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雑文特別編 一兆年の夜外伝 第破話 冬男と七水(前篇)

 どうも今回は短く行きます。

 IC(イマジナリーセンチュリー)百二十四年十月二十二日午前八時二分一秒。

 場所は新天神武首都ボルティーニ第三西地区。
 そこで道に迷う齢三十三にして二の月と六日目に成る神武人族の熟女。彼女は旅者であり、常に何かを見つける為に故郷を離れ、誰もが最高官に成れるこの新天神武で活動を続ける。だが、何の専門知識も根付いた技術もない彼女には生活費を稼ぐ手段は付け焼刃の如き物。常に貧しく、尚且つ廃れる。それでも彼女の瞳の奥には輝きがあり、尚且つ亡き弟と同じ独特の呼吸法を以ってこの世を生き続ける。
 そんな彼女は西地区で三番目に小さな建物の扉前にて俯せに倒れる。貧しさの前では最早そんな呼吸法も意味を為さないと。そんな彼女に声を掛ける生命は偶然にも居ない。建物の主もちょうど留守を決め込む。そう、何かの行事が偶然にも首都の生命を熱狂してるが故に。このまま彼女はここで息を引き取るべく放置されるのか、それとも止めを刺しに隙をついて潜入した銀河連合がやって来るのか……いやその可能性は捨てられた。
(トイレを探してる内に……誰かが倒れてるぞ!)
 齢十六にして十四日目に成る神武人族の少年が彼女の傍まで駆け付け、声を掛ける。
「オイ、大丈夫か……って婆かよ!」
 第一声がそれじゃあ……例に失する餓えた鬼ね--とあからさまに鬼族への対抗心を口にする熟女。
「鬼族に礼を失してるじゃないか。まさかそれを略して餓鬼とか言うのか? それが少年少女足る俺達の事を表す造語か?」
「そ、それを……ところで米はない?」
「ああ、あるぞ……婆」
 少年は熟女に残り一つと成った昼食用に取っておいた塩で固めたおにぎりを渡す。すると熟女は塩辛さも気にせずに豪快に頬張り、一分もしない内に座る所まで回復。
「フウ、助かったわ。餓えた鬼だと思ったけど……案外いい坊やね」
「坊やと呼ぶな。全く姉貴みたいな婆だな」
 婆と呼ばないの、まだ三十三よ--と熟女は三十代前半は老年に程遠いと主張する。
「後二の年もすれば老年の仲間入りじゃないか」
「大丈夫。私はまだまだ長生きする生命だから」
「長生き……言われてみれば呼吸が少し異なるな」
「ところで助けてくれた恩の為に少しだけ教えてよ、私に相応しい職ってのを」
「その前に自己紹介から始めるべきだろ、おばさん」
 少しマシに成っただけで全然よく成ってないわよ、坊や--とやはり年増呼ばわりされるのを凄く気にする熟女。
「あーあ俺からやるしかないか。えっと……オホン、俺は天同冬男ってんだ。短い付き合いだが、宜しくな」
「ふう、私は七水(ななみ)……訳あって苗字は名乗らないわ」
 短い付き合いだし、それで良いじゃないか--と握手を交わす二名であった。
(死んだ姉貴と良く似てるぞ、この生命は。何だろうな……いやいや俺がそんな趣味をしてるなんて兄妹に知られたら何を言われるかわからんぞ!)
 冬男と七水……辿れば同じ所へと向かう二名の出会いは一体何を意味するのか?

 午後十時七分三十八秒。
 出会った場所にて二名は夜空を見上げる。その夜空には流れ星は降らない。それだけで二名は安心する。
(にしても格好は良いけど、やっぱりもっと姉貴は若い。若いんだよ。こんなの俺が求める雌じゃない。今更婆寸前の雌何て惚れるのは筋が通らない)
 冬男は亡き母に似て理想を求める。彼の理想の雌は次の三通り。
 第一に己の一族と同じような格を持つ事。
 第二に美しく、滑らかな肉付き。
 第三に性格が良い。但し、ここでいう性格が良いというのは本者の勝手が入る。
 現在の七水は二番目の条件は当て嵌まるが、一と三が当て嵌まらない。故に冬男は我儘ながらに彼女を理想の雌と認めない。
(銀河連合を待ち望むのはいけない。神様に怒られてしまう! 親父に最近の若者は……と言われてしまう! 銀河連合が居ない世の中こそ俺達全生命体が待ち望む事なんだよ。でないとここで三つに分かれた歴史も親父を初めとした古式神武を継ぎし象徴もおちおち想念の海に旅立てない。そうだ、想念の--)
「何を考えてる?」
 わわ--冬男は驚きの余り、前のめりに転びそうに成った。
「亡き父が見たらお前のような若造は……いや父は甘っちょろい雄だったな」
「何だよ、恐い事かと思ったじゃないか!」
「何、私が生まれた真正神武はちと古臭くてな。未だに血だの呼吸法だので最高官を決めようとしておる。そんな物が長く続かないというのに……な」
「その呼吸法からしておばさんは--」
「おばさんじゃない、お姉さんだ」と弟が居る姉を演じる七水。「と言っても最愛の弟は早くに亡くなってもう寂しくてな」
「それは残る念だな、おばさん」
「また言ったな、困った餓えた鬼じゃ!」
 やーいやーい、こっちだよ--と何時の間にか子供に戻る冬男は十分間だけ鬼ごっこをする。それは二名のきずなが深まる短い時間でもあった。それから……


 という訳で全三回にも成ります天同冬男の物語をお送りしました。次回も又短く行きますので宜しく。

 フィリピンのおっさんは内政ではまるで独裁者の道を突き進むのは良いよ。別にそれは問題ではない。問題なのは支那と連携を図ってる所だろう。出来れば破綻して欲しいけど、あいつらの飴攻撃を避けるのは難しいだろうしなあ。何せ安全保障よりかは自国の立て直しの方が最優先だからな。
 という訳で今日はここまで。もしかすると夜に追記してるかもなあ。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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