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雑文特別編 一兆年の夜外伝 第序話 再開の序章(完結篇)

 どうも最近は寒さに負けてるdarkvernuです。つーか移民に優しく、永住権のスピード取得出来る国なんて亡国して下さいと言ってるような物じゃないか。
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 少しずつエンジンを掛けて始めますか。

 四月四十三日午後十時二分十八秒。
 場所は真正神武大陸藤原鎌足地方パイドン川流域。
 九星とモリーネは船で知り合ったマートリアスの案内の下、開拓されていない行路を突き進む。その途中で夜を過ごす為に三名は日が過ぎる寸前まで会話を始める。
「それがマートリアスさんの言う『結婚する約束をした際に起こる悲劇』ですね」
「ここで重要なのはその生命が戦う寸前に仲間に打ち明ける事だ。これがどうゆう意味かわかる生命は手を挙げて」
 はい--モリーネは包帯で巻かれた右手を上げる。
「無理して傷付いた手を挙げなくて良いぞ、お嬢ちゃん」
「お嬢ちゃんではありません。私は武内人族で生まれた時から真正神武で九を守る為だけに生きていました」
「それは誤った解釈で申し訳ない」と頭を下げたマートリアスは話を戻す。「んで早速だけど、その意味はわかるよね?」
「はい。婚約を他の生命に告げることで心の不安を吐き出すと同時に戦いに必要な緊張感を損ねることに繋がりますよね。そうすると大事な場面で力んでしまって最後はあんなことに」
「まああんなことはどんなことかは聞かないが、その通りだ」
「じゃあ僕達も命に関わるのかな? 船で恥ずかしい所を見せてしまって」
「まああれだなあ」マートリアスはこう慰める。「こうして俺に伝えてるなら生と死の狭間に漂う」
「どうゆう意味?」
「フあああ、そろそろ寝る時間が迫って来るなあ」と睡魔に抗いながらもマートリアスは補足する。「もしもここで俺に告げずにそのままにしていたんだったらどっちがが死んでいただろう。それだけに今回俺の話を聞いただけでも君達は狭間に運ぶ事に成功したんだ」
「良くわかりそうで、わかり……」そろそろ睡魔に襲われて九星の瞳は閉じ行く。
「九ったら……」無論、モリーネも同様だった。
「いかんなあ、睡魔は俺達に死を提供しに来るのか……」自分達の運命が危うい事を察し出来ても、日ごろの睡眠不足からくる睡魔に勝てないマートリアス。
 三名は深い眠りに落ちる。その眠りを確認し、気配を露にする三体の剥き出す存在。彼らは一斉に襲い掛かる……生命を食らうという行動原理の下に!
 天上から見下ろす存在達がもしも見守る立場であるならば僅か五分で彼らは喰らわれるだろう。それくらいに行動の速さは疾風怒濤。誰の目から見ても彼らはこの運命を覆す事は出来ない。但し、覆す事が可能な存在は直ぐ傍まで来ていた! 齢四十を過ぎても尚その肉体に衰えを見せない生命は九星と同じく仙者と呼ばれし存在。神武包丁を抜き放ち、三名の傍に立つ事で三体の銀河連合を威嚇!
「来るなら来い、銀河連合。私は大層美味しいぞ」
 それは正に相手の思考を狭める発言。天同美世は敢えてそう言って銀河連合を自らに向けさせる。だが、元々生命体は回りくどいやり方は好まない。故にそれに長ける銀河連合の方が何倍以上にも回りくどく、汚らわしい。美世の背中越しに居る一体は彼女を無視してマートリアスに狙いを絞り始める。
「折角私が来たのに一名も助ける事が出来ずに……そんなのはやらせんぞ!」
 美世が採った行動は……モリーネの顔面を右足で踏み付ける事だった! これには彼女も深い眠りから一瞬で脱出せざる負えなかった。何故なら夢の中で九星に踏み付けられたと勘の異なる事を思って起き上がったのである。
「はあはあ、あれ?」飛び上がるように起きたモリーネは事の状況を把握するまで五秒掛かる。「ここは?」
 その五秒はマートリアスを狙う猫型銀河連合の狙いを起きたばかりのモリーネに向けるまでそう長くない。そして狙いを定めるのに一秒、行動を起こすまでにそれから二秒……遂に飛び込む!
 モリーネを庇うように美世は猫型の顔面に左蹴りを叩き込む! が、猫型はあくまで陽動。真の狙いは美世の視線を一瞬でも二体から遠ざける事。遂に二体はモリーネが把握する一秒前に動き出す。流石にそこまで反応出来ない美世は死を覚悟した!
 そんな彼女を助けたのは状況を把握したモリーネの採った大声で張り上げると同時に九星の大事な部分に右拳を叩き込むのだった。
(うわあああああああ!)
 思考する事すらまま成らない状態で起き上がった九星。彼の場合は思考が状況把握するまでに一分近く掛かる事に。その場合は銀河連合の奇襲が再度あるのではないかと思われるが、その心配は無用。モリーネの執った大声張り上げは予想以上に銀河連合を怯ませ、成れない者には最大限効果があった。
「良くやったぞ、モリーネ!」
 その隙を突いて先ず猫型の首を刎ねる美世。それから包丁を投擲して犬型の頭部に深く突き刺す!
「これで後一体だけ」
 事態を把握した鼠型は一目散に逃亡。こうして死の運命から免れる事に成功。
「ど、どど、どうしたんだ?」
「済まないな、二名共。起こした上に大変な目に遭わせて」
「美世様自らこんな所に?」
「まさか僕達を連れ戻す為に来たんでしょ!」
「まあ最終的にはそう成る」と認めつつも美世はこう告げる。「が可愛いお前の為にも母に合わせる為に付き合ってやるから覚悟せい!」
「止めないんだね、美世は」
「その為に今まで体を鍛えたんじゃろう? 例え父に似て一生を弱さで固めた肉体であろうとも」
 違います、美世様--とモリーネは真剣な表情で美世を睨み付ける。
「ほう、意見を述べよ」
「九は弱くなんかありません。例え熱を出そうとも九は弱音を吐いたりしてなかった。だから九は弱くないよ」
「モリちゃん」
「……朝も早い事だし、寝るぞ」
 こうして美世と再会する喜びも思いを告げる事も朝に持ち越すように彼らは安全の眠りに就いた……
(有難う、モリちゃん。益々僕は母さんの所へ行けるよ)

