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一兆年の夜 第六十話 犬猿の仲(三)

 午前十時二十八分三秒。
 銀河連合獅子型はあっという間に横這いを走っていたフク寿郎を丸呑みし、骨だけ吐き出した!
 ウワアアアアアア--チーチェンジェは歴代参加者のフク寿郎が獅子型に依ってあっさり食べられた事に思わず悲鳴を上げてしまう!
「よくにょあの梟さんを!」ニャギルネは跳び掛かる。「例え脱落に成ってもお前だけにゃ--」
 ところが猫族とし士族の隊格差には技術では埋められない差があるように獅子型にもそれが当て嵌まり、やがては右前脚一本でニャギルネの顔面越しに肉体を吹っ飛ばした。その際、彼女は受け身が間に合わなかった為に体制の良くない状態で頭を打って首から下の神経を断裂! 後に命を取り留めた物の二度と起き上がれない体と成ってしまった!
「ニャギルネガアス! 貴様アアス!」
 走りなど関係なしにタイガーダイバズは獅子型に向かってゆく。それから脱落の決まりである足を止めて獅子型を抑え付けた!
 タイガーダイバズ--と加勢しにチーチェンジェは駆け付ける。
 だが、タイガーダイバズは後ろ左足でチーチェンジェを近付けないようにした! そう、命を懸けても道を譲ったのであった!
「コラアアス、ここは俺に任せてお前は向こう側を突っ走る奴らの所まで向かエエス!」
 で、でも--の跡に何か答えようとするチーチェンジェ。
「でももそれもなアアイ! 俺の分まで勝ちに行けと示してるんだアアス! だからここは俺達に任せて--」
「そう、だ! ここは、我々、副審と、脱落者共、が--」
「ぜエエ、ぜエエ、俺達に任せロロ!」
「はあッツ、はあッツ、銀河連合を倒す為に脱落させてなるものかッツ!」
「そうゆう事ーだ!」
 みんな……済まない--と涙を堪えてチーチェンジェは走りを続行!
 チーチェンジェが去ってから五の分の後、獅子型は倒れた。だが、同じような銀河連合が十体ほど土を盛り返して出現。一瞬にして彼らは危機に立たされる事に!
「では、タイガーダイバズ、選手は、先に走って、下さいだ!」
「何を言うかアアス! 足を止めたんだぞオオス! それじゃあ真面目に走ってる奴等に礼を失するウウス。ここは脱落扱いにしてさっさと穢れ払い走りの妨げに成る銀河連合の討伐に当たろうぞオオス!」
「はあッツ、はあッツ、でもこの数を相手にするのはッツ、命を懸けるに等しいッツ」
「そうなりますーね。だからこそ仕方なく足を止めてしまったタイガーダイバズ君は走りを再開しても--」
「良くなイイス。何度も言うが真面目に走る奴らに礼を失するウウス」
「全クク、ハアハア、これだかララ」
「そうゆう訳でいざ参るウウス!」

 午後十一時零分三秒。
 第一関門である弓八ゆみは坂。そこは若くして遠征に参加した天同弓八が初めて指揮を執った坂。というよりも生前彼女は自慢話の材料にする為に名付けた急斜面の坂。空中種族にとってこの坂こそ絶好の追い抜き道。だが、陸上種族にとっては第一の難関に相応しい程に斜面は急激である。角度は最大で七十五度にも成る。半端な脚力では転がる角度である。これもまた穢れ払い走りが単純な速度で優勝が狙えない理由の一つである。更には持久力だけでは優勝は狙えない主な理由にも繋がる。その斜面を登り切る脚力と体力がないと脱落してしまうのである。
 さて、別名心臓破りの坂と呼ばれし弓八坂に到達したチーチェンジェはそこで若干配分を上げる。理由は次の考えから来る。
 出来るだけ速めに上り切らないと体力を大きく削がれるしね--坂道では半端な速度で登る方がより体力を削るが為である。
 それじゃあ改めてチーチェンジェと同じく坂道を上る五名を紹介しよう。最初は齢二十二にして八の月と十五日目に成るエウク燕族の木戸デュー八十。初出場にして尚且つ予備知識なしに上位陣として飛んでゆく飛翔の天才。しかも高さ成人体型五という決まりがありながらもそれを利用して成人体型二から三の間で飛ぶという荒業を成し遂げる。但し、配分に関しては余り得意でないせいか序盤から速度を上げ過ぎて現在は一方的に下がる模様。
 二名目は齢二十五にして八の月と十六日目に成るテレス蟻族のダドルダ・ジニン。歴代最小出場者にして今回で上位陣まで上り詰めた努力家。だが、流石に体格差の問題もあって心臓破りで有名な第一関門の弓八坂で息が大きく荒く成るのが確認される。それだけではない。彼は既に水を求めるような眼をし、既に限界を露にする。
 三名目は齢十七にして八の月と十四日目に成る初出場にして歴代最年少出場者であるエピクロ鼠族のフランチュルノ・ドヴェルス。勿論雄である。彼の配分は絶妙でチーチェンジェと同じくこの坂に関しては少し配分を上げて素早く上り切ろうと画策する。
 四名目は齢二十歳にして七の月と十三日目に成るこちらも初出場の武内駱駝族のラークドルダ。最高速度こそ恐らく参加者の中では下から数える方が早いだろう。それでも配分は絶妙で特に脚力に自信のある駱駝族にとって坂道は追い抜き道。当然、ラークドルダにしてみればここで配分を上げなくて何処で上げるのかと言ってしまう程に配分を高める。
 最後は齢三十八にして九の月と十二日目に成るクレイトス獅子族のジャンボッド・ベアケット。二十歳の頃から参加し、常に上位を保つ獅子。だが、彼にとっては優勝する事に興味はない。上位だったのも結果であり、常に鍛錬する為に参加。今回も優勝する気は傍からない。なのに上位を狙えるのは単純に彼が持久走の才能が秀でるが為である。
 この関門では難所はこの急斜面の坂道だが、厄介なのはジャンボッド--とチーチェンジェはジャンボッドの底知れない配分に恐れ戦く。
 では視点をチーチェンジェから戦闘を突っ走る三名に移そう。現在一番足はピタゴラ・プーティー。歴代のプーティー族の名前に圧されない走りで二番足との差を成人体型三まで離す。
 それを追うは二番足のゴーリデルル。まだまだ余裕の表情を見せる。
 ゴーリデルルのほぼ横ばいで走るは齢二十五にして八の月と十一日目に成る既に六影鬼族と成った元神武鬼族のヤマビコノドノルダル。彼は初出場なのに闇馬と呼ばれる程の走りで他の出場者に恐れを抱かせる程の底知れなさ。
 さて、上位三名は既に十五とご森へと入る。その森について後程説明する。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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