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一兆年の夜 第五十四話 再誕の火 男女は運命に導かれて(四)

 一月三十四日午後十一時ニ十分六秒。
 場所は古式神武第二北西外郭地区。それは古式神武第八代象徴を務めた天同水希みずきの時代に他国を通る道以外を全て高さ成人体型大体五の垣根を築き、来るべき銀河連合による双方向からの奇襲に備える事が可能な外郭。もしも完成すれば空と地中以外は銀河連合による襲撃を防ぐ事が可能。
 だが、その外郭は水希の死後数の年より後のこの時代に成っても感性の目途は立たない。それどころか未だに建設途上があちこちに散在。予算の都合や時代の潮流に合わせて水木が構想した物とは大きく変貌し、当初の予定を大幅に遅れて後百二十五の年より後に完成する模様。
 そんな外郭も今日の朝に天同七弓の演説を以って更に延長する模様。果たして無事完成するのか?
 さて、説明はこのくらいにして第二北西外郭にて十五名ほどの軍者達は首脳陣の軍縮に困り果ててる模様。その内容を紹介してゆこう。
「真正神武が喰われぶってのは聞いてっよなあ?」
「アア、銀河連合に依る流れ星戦法は未だ俺達が課題トスル」
「この鬼族乃わし様牙掛かれば何斗科なっだろ?」
「どうだろうね。君のこん棒が折れ曲がったらどうしようもないね」
「といわれるか要員を増やされろよ。何時まで睡眠不足を経験されねば成られないか」
「無理無ー理。あいつらはすっかーり厭戦気分でー一杯だ」
「戦いは良くにゃいにぇ。戦いの無い日々が一番にゃ」
 彼らもまた、戦いを好まない。元来全生命体は戦いを好まない性質を持つ。だが、古式神武全体でいえばその傾向は圧倒的多数を占める。故に軍者内でも戦いから離れようと考えて自ら辞職届を出す物まで出る始末。しかもそれを思い留まらせるように説得する上司はほとんど居ない。上司達も既に戦いの無い世界を夢見ていた。それくらいに古式神武では軍者も含めて厭戦気分で満たされる。
 だが、そんな気分さえも思い通りに動かすモノ達が居る。銀河連合である。奴等は彼らの話に乗じて既に垣根を上り、居眠りしていた猿族の雄の頭から喰らった。
「お、オイ……サル造ガ!」
「ぎ、ぎ、銀河連合ーだあああ!」
「望遠刀ハ? 鋭棒ハ?」
「宿舎に置いにぇ--」
「ウワアアアあ、襲い掛かられたあああ!」
「にね、逃げろねえええ--」
 厭戦気分は時として緊急事態への備えを怠る。彼らは僅か三の分と五十一秒の後に侵入してきた銀河連合三体の腹の中に納まった。残ったのは彼らだった血の付いた骸骨。銀河連合は喰うだけでは飽き足らずに何と彼らだった骨で遊び出した。その様は死んでいった者達への経緯もなければ尚且つ絆を深めるという全生命体としては当たり前の行為すらない。途中で三体それぞれが喧嘩するという見るに堪えない光景さえ起こる程。
「あわわわね、様子を見ていたらとんでもない現場に鉢合わせたね」
 齢二十九にして三の月と七日目に成るルケラオス鴨族の青年はそれを目撃すると一目散に近くの宿泊所まで飛んでゆく。途中で空から襲い掛かる銀河連合に依って危うく右翼をもがれそうに成っても彼は紙一重でそれを防いでゆく。
「追手がね、来たねええ!」
 彼は命からがら安全圏へと脱出し、その旨を上司に報告してゆく……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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