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一兆年の夜 第五十三話 再誕の火 真正神武最後の最高官(二)

 午前一時十二分三十八秒。
 ようやく建物の外に出た三名。だが、銀河連合は背後以外全ての方角を埋め尽くす。
「七弓様ス、一体どうしろというんですかス!」
 七弓は頭の中でこう表現した--引き下がる方がまだ幸せは残る--と!
 七弓様、自分としましては--とチースタンは七弓にだけ自らが述べたい詩を伝える。
「何か言ったかス、チースタンス。俺にも聞こえるように伝えてくれス」
「お前は聞かなくて良いよ。それはこことは無関係な詩だから」
「全く七弓様は何時まで経とうとも大人に成れませんねス。それだから婿の一名も寄り付きませんス」
 余計なお世話だと思わんか、ジンデンズ--とチースタンは注意する。
 目の前が危機的状況でありながらも三名の緊張感は緩く、寧ろ勇敢にさえ映る。それを嬉しく思わない集団があった。銀河連合は七弓達が自分達を恐れずに会話を楽しむ姿に対してどうしたのか? 突然、地面をひっかき出す。彼らは生命にとって快くない行動をとって会話の円滑を防ぐ仕掛けを開始。
「忘れてたよ。銀河連合は死に際の、死の覚悟より前の緊張緩和すらさせないつもりのようよ」
「彼らに俺達全生命体の常成る識が通用する筈がありませんス。なのでここはス……ところでス」とジンデンズはチースタンに体を向ける。「チースタンはどんな詩を送ったのでス? もしも死んだ時にそれが聞けなくなるのは悔いを残すのと同じでス」
 教えてやるよ--とチースタンは結局秘密を口にした。
「……かつての生子様を笑う資格がないなス、チースタンス」
 放っておけ、ジンデンズ--と左横顔を見せて照れ隠しするチースタン。
 会話は終わり、彼らは真っ直ぐ進む。そこにはあらゆる抜け穴は無意味である以上は出来れば勇敢にも突貫するのが一番。その為に守りが最も厚い正面を突破して華々しく散ろうと考えての事だった。
「前も横も下も上もみんな壁で覆われた時、何もない後ろに下がって生き延びる事を全生命体は選ぶだろうか。答えはそうじゃない。壁があるなら体を叩きつけて亀裂を走らせ、そこに雨を通しながら花弁を或は花弁の種を転がせて、しぶとく、そして、しぶとく輝きを示す番であるの!」
 成程、確かに一足先に想念の海に旅立った生子の事を笑う事が出来ない詩的な表現。
 それでも大体の意味は通る。即ち誰も生き残る道がないんだったら自分達が輝いた足跡でも示して後に続く物達に希望を託せばそれは必ず勝利へと繋がる……そんな言葉が籠められていた!
 並み居る銀河連合の波を三名は己の命を懸けて……矛と盾がぶつかる表現ではあるが、命を繋ぐ為の痕跡を探しにその波を無事突破する為に突き進むのであった!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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