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一兆年の夜 第五十三話 再誕の火 真正神武最後の最高官(交)

 ICイマジナリーセンチュリー百七十一年一月二十九日午前九時六分十九秒。

 場所は古式神武首都タイガーフェスティ県第二西地区。
 この地区では毎年恒例の各大陸を渡り歩く旅者達が年に一度の大道芸を開く祭りがある。例えば天同八弥の演武の内の三つの舞いを再現しようと試みて遂には独自の踊りに発展させたとある猿族の舞い。彼らは人族に近い種族でありながらも四足歩行を大事にし、四足歩行ながらに二足歩行では出来ない模写猿族の舞いを実現。その一派の名はラテス猿族出身の平等院一門。ICイマジナリーセンチュリー百十年に始まり、現在で六十一年目に成る。彼らの年号で表すなら凡そ二百四十四の年の目に成る。創始者は平等院サル翁助。初めの二十の年より間は無名で誰も見向きもしなかったが、三代目平等院サル翁助の時代に入って新天神武の選挙制度を採り入れる事でその応用を駆使して顧客を集めて遂には名物の踊りへと昇華させ、顧客を満足させる伝統芸能へと伸し上がった。
 他の例ではとある蛙族の一門が自分達蛙族の発声法を基にして蛙族にしか出来ない合唱団を設立。ICイマジナリーセンチュリー百二十一年に始まり、彼らの年号で表すなら凡そ二百の年の目に成る。創始者はセネカ蛙族のゴゲック・セウジーニョ。平等院一門と違って実力主義で創始者一族が必ずしも跡を継ぐという決まりはない。故に現在合唱団を率いるのはメデス蛙族の王蛭崎おうひるさき。その為、合唱団はICイマジナリーセンチュリー百五十八年に一度分裂し、分裂した門派が再び足を取り合うまでに凡そ四十の年より後も掛かった。故に合唱団の中には今でも古典派と斬新派、そして仲介派に分かれる。彼らをわかりやすく説明すると古典派は創始者ゴゲックの教えを大事にする一派で常に最新の技術に対して異論を唱える傾向がある。一方の斬新派は新しい技術を取り入れる事で合唱団の存続を主張する時代に影響されやすい一派。それらとは一線を画するのが仲介派。彼らは門派復縁の立役者で常に意見の集約を担い、分裂しないように他の二派を監視する役目を持つ。そう言った歴史的経緯を持つだけに顧客の中にも古典派と斬新派に分かれる傾向があり、常に口喧嘩が絶えない問題の抱えた合唱団である。
 三つ目の例が行商集団。彼らは三国分領時代に入って姿を現した歴史の影を生きる行商集団。歴史的には真鍋傭兵団とほぼ同時期に創立され、常に同じ個所に留まらずに世界各地を渡り歩く商者だけの集団。主に物を売って得た貨幣にて生活環境を整える現実主義の集団。但し、一つだけ主義がある。それは必ず生活必需品のみを売るのであって包丁や鋭棒、それから望遠刀と言った銀河連合を倒しうる物は売らない事を貫く。其処には創始者であるタレス燕族の陽孫克ようそんかつの教えを忠実に守るが故に。尚、表舞台に出たのはICイマジナリーセンチュリー百三十八年。当時行商集団を率いるタレス蚯蚓族のミミン・ミズーリに依る抜本改革の手段として年に一度だけタイガーフェスティ県にやって来て利鞘を得るという形で一般的な生命体の目に飛び込む。それでも影を生きるという根本だけは貫き、この祭りが終われば裏舞台へと帰ってゆく。故に彼らの売る商品を買いに集まる顧客は後を絶えず、わざわざ国境を越えて買いに来るほどの盛況に。
 他にもあるがこれ以上例を挙げるのは蛇に足を付けるのと同等の行い。依って大道芸の祭りの様子を見てみよう。そこには例に出した三つの集団の他にも真鍋平和傭兵団と呼ばれる這いずり踊りで顧客を楽しむ集団も居れば土竜族叩きと呼ばれる自分達の身体を張って顧客に土竜叩きの素晴らしさを提供する集団も居たり、後は単独で楽しむ者達も居たりする。簡単な例を説明すると鏡踊りや河童族回転や紙芝居。
 ここで注目するのは単独で活動する中に七弓が居た。彼女はあの凄まじい泥の大地を命懸けで抜けてとうとう昔の約束をした男の元へ向かう為にこの地区で足を止める。何故か? 彼女は泥の大地を突破した代償として全身の肌荒れを起こしてとても生命前では見せられない姿に成っていた。故に彼女は全身を包帯で巻き、仙者の力を信じて肌荒れが良くなるまでこの場所で祭りに参加していた。
 全てはその男の前で見せられる姿に成るまで……

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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