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一兆年の夜 第六十二話 天上天下唯我独尊(一)

 ICイマジナリーセンチュリー百八十八年三月五十一日午前二時七分四秒。

 場所は新天神武テオディダクトス大陸サッカス地方。
 その断崖にて成人体型縦三十、横十五、高さ二十一もの水力船ザリオ二世。その先端より齢二十八にして四の月と十一日目に成るエピクロ猿族の青年は猿族としては成人体型一とコンマ四もの猿族にしては巨体過ぎる肉体に依って全長成人体型二十もする鉄縄を放り投げて上手く引っ掛ける事に成功。彼はそれを結びに向こう側を慎重に渡ってゆく。
(サルーイは凄いよグバア。あんな安定性に安心出来ない鉄縄を少しも揺らす事なく渡るなんグバア。わしなんかとてもとても出来ない作業グバア)
 青年サルーイの作業の様子を見守る内の一名は齢四十にして一の月と六日目に成るルケラオス河馬族の老年で今回の主役を務めるカバオラ・ドドンド。彼は十六の年より前にこの大陸で果てたカバオルの弟。
「は何涎垂らしてさ見てんだみ、はカバオラさみ!」
「グバア、申し訳ありませんグバア!」
 は全くさみ--彼を注意するのは齢三十九にして十の月と三日目に成るエピクロ蟹族の蟹江ニカぞう……同じくこの大陸で果てたニカ土の兄に当たる。
「ここにり父さんがざ眠るんですねに」
「はおおうさみ、は仇討ちしたいさのかみ?」
「いえ、僕はざ知りたいのんです!」
 頼んだぞ、ザリアン--とニカ雑が期待を寄せるのは齢十六にして三日目に成るルケラオス蜊蛄ざりがに族の少年ザリアン・ガニータ……同じくこの大陸で果てたザリスの遺児であり、今回のもう一名の主役。
(そうグバア、ザリアン坊は亡き母の為にも父が遺した物を探したいんだグバア。それなのにわしなんか出来の良い兄さんと何時も比べられて流される形で今回の仕事を引き受けてしまったんグバア。何一つ定職に就く勇気もなくてグバア、何一つ出家する勇気もないわしがとうとう船長であるクレッセの坊やに圧される形でこう成ってしまったグバア。わしは--)
「オオイ、河馬のおっサアアアン! 何した向いてんダアヨ!」
「ウワアアアグバア、背中に乗らないでくれるグバア!」
「この俺が船長に成ったカアラには十六の年より前に悲しい出来事何か嬉しい出来事に様変わりだっゼェ!」
 はおいさみ、はクレッセ……まだ渡り切ってないんだからさ揺らすんじゃねえみ--とニカ雑に注意されるのは齢二十四にして六の月と六日目に成るルケラオス熊族のクレッセ・グリーズ……船長を務める若き青年。
「ニカ雑爺さんの言う通りイモォ、今回は訳あってヘラルドのお嬢ちゃんは結婚式の準備に追われていて無理だったんだリィ。だからこそ代わりに出家者で幼少の頃より親の仕事で海に詳しいお前に頼んだんだろうがイモォ」
「井本の坊ちゃんが何を言ってるカア」
 坊ちゃん言うなリィ--とそうゆう呼ばれ方を好まないのは齢二十五にして五の月と八日目に成るエピクロ井守族の青年井本モリてい……副船長を務め、十六の年より前に船と運命を共にしたモリ兄の甥にあたる。
「おおおおおっい、もう繋っぎ終えたぞおお!」
「グバア、サルーイが作業を終えましグバア」
「それじゃあ行くゾォ!」
 尚、ザリオ二世には一部を除いて十六の年より前に亡くなった船員達と繋がりのある者だけで構成される。何故そうゆう船員構成にしたのか? それは副船長モリ弟とザリスの遺児ザリアンの強い意向である。その為、カバオラを始めとして十六の年より前に深い想いのある者達だけがここで彼らの想いを取り戻しにこの天の上と天の下を神々でも銀河連合でも逆らって見せるテオディダクトスに挑戦するのだから……只一名の迷いの大きい生命を除いて。
(わしは良いのかグバア? 兄さんと違ってそんなこと全く考えにないような生命なのグバア)
「どうしたざんです、カバオラさん?」
「いやグバア、何でもないグバア」
「じゃあ行きましょうが。答えはざここでに見つかりますよん」
 だと良いけグバア--とやはり迷いが残るカバオラだった。

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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