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一兆年の夜 第五十五話 再誕の火 日は火を呼び寄せる(一)

 ICイマジナリーセンチュリー百七十二年二月六日午前十一時五十五分五十八秒。

 場所は古式神武首都タイガーフェスティ県旧真鍋傭兵団首都支部。
 古式神武軍と真鍋傭兵団古式神武連合は一つに成った。同じく新天神武も真鍋傭兵団新天神武連合は一つに成った。
 ここでは主に古式神武の事柄だけを紹介する。一つに成る事で旧真鍋傭兵団首都支部は元の中央官邸へと戻った。会議を開くのは四の年より前に当時の支部長である故藤原クマ玄と話し合った五階支部長室。そこは会社の社長室程度でしかない部屋で会議をする物だから十一名を入れるのには余りにも狭い間取り。体格の小さい者達なら問題はないだろう。逆の場合だと苦労する。特に故・藤原クマ玄を始めとした熊族は体格の大きさ故に何度も滑り戸式を頼み込むほど。だが、それは構造上の問題により断念。それだけに支部長で尚且つ体格の大きい者達にとっては死に活動的な問題である。と初っ端から新中央官邸の一部を紹介した。
 それじゃあ会議の話に移る。とはいえ、会議は九時ちょうどに始まり、正午前に無事終了。遠すぎる過去であろうともそこは公務員。会議に時間をかけるほど暇ではない。特に遠すぎる過去の生命体は皆、机上の空論よりも実際に立ち合って知識を得る事の方がより重要だと考える生命が多い。故に会議ではどのように攻めてゆくかを皆で議論し合い、集合知を築いた後は直ぐに行動に移して実地調査と侵攻の両方を遂行する事で奪還してゆくしかない。なので会議に三の時も四の時も掛けては先に想念の海に旅立った多くの生命に対して申し訳がない。神々にだって同頭を上げきっていれば良いかもわからない。
 さて、会議室から出る青年に注目しよう。齢二十五にして四の月と十日目に成る神武人族の青年は溜息を吐く。
(はあ、長かった。マルータの死は無駄に成らなかった。ようやく俺とお前が果たそうとしていた真正神武の奪還が始まる。七弓なゆみは第二子の出産を控えてる。今度こそ雄の子であって欲しいが、今は彼女の心配をしてる暇は--)
 どうしたんダアイ、斬弥きるみ様--声を掛けるのは同じく会議室から出るのは齢三十五にして九の月と八日目に成る藤原熊族の老年藤原クマ彦。
「あんたは確か--」
「さっき議論を戦わせた相手の名前を忘れましタカア? クマ彦ですヨオ。クマ玄兄サアンの年の離れた弟の」
「ああ、クマ彦だったか。期待してるぞ、君の活躍を」
「それは良いデエスが、気を付けて下サアイ」
「また議論か、もうしただろ」
「異なりマアス。忠告ですナア、幾ら情報を聞いてみてもいざ其処に足を踏み入れレエバ銀河連合の都合が支配する極限の大地。我々はそこで油を断ち切る訳にはゆきまセエン」
 だろうな--と斬弥も机上の空論と実際の状況に大きな隔たりがある事を理解するつもりで居た。
(マルータもそれを経験したからこそ死ぬまでそれに魘されていたと従兄弟のマルミは言ってたんだな)
 因みにマルミはマルータの後を継いで斬弥の付き者に成った物の両親の方針に従って二の日より前に良家に嫁いだ。その為、彼女の後を継いで付き者に成ったのは--
「ここに居っましたか、斬弥様あっち」齢二十六にして一の月と十二日目に成るタゴラス鶏族の禾野コケ都留。「七弓様の容体っがあああ!」
 何だって--まだまだ遠征まで時間は掛かる模様。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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