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一兆年の夜 第五十四話 再誕の火 男女は運命に導かれて(序)

 さて、斬弥きるみ七弓なゆみは再会した。二名はそれぞれの約束を忘れずにお互いを確かめ合った。確かめ合ったと言っても別に恥ずかしい事じゃない。只のお喋りでもあるのさ。そんなお喋りではあるけど、一応重要な事柄も伝えてくれた。真正神武は確かに仁徳島から六影県まで銀河連合の支配下に置かれた。但し、大陸藤原までは至ってない。いや、確認しようもない事ではあるが七弓は死者からの情報を基に古式神武首脳陣に伝えた。
 それに依ると七弓の先祖十刀ととうの兄十刃とばの治世下で大陸藤原の先を開拓した軍団の生き残りから判明した事実ではあるが、あの大陸にはまだ銀河連合でも御し切れない土地があるとの事。其処にこそ新たな秘境があるとの噂が絶えない。故にそこまで至ってないと真正神武首脳陣は判断した。
 だが、秘境があるとの噂程度では銀河連合が何時までも手古摺ってる筈もない。何れは神秘性さえ乗っ取られて銀河連合独自の御都合主義で支配されるのも目に見える。かつての極冠の地のように多くの軍者達を苦しめたあのご都合主義が向こうでも起こらない保証はない。
 それでもかつては全生命体が共有する大地。先に食われてしまった六影県から仁徳島も含めて奪還しなくてはいけない。だが、真正神武を我が物にした銀河連合はここぞとばかりに近くにあるタイガーフェスティ県まで触手を伸ばす。その進行速度は平和に呆けてしまった古式神武首脳陣の腰の重い対応を慌てふためかせるに十分。斬弥ら強硬派の一団は今の制度上自分達の声が届かない所にも嘆くばかり。
 今回の真正神武最後の最高官であった七弓の亡命を受けて流石に腰の重い首脳陣もそろそろ機敏に成るのではないかとの期待があった。今にもタイガーフェスティ県内部で真正神武からやって来た銀河連合に依って多くの生命が命を落としてる現状を知れば幾ら力の行使に躊躇する首脳陣も腰を軽くするのではないかとの期待があった。彼らの死を重く受け止める事が出来る全生命体ならば。
 そんな願いは……やはり優し過ぎる性根から来る精神を軽く見たせいで無残にも打ち砕かれるとは!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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