FC2ブログ

一兆年の夜 第六十二話 天上天下唯我独尊(五)

 九月四十六日午前八時七分六秒。
 場所は北アンモ山。標高成人体型五十五。
 そこにあるのはマレのニカ湯と呼ばれし温泉。カバオラ一行は湯を楽しみ、そして会話し合う。
「グバア、救出作業中にこれを発見したんですグバア!」
「そうダア、ここはしみったれるテオディダクトス大陸に於ける観光名地に成るであろう貴重な温泉ダア」
「その発言はざ少し問題ありますが、クレッセ船長」
「そう言えばテオディダクトス大陸はざザリアンのん先祖ザリオ・ガニーダがざ発見した思い出深い大陸よんねに」
「ザリオの功績は素晴らしいッケロ。あの方やその子孫にしてザリアン君の父であるザリスも数々の発見をして今に至ったんですッケロ」
「そんなにり褒めてもん意味ないってに、ケロッタさん」
「それに比べてわしは……未だに兄さんの功績を引き摺ってばかりグバア」
「また下を向いてるナア、爺さんヨオ」
「いや、僕もん下をん向いてばかりです。カバオラさんばかりがざそう気持ちにり成る訳でにはざ……ってに泡?」
 いかん、今直ぐ湯から出ロォォォ--クレッセは叫ぶ!
 クレッセ以外の生命が湯から出ると突然何かがクレッセを引き摺り込んだ! その場に居たほぼ全員が銀河連合がやって来たのだと理解。
(わしは見たグバア! あれは百獣型……幾らクレッセの坊主が強くてもあいつを相手に勝てる訳がないグバア!)
 誰もがクレッセが引き摺り込まれるのをただ見てる中で一名だけこう号令を上げる!
「今のん内にりこの場をん脱出するんですウウウ!」
 ザリアンだった。彼はクレッセが何を言おうとしてるのかを理解し、そして行動に移す!
「えッケロ、でも船長が--」
「僕はざ船長のん言わんとんしてるが事をん代弁してるんだざああ! いいからざさっさとんこの場をん離れてくれに!」
 わかったわざ--ザレナスは彼の言う事に従ってケロッタを自らの背中に乗せた。
「まグバア、まだクレッセ船長は無事だと--」
「そんな事言ってる場合ですかざ、カバオラさん! 船長はざそんな事をん望んでいません!」
 ザリアンはカバオラの右後ろ脚を両鋏で引き摺り始める。それに対してカバオラはこう考える。
(ここで船長を助けないとわしは……わしはああグバア!)
 うわああ--蜊蛄族の体格では河馬族の巨体を引っ張り上げるに至らず、ザリアンは突き飛ばされる。
「やッケロ、止めろッケロ!」
「いいやグバア、わしも加勢しに行くグバアアア!」
 カバオラは湯の中に飛び込む。それは先程は言ったよりも深く、カバオラの立った状態での成人体型二でも深く潜らせる程にまで!
「カバオラさああああん!」
 ザリアンの叫びも空しく、クレッセもカバオラも湯の底より浮かび上がる事はなかった。
「どうするのん?」
「行こう、僕達はざやらなければざならないんだざろん? 救出作業だけにじゃなくが、この大陸のん調査とんいうが大きな課題をん果たす為にりもん」
「そうだッケロ。死んでいった仲間達の為にも果たしに行かねば成らないんだッケロ」
「ああ、だから僕達はざ暫く二名にりお別れするよん」
 あれ、その意味はざ--ザレナスはどうしてザリアンがそう口にしたのかを理解出来ない。
 その意味は後々明かされる。

 午後一時七分六秒。
 場所は標高成人体型七十五。
 そこでザリアンは涙を流す。何故なのか? 次の通りである。
「これを発見した時は急いで持って帰れば喜ぶんじゃないかって思ったッケロ」
「ううう、素晴らしい味だざわざ。こんなにり美味しい果物がざこの山にり生えてるなんてに」
「果物? いや、これはざ赤茄子とん同じでに野菜だざとん思います」
「確かに地面に生えてるから野菜という定義付けは正しいッケロ。でもこれは不思議なの事にルケラオスに複数持って帰ってルケラオスや若しくはエピクロで植えたら信じられない事が起こったんだッケロ。何と木が生えてそこからザリスモが出て来たんだッケロ。味わったら北アンモ山の地面に生えたのと同じ色と味だったッケロ」
「それでにこれはざ果物にり定義されたんだざよん、ザリアン」
 ううう、お父さんはざ何てに発見をんしてくれたんだよんおん--とザリスモの神秘性に感動して彼は美味しくいただいてゆくのであった。
「それにりしてもんここのん眺め」
「ああ、綺麗だざ。そろそろ君をん抱きたい」
「ええ、ザリアン」
 おーいッケロ、おいらの見えない所でやってくれッケロ--とケロッタの言葉を無視して二名は生物本来の交り合いを始めた。
「あーあッケロ、見てられない。これだから生物学ってのは好きじゃないッケロ。じゃないッケロ。でも……ここを無事に変える事出来るかなあッケロ」
 ケロッタの安心出来ない予言は的中し、三名は大陸から出るのに八の年も掛けてしまった……

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR