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格付けの旅 一般市民街にて休息 戦いの休息は彼らにとって忙殺と変わらない

 明日への栄光……それはとある架空映画。メガゾーン23やバブルガムクライシスといったオリジナルビデオアニメや振り返れば奴が居たや男女七人夏物語を始めとした古き良きドラマ達を参考にして作られた一般市民街一の人気映画。
(さて、俺はその映画を見てふと過去を思い出す。俺がまだ弱かった時でもあって新鮮な気分に成る。弱かった俺は何としても誰が見ても叶わない魔法使いに成る為にあらゆる秘法を学んだ。勿論、格付け師としてあらゆる事柄を調べる事は怠らなかったさ。でもな、でもな。でもなあ、そんな俺でもこの映画だけは心に沁みる何かがある。何だろうなあ、これは。ノスタルジックに浸ったのか? だとするなら俺は一体何者だ?)
 さて、デュアンは久方ぶりに哲学について考える。彼にとっての人生哲学は常に情報を際限なく追い求める事にある。格付け師に成ったのもその情報を追い掛ける為。その一方で知ってはいけない情報にも多々触れて来た。それがワイズマンやノイズンといった己の宿敵たちを呼び寄せる事に成ったが時既に遅し。
(欠番の正体がある程度何なのかも俺は知ってる。俺達が何の為に『マザーシステム』によって選ばれるのかも知ってる。けれども俺は……これだけはまだ破く必要がある)
 そしてデュアンは禁忌に至る紙を破り捨てた。
(今はまだその時ではない。禁呪への切符はまだ早い。俺にはこれから待っているであろう『バランスブレイカー』とやらに少しだけ参戦しないといけない。そこで俺と同じ神才共がどれだけ現状を理解してるのかも知りたい訳だ。だがまあその参戦をする前にどうしてもQクインシーや『羅刹天帝』という目の上たん瘤をどうにかしないといけないな)
 羅刹天帝……それは全生命体の敵に属するマイオスが興した修羅拳とは別の方向で仏教思想を突き詰めた存在。常に釈迦と盟友関係だったマイオスとは違い、そいつは対立関係にある。釈迦の死後はマイオス自身は彼の教義を利用して自らに都合の良い解釈をする事で弟子達と対立を起こしたのに対して奴は釈迦の教義を利用し、更には自身こそ真の仏だと主張。釈迦の忠実な弟子達からは羅刹天帝という汚名を着せられるが、奴にとっては自身を真の仏だと<名乗る。全く以って図々しいにも程があるだろう。だが、実力者としてはかなり上に位置し、実質マイオスとタメを張れる存在。まあどっちも滅んで欲しいと俺は思うがな。
「コラ、映画を見る時は静かにしなさい!」
 へいへい--とデュアンは反省の色がない返事をする。
 映画はかの冬が厳しい事で知られる国と同じような上映時間を有し、特に明日への栄光は基本労働時間よりも二時間長い十時間。それを最後まで見続けるのは拷問に等しい。それだけでなく、この映画にはサブリミナルをふんだんに使い、より退屈な映画へと変貌させる。その為、十時間見続けた物はまるで一生分を見てるような感覚に陥る。故にミサキは僅か二時間視聴しただけで退場したのである。
(サブリミナルに依る刷り込みに一種の黒魔術を仕込み、更には龍道特有の演算でまるでこちらの思考を思い通りに誘導するこの映画は最大級に……苦痛であり、細かな内容まで確認する気が失せる。そうか、これが『洗脳映像』という訳か!)
 洗脳映像……それは相手を洗脳する為に作られる映像の事。その手法は単純でサブリミナルなどという仕込みをせずとも相手を思う通りに気分悪くさせる事が可能。要はこっくりさんと呼ばれる怪奇現象を駆使するだけ。つまり一点に集中させて無理矢理脳内への干渉を働きかけて最後は傀儡にさせる。何、通常の洗脳は一般的な催眠術さえ分かれば楽に可能なのだよ。まあ上級者に成ると基本的な催眠術だけでは足らず、サブリミナルなどありとあらゆる手法を駆使して相手を下してゆくんだからな。
 デュアンは己の中にある禁呪魔法を駆使する事で洗脳映像から何とか脱した。だが、問題はここからである。映画館から出ると早速切符売りが具体的な感想を尋ねる。ここで「楽しかった」や「最高に面白かった」という安易な答えをすれば待ってるのは再度視聴させられるという地獄。それから仮に長文でも「さんま役の水野が古畑役の田村にリベンジする所は最高に盛り上がる場面だね。それからアリとキリギリスがイチローを本気で逮捕する瞬間は最高に気分良いね」などという頓珍漢極まる物なら即再視聴。感想は具体性あって制限字数程度でなければいけない。ところがデュアンは面倒臭がり屋なのか、次のような答えを出した。
「視聴僅か十分で帰りたくなった。あれは本気で駄作だ。一時間の駄作なら耐えられるけど、それが十倍の十時間程度と成れば死んだ方がマシだと思ったな。後は雲をあんな物で突き破るとか……白いのか或は黒い方でやれ」
「君、また見て来なさい」
 例え辛くてもちゃんとした論評でないと帰られないのだ。
(ふざけるなよ、この映画館! 何で途中退席した奴らは何も聞かなくて最後まで見た俺達だけこんな理不尽な目に遭うんだよ! また十時間を耐えろというのか、あんな洗脳映画に! 昔見た『賢者映画』を思い出してしまうじゃないか!)
 賢者映画……詳しくは青魔法の章で。

 何時までも映画館の話をしてる場合ではない。やっとの思いで映画館を出たデュアンの前にQクインシーは待ち構えていた。
「待ってたぞ、一週間も!」
「辛かった。俺としてはまるで三百四十年ぶりの気分だ」
「正義の味方はこうして貴様を倒す為に参上仕った!」
「そろそろ終わらせようか。青い方が待ってる」
「メタフィクションな事を口にするようだが、貴様を倒せばこれは終わる」
「それじゃあ--」
 そこに居たかあああ、二本足イイイイ--二か月ぶりにアルッパーはデュアンの前に姿を現 した!
「待て、鯨!」
 あれはシグマタイソンアリ--とデュアンはアルッパーが逃げてる対象を直ぐにそれだと気付く。
「お前がかの有名な格付け師か」
「そちらはシグマタイソンアリ……正義の邪魔をするならぶち殺す」
「どうでも良い。兎に角、手を貸せQクインシー」
「ハートキャッチムキキュアだ!」
 突然口喧嘩を始めた二体の悪。どうやらQクインシーと呼ばれる事に当の悪党は不満を漏らした様子。その喧嘩はやがて物理的な領域へと切り替わり、そして……一般市民達は一般フランス革命の如く一般バスチーユ牢獄を襲撃するかのように二体の悪等に向けて牙を剥けてきた。
 これに対してデュアンとアルッパーは早速この街から出る事を決意。
「という訳で戯れ合いはここまでにして行くぞ、アルッパー」
 俺に指図するんじゃねえ--とアルッパーは納得いかない様子だった。
「何か忘れてるけど、まあ良いわ。二体の悪を倒すには一般市民の力が必要みたいね。つまりもうここに」ミサキは遠目から一般市民達の様子を窺う。「用はねえわけだぜ!」
「そうゆう事ですね」何時の間にかミサキと行動を共にする背流須三。「セールスマンは次の獲物を求めてこのイカレた街を去りましょう」
「全く大衆とは何と無知で浅はかで尚且つ救い難い存在だと思うかわかるだろう」
「そうだね。今日の買い物の為だけにスーパーにわざわざ最後尾に並んでひたすら待ち続ける訳だからね。目当てはネギと安売りの不味い豆腐というだけで。そんでその不味い豆腐は腐らせる事も考えずに十パックも買ってしまうんだから--」
 もっと不明なのは突然現れたコムナオ君と無駄君。彼らは何の為に現れ、何の為に誕生したのかがわからない。

(えっとここだな……それ)
 とある箇所に極限魔法で穴を開けたデュアン。それからアルッパーと共に脱け出す。
「これでやっと話が進むんか」
「いや何時も通り進まんだろう。何せ作者はネタ切れだし」
 一言多いぞ、デュアン。

 こうしてデュアンとアルッパーは右村河内に飛ばされる前の宇宙へと戻る。するとそこに徘徊するマーメイドが一柱。彼女には二体も見覚えがあった。
「お前はリディア!」
「大変ですの、デュアンさんにアルッパーさん!」
「知るかよ、俺に助けを乞う気か!」
「二人……いえ二体でないとあれはどうしようもありません!」
「誰がお前ん所の大宇宙に現れたんだ?」
 それが……『破壊の宴』というの--その名前を聞いて誰よりも驚きを隠せないのは……意外な存在であった!
「ま、ま、待ってくれえええ! 俺は冗談が好きじゃないんだぞおお!」
「如何したアルッパー? 『破壊の宴』に何かトラウマでも与えられたのか?」
「だ、だ、誰があんなのと戦うかよおおおお!」
 そう言ってアルッパーはホワイトホエールで空間突破して別の大宇宙へと逃げて行った!
「アルッパーさんがあれだけ恐がるのは一体どうしてでしょうか?」
「いや、俺も正直奴に対して恐怖を抱かないってのは嘘に成る」それは本当であり、事実としてデュアンの表情は真っ青その物。「そんなのがアンデルセル大宇宙に現れたというのか!」
「私の力はまるでお手玉のように遊ばれて無理なの」
「クソウ、あいつは仕留めたって風の便りで聞いたのに……それが嘘だったのか! そもそも俺でやれるのかよ!」
「デュアンさんも顔色悪いのね。自信ないの?」
「いや、実物を確認しないだけの俺が恐れる理由はない。只まあ、俺はな」直感が大音量で告げてもデュアンは震える両手を握り拳にする。「弱気にしたい俺に言い聞かせていたんだ……良いだろう、リディア」
「あ、有難う御座います!」
 こうしてデュアンはリディアと共にアンデルセル大宇宙へと誘われてゆく。待つのは蹂躙を何よりも楽しむ『破壊の宴』だと知っても……


 赤魔法03 一般市民街にて休息 END

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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