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一兆年の夜 第九話 大地は枯れて、生命は活力を失う(二)

 九月五十八日午後九時零分十秒。
 場所は西物部大陸ユークリッド地方キュプロ町中央地区慰霊場。
 五十四日の戦いで犠牲になった生命および彼のモノ併せて約四千五百未満への
葬儀が行われた!
 会場にいる物の五分の四が涙を流しながら別れを偲んだ。残りのモノ達は悲しみをこらえるか、或いは怒りそのものを抑えようと必死であった。
 勿論新妻と共にここで追悼した真島ギャラッ都は怒りその者を抑えようと自分に言い聞かせた!
(メルデリエがあ涙を流しいてるといううのに俺はあどうしてえ赤いモノを出さあなければあいけなあい! 彼のおモノ共があそこまで足るる程に怒りたあいのか! そうではあないはずずだ! 良くないいことだ! 悲しまあなければいけないってのに!
 俺は罪深あい! 穢れえに満ちているる! これで神々にい何と説明すうる! 
どうし--)
「ギャラ君! グス、無理しいなくてえ良いのよよ!
 あたいがあ好きなあだけえ聞いてやるうから……」
「ご、ごめんんよメル!」
 齢二十七にして九の月と十二日目になるギャラッ都の新妻メルデリエのお陰で
ギャラッ都は自らの怒りから我を取り戻した。
(そ、そううだ! 俺達がここおに足を運んだあのは死いんでいった者達いにいつかあ必ずエウク町を取りり戻すことおを誓うためえなんだよお! でなあければあ死んだあ者、死なれえた者の供養はあ果たせないい! 我々生命のお魂いは奪われれたあままあ前へえ進めなあい! 何より俺のお先祖代々いから続くく誇りを取りり戻せなくなるる! 俺はその為えに今を生きいる! 今を戦あっているうんだよ!)
 ギャラッ都はそう心の中で誓い、そして--
(だからあどうかあ安心しいて眠ってえくれ! 安心してえ我々生きるる者達をお
見守ってえくれ! 俺達いはたくさあん涙を流しいて大地に潤いいを与えねばあならない! 与えねえば……)
 ギャラッ都は目をつむりながらとうとう涙を流した! 彼に続くように堪えていた
者達は次々と涙を流していく! 枯れた大地に生命を与えるかのように涙は慰霊場を濡らしていく!
「オオオオオオオオオ!」
 ギャラッ都はとうとう声を出して泣いた! 
 その日のキュプロ町は住民の涙で包まれていた!
 そして明日になると彼等は町の北東地区三番地にある墓場に犠牲者達を一日かけて埋葬し、その上に大きな墓石を建てた!
 戦いの悲劇を忘れないため、生命が今も自分達の中で生き続けることを忘れないため。



 しかし、彼等は気付いていなかった!
 墓を建てた場所の土が徐々にではあるが、ゆっくりと枯れていくのを!
 死んだ生命と共に彼のモノ達を埋葬したことが後に生命の循環を妨げようとは、
この時まだ誰も理解出来なかった……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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