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一兆年の夜 第五十九話 最強の矛と最強の盾(一)

 ICイマジナリーセンチュリー百八十年三月六日午前十時二十八分四秒。

 場所は新天神武首都ボルティーニ第五東北地区。
 そこで三番目に大きな建物にて齢二十九にして八の月と十一日目に成るエピクロ犀族の青年は毎週月の曜日に行われる小鳥体操を今更していた。
(小鳥体操は毎週の日課じゃあい。こうして角を鍛えい、来るべき最強の盾を打ち砕く為に欠かさずやるんだあい。あの新天神武国軍が苦しめられた矛盾山の防壁型銀河連合の分厚い甲羅を打ち抜く為の角をなあい)
 彼の名前は藤原サイ銅。エピクロ犀族に帰化した元藤原犀族。その後、懸賞金目当てに新天神武国軍が配っている防壁型銀河連合を倒して一生遊んで暮らす金を手に入れる為に新天神武に移住。何れは神武犀族に代わる予定の渡り犀。
 因みに他の二つも説明しよう。小鳥体操とは新天神武にあるルケラオス県にてスマータ歌劇団(ICイマジナリーセンチュリー百七十五年二月十五日にルケラオス鶯族のウグイ・スマータを団長とした空中種族だけで集めた音楽団が中心と成って結成された芸能団体)の宣伝に依って新天神武どころか隣の新古式神武にまで広がった音楽体操。初代段町のウグイが当時高齢の四十六歳もあって健康体操を目指した歌に合わせて体を動かす画期的な大層だったが、何時しか全世代からの高い支持を受けて爆発的に流行し、既に月の曜日の朝に欠かせない体操として定着した。尚、この体操の良くない部分は歌い手が居ないと始まらない事。故にスマータ歌劇団やそれに影響して結成された音楽団体がその地域に来ないと月の曜日でも始まる事はない。
 二つ目は曜日。これはICイマジナリーセンチュリー百七十二年五月十一日にて新天神武の暦研究者だったダインズ・ボルティーニが暦を正確に表す為に取り入れた制度。これは七の曜日に分かれる。先ず今日の月の曜日。昨日の日の曜日。明日の火の曜日。明後日の水の曜日。明々後日の木の曜日。四の日より後の金の曜日。一昨日の土の曜日の合計七曜日で構成される。それぞれスサノヲ太陽系にある七つの星の名前から因んでいる。これに依り、仕事する日、休む日を明確に表せるようになった反面は日の曜日に仕事したい一般生命からは余り好ましく思われていない。無論、今回の主人公であるサイ銅も日の曜日に休む事を好まない。
(昔々にダインズが曜日設定さえ持ち出さなければ俺は鍛錬を休む事も無かろうにい。あいつには心底ぬぐえない感情があるうい!)
 尚、小鳥体操は正午より一の時より前に終わる。歌を終えた空中種族達はそれぞれの持ち場へと戻り、第三東北地区は何時も通り物静かな所へと戻ってゆく。
(何時もここは一般生命の数が少ないから満足に独り言も呟けなあい。まあい、いい。俺はあの防壁型銀河連合さえ倒して一生遊んで暮らせる金を貰ったらここを離れて新古式神武へと移り住むんだしなあい)
 尚、サイ銅の話を正確に捉えると新天神武の現在は賑やかではない。それもまた第三東北地区が静まり返る証拠。いやここだけではない。新天神武全土で賑やかさは何処かへと去ってゆき、残るのは物が売れずに尚且つ生活費を稼ぐのも精一杯な希望を抱けない生命で溢れる。幾ら小鳥体操で元気づけようとも賑やかの去った新天神武全土を活気づけるには少々物足りない。誰もが希望を抱く何かを求める。機体はしないが、求めだし始める。
(外は二十三の年より前に起こった泡の飛散に依って誰も彼もが今を生きる事に後ろ向きだい。どうして俺が新天地目指してここへ移り住んだのに誰も彼もが死者のような眼をするんだい。絶対にあいつを倒したらこんな悲観的な国何か去って新古式神武で遊んで暮らしてやるからなあい!)
 とはいえ、防壁型銀河連合は未だ打ち砕くのが叶わない銀河連合。新天神武政府は新古式神武より救援を申し入れてそれを撃ち砕こうと画策する。その前にサイ銅は倒さねば成らない。でないと懸賞金は別の所に流れてしまう。
(全く腰砕けた政府に代わって俺があいつを倒しに矛盾山を登るぞおい!)
 藤原サイ銅は二十七の年より前に発生した大噴火で隆起し、誕生した新山目指してタレス山の直ぐ西を目指して出発。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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