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一兆年の夜 第五十三話 再誕の火 真正神武最後の最高官(七)

 ICイマジナリーセンチュリー百七十一年一月三十日午前八時十八分五十二秒。

 場所は古式神武中央地区。
 その中で真ん中より五番目に小さな建物にて七弓は待つ。彼女は真正神武で貴重な生き残りとして、そして雌として肌を整える為にある美容集団を待っていた。
「遅いわね」
 さて、七弓は一人で呟くのではない。付き添い者として神武猿族のミチナカノゴンデルゾも居る。彼は真っ先に七弓である事に気付いた生命として彼女の会話相手を務める。
「それはそうっでしょう。美容集団と言っても各種族に依って美の観点は大っきく異っなります。猿族で美に良っいとさっれる技術も人族に適用っすると却って美っしくない肌質に成る場合が歴史上何度もおあっりでしたから」
「だよね。でも別にそこまで綺麗にする必要はないのよ」
「前に言った事と矛と盾がぶっつかる気がっしますが?」
「一々生命の言った事を見定めないでって」
 七弓だけではない。どの世界でも雌は確固とした言葉を出さない。気分次第で幾らでも言いたい事を変化させる。その癖して細かい事にはきっちりする為に一種の混乱状態の現れを雌は有する。だからといっても全ての雌がそれに当て嵌まると断言して良い物ではない。たまたま七弓の性質が一般的な雌のそれと当て嵌まったが為にこんな長ったらしい説明が要される事と成った。
「ところで」
「何か気が付っきますか?」
 七弓は仙者特有の優れた共感覚を以って外の様子に異変がある事に気付く。七弓はゴンデルゾに近寄ると直ぐ様彼が左腰に差している雄略包丁を取り出す。
「な、何っするんっですか! 言っわれればお貸っししますのに!」
「他に物は背負ってるのか?」
「勿論、望遠刀も約百本もの物部刃もこの部屋に置っいてあります」
 後で来てくれ、銀河連合の気配よ--と七弓は美容集団を待たずして窓から外へ出た!
「高さは凡そ成人体型五以上あっるのに!」
 流石は仙者だとゴンデルゾは七弓の身体能力に息巻いた!

 午前九時一分二十八秒
 七弓の感じた通り、地面から頭を出す銀河連合の人型、蝸牛型、そして蛇型が次々と一般生命に襲い掛かり、既に雌雄五名ほど喰われた。
「うわああーああ、逃げろーおお!」
「まさか六影県と近かろうからって!」
「良いから逃げるね! 僕達は空の種族だから今の内ならね」
 だが、陸に顔を出す中には地中で動いても上手く羽を仕舞える銀河連合も居た。その混合型は普段は土竜型のように地中を移動するも地上に顔を出すとすかさずしまった羽を広げて飛翔。最大高度も低く、滞空時間も短い。しかし、中途半端に飛ぶ生命ならば喰らい付くのも問題なかった。彼らは空を飛んで逃げる空の種族の者達を次々と地上に叩き落としてから生死なせの如く喰らった!
 その様子を見た七弓は怒りを爆発させ、雄略包丁を抜く!
「お前達は真正神武だけでは飽き足らず、古式神武まで喰らう気かあああ!」
 抜いて三の秒より後に蝸牛型の一体を縦一文字に両断! 後二回。
「あの方は!」
「羽織った物が開けてから気付いたね」
「わかっちゅ! 肌はまだお荒れですが、紛れもなちゅ七弓様だ!」
 七弓はもう隠しきれなかった。いや、こんな状況下で自らを隠すのは罪深い。それならばあるがままに姿を見せて助ける方がどれだけの生命の命を救えるのか! 今はそれしか考える事が出来ない程に七弓は怒りで満たされていた!
「真正神武のみんなだけじゃない。古式神武に暮らす彼らだって同じように必死だぞ! 今日明日、明後日……お前達のように欲望のままに生きるんじゃない。それでも喰らうというならあたいは……あたいはもう姿を曝け出すしかないじゃないか!」
 七弓は十五体以上に膨らんだ銀河連合の布陣に向かって大地を強く踏んで駆ける!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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