、見つけるとそれで遺体を燃やす。それから燃え粕を掘り起こした土で覆い隠すように埋めた。それから二名は三名の子供を見つめる。
「あれグバア、この大陸に生命が住んでいたのグバア?」
「そんな筈はナアイ。俺が来た時は確かに存在シイテも居なかったぞ」
 じゃああの子供達は何なんグバア--と二名は互いに考え始める。
 考えが軌道に乗り始める前にザリアン、ザレナス、そしてケロッタが五十五名の子供を引き連れてマレのニカ湯に到着。
「コラ、ザツンテ、ザリッケ、ザーラベ! 勝手なざ行動をんするなざってに……ってに貴方達はざ!」
「その顔は……ザリアン君グバア、ザレナスちゃんグバア、それにケロッタ君じゃないグバア!」
「船長にカバオラさんが帰って来たッケロ!」
「という事はまさかこれは……遥か明日のテオディダクトス大陸だというのカア!」
 五名は再会の抱擁を交わした!
(まさか二度も時を超えるなんてグバア! そりゃああの子供達が居る事自体が不思議でもないグバア!)
「それにしてもえらい子供を作ったナア、二名共」
「助かったッケロ、船長ッケロ! この八の年もの間ッケロ、子育てに追われて死にそうだったッケロ!」
「子供をん作り過ぎたよん。ここをん出る為のん竜骨もん木材もん見つからない上にり趣味とんいうが趣味がざないかざらざずっとんザレナスとん濃厚なざ愛をん交わし合い続けてに気がざ付くんとこんなざ事にり成ってしまったざ」
「全く、年をん追う毎にりそのん傾向はざ薄らいでにいってもん止められないのんよねに」
 その度においらはあれだけの子供の面倒をさせられて大変だったッケロ--と過酷さを二名の前で大きな声で告白するケロッタ。
「ハッハッハア、そりゃあお盛んだネエ。そう思ってきタアラ今も生きてるかどうかわからんが、カミさんの事を考えたく成って来たゾオ!」
(二度もわしは時を越えてしまったグバア。良いよなあグバア、楽しみある者はグバア。わしには楽しみ一つさえもう何処にもないグバア)
「また何か落ち込んでるのカア?」
「そうだよん、何をん雌雌しい事考えるのん?」
「ザレナスのん言う通り、カバオラさんがざ時をん越えた事はざ仕方ないにりしてもんあの時のんカバオラさんのん行動がざ船長をんこうしてに助けたんですよん! 自信をん持って下さい! でないとん時をん越えた事にり意味をん見出せなくがなります!」
 そうは言ってもグバア--時間旅行の中で答えを見出せないカバオラはそう口にするしかなかった。
(わしはみんなと違って徐々にこの大陸の一部と化していくのかグバア? そうだとしたらこの大陸は一体グバア!)
 果たしてカバオラは時間旅行する定めから逃れる事が出来るのか? 或はそうせざる負えない因子を纏っているのか?

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR