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一兆年の夜 第六十一話 前門の虎、後門の狼(序)

 ICイマジナリーセンチュリー百八十四年三月四十四日午後十一時四十二分十三秒。

 場所は新天神武テオディダクトス大陸サッカス地方北アンモ山。
 それはルケラオス港より現時点で最速の船で渡って五日掛かる新大陸。ICイマジナリーセンチュリー百六十年五月七日に当時の探検家にしてルケラオス蜊蛄ざりがに族の実業家であるザリオ・ガニーダが遭難の末に発見。彼は命懸けでこの大陸へと進む航路を見つけ出し、新天神武全ての生命にその存在を示した。無論、新天神武だけでなく、真古式神武の生命にも既に周知される事実。そこでは他の大陸や地方では見かけない農作物を育てる事が可能。だが、一つだけ問題があった。それは一般生命が暮らすには余りにも土地が痩せており、それを成し遂げる為には作物の品種改良を進めないといけないという事。
 さて、詳しい話は次でするとしてここでは何があったのかを紹介しよう。ある生命が死を迎えようとしていた。
(ここにり銀河連合はざ居ない。先祖ザリオがざ見つけたこの大陸でに僕はざ果てようとんしている。ハハ、果てる前にり僕はざ思い出されつつある。ここでに何がざあったのんか……じゃなくてここにり来るまでのん心躍る場面やざその後、グブ!)
 蜊蛄族の流す血は海洋種族らしく異なる。吐き出す液体の色は赤く染まる事はない。けれども焼かれれば全身の筋肉は赤く染まる。それは蟹族や海老族とほぼ変わらない。それでも蜊蛄族も又、血は潤滑油。一定量流れれば死は免れない。いや、死んでもおかしくない程に弱まっていた。
(このん、ザリス・ガニーダのん心残りはざ……ルケラオスのん淡水でに幸せにり暮らしてる妻とん子供達をんこの目でに見れない事だろう。はあ、はあ、はあ、はあ……死ぬまでにりここまでのん流れをん思い出せる、か、なあ?)
 やがて視界は揺らめき、瞳が閉じられようとしていた。既にザリスの五感も限界が近付く。そのような限界の中でザリスは何かが近付くのを感じる。死に際に磨かれると言われる第六感が働いたのか? それとも……
(どっちみち僕はざ死ぬ。ならばざせめて、銀河連合にり食べられてしまえばざ……良いじゃないかざ)
 やがてそれはザリス目掛け口を大きく広げる。広げ終わると勢いよくそれはザリスを呑み込まんと迫って--

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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