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一兆年の夜 第六十二話 天上天下唯我独尊(二)

 午前十一時四分七秒。
(仮眠は終わったグバア。全く船長があの坊やだから困るグバア)
「あ、起きましたねに」
「おおグバア、ザリアングバア。ところで周辺の調査はどれくらい進んでるグバア?」
「僕はざカバオラさんのん子守役ですのんでにそれにり関しましてはざあのん」ザリアンはカバオラの尻越しで周辺を警戒する齢十八にして四日目に成るルケラオス蜊蛄族の少女を右指節する。「ザレナスさんにり聞いて下さい」
「何恥ずかしがってるんグバア?」
 え、何--とザリアンはほんの少しその呟きを聞いただけで両鋏を開閉して音を鳴らし続ける。
「五月蠅い、ザリアン」と恥ずかしがって音を鳴らすザリアンに我慢出来ないのか、ザレナスは近付く。「銀河連合にり気付けなく成ったらどうが責任取るのん?」
「あ、い、やざ、やざ、まざ、まあざそんこん、そこでにはざちょちょっとんねに」
「はっきり言いなさい、雄でしょん!」
「無理だよん、僕にりそんなざ勇気なんかざ」
 じゃあ何でに危ない橋をん渡ろうってに思ったのん--とザレナスは彼に問う。
 それに対してザリアンは一旦深呼吸をする。それから両眼をまっすぐ伸ばしてこう答える。
「父さんがざ伝えたかった事をん知る為にり参加した!」
「あなたのん事はざ聞いたけにどん、そこまでにはっきり宣言されたらざちょっとん……お姉さん恥ずかしいわざ」
「いやあざ、それほどんでにもん」だが、ザリアンの性格はどちらかと言えば母親似だった。「僕だってえに、やれば出来るんだよおん」
「おだてられるとん直ぐ剥がれるわざねに……まあ良いけにどん」
 と二名の中はまんざらでもない様子。
(確かザレナスちゃんの祖父は名の知れた船内占い師だったグバア。彼女も祖父の無念を晴らす為に今回テオディダクトス大陸行きのザリス二号に乗り込んだんだグバア。全くあんなに若い生命が生き生きしてるというのにわしはこうして何一つ助言すら出来ないなんて悔しいグバア)
 カバオラは己の将来性の無さを悔やむ。彼はクレッセに見込まれたのに単純に十六の年より前にこの大陸で一生を終えたカバオルの弟という理由だから。そうゆう風にしか彼は物事を考える事が出来ない。常に勇気もなく、惰性で生きてきた己だからこそ。そんな彼の後ろ向きな姿勢に対して一言口にする生命あり。
「あのうが、ドドンドさん。いい歳なんだからざ顔をん上にり上げた方がざいいですよん!」
「僕もんザレナスさんとん同じ意見ですねに」
 こら、あたしがざ話してる時はざ口をん挟まないでにねに--とお姉さんぶるザレナス。
「済みません」
「まあ良いグバア、ザリアングバア。ザレナスちゃんは若いからこそそれを有効活用してわしを注意--」
「コっらあ、またそうやって歳を言い訳にするか!」
 調査に向かっていた一分隊は昼ご飯を食べに一旦戻ってきた。
「また後ろ向きに考えましたナア、カバオラの爺さんヨォ」
「それはいけませんリィ」
「そうッケロ。今回は土という安心出来ない曜日なのに安心して到着出来たんですッケロ」と齢十七にして十一の月に成ったばかりのルケラオス蛙族の少年は良く跳ねて断言。「今回は必ず成功するッケロ!」
「太鼓判を押されたナア。だからカバオラも顔を上げて突き進メエ。お前だったらやれるサァ!」
「敵わないグバア、みんなにはグバア。じゃあやってみるグバア、わしもグバア」
「大丈夫です、カバオラさん! 僕がざ必ずカバオラさんをん格好のん良い爺さんにりします!」
「グバア、ああ期待してグバア」
 二名は大きさを越えて硬い握足または握鋏する。
(勇気を以ってわしは兄さんの代わりを務められるグバア? ひょっとしたらわしはその弱気な性格でみんなを苦しめるのだろうグバア?)
 次から始まるのは二名の主役がこの大陸の謎に触れ、そしてこの謎に依って数の年も翻弄される物語。それは果たして良い終わりを迎えるのか? それとも前の物語と同じく悲しい終わりを迎えるのか?

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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