 四月四十五日午前五時七分十一秒。
 場所は真正神武大陸藤原鎌足地方新仲麻呂町第一東地区。
 そこは死に包まれていた。四名は唖然とする。一方のマートリアスは運命の分岐点を感じ取ってこう呟く。
「狭間だったのは即ち、どっちかが死ぬ為に訪れる命の運びだったのか?」
「嫌だ、そんなの!」
「まさか一昨日見逃した鼠型を逃がしたせいで!」
「罪深く成らないで下さい、美世様! 私だってあの時に--」
「関係ないよ! どっちみちこの町の生命を一名残らず食った銀河連合に怒りを露にするべきだ! もしも母さんに何かあったら絶対に僕の手で死なせてやるううう!」
 九星は神武包丁を右手で強く握って美世から聞いた第二東地区目指して走り出す!
「待って、九ウウウ!」
 後を追うモリーネ。二名を追おうとした美世とマートリアスだったが、十五体もの銀河連合鼠型に囲まれた!
「これは絶体絶命だよな?」
「見ればわかるじゃろうが。にしても頭でっかちと老婆に依ってたかってこれだけの数を!」
「却って九星様とモリーネが危ないんじゃないか?」
「誰が考えてもわかる事を口にするな、バルケミンの若造」
「じゃあ誰でもわからない事を口にするなら……親子の再会が果たせる確率は、ここを生きて帰るより難しいと運命学の俺が言います」
「じゃあ果たせる方に懸ける」
 そう言って美世は残り一回しか使えない神武包丁を抜く。

 午前六時五十五分十一秒。
 場所は第二西地区。その中で最も大きい一階建て木造建築の表門の前。
 二名は立つ。彼らはそれが崩壊してるのを既に気付く。
(それでもだ。僕は……希望を捨てない!)
 それでも九星は僅かな希望を胸に瓦礫の除去に取り掛かる。それを手伝うはモリーネ。二名は僅かな希望を胸に瓦礫を除去してゆく。中には二名掛かりでも困難な代物も存在。それでも二名の力を合わせても可能な物だけを除去して五の時。本来ならば一日、二日掛けても難しい作業。ところが彼らは遂に果たす。何と隠し扉が見えた。
「信じられない。これだけの時間で」
「では開ける--」
「危ない!」モリーネは蘇我鋭棒を構えて瓦礫の中に隠れていた鼠型の襲撃から九星を守るべく彼を突き飛ばす! 「命に代えても九は守る!」
 それは本来ならば死の予兆……だが、マートリアスとの出会いと講義を経て運命は覆る--何とモリーネは投擲する事で鼠型を串刺して死なせた!
「モリちゃん?」
「何でだろう? 投げた方が良いと思ってしまったのは?」
「良かったよ、君が無事なら」
 そう言って九星は扉を静かに開ける。それは引き戸に成り、中から齢三十六にして六の月と八日目に成る大陸藤原人族の老婆が暗闇から姿を現す。見るからに来ている衣服は良い生まれの令嬢で尚且つ皺一つない。それは彼女が日常の一つ一つに気を使う生命だった為に精神的な圧迫さえ身体に及ぼさなかった為である。そんな彼女を見て九星は尋ねる。
「怪我はないですか?」
「おや、誰かな?」
「えっと真正神武にある首都六影から来ました……えっと、名前は」
「言わなくて良い。よくも、よくもまあ」老婆は涙を流す。「まさか死ぬまで会えないだろう雄の子とこうして会えるなんて」
 九星は余りにも綺麗な彼女を母だと認識出来ずに居た。何故なら彼にとってこの歳に成ると皺で埋め尽くされ、声はしゃがれ、尚且つ動きも弱々しいと思っていた。ところがその生命だけは異なっていた。日常の一つ一つに気を配って日々を過ごす事で十の年経とうとも皺一つ生やす事をしない。誰であろうとその生命を見て母と思えない。それでも九星はそんな彼女を抱き締める。
「僕は、僕は!」それから九星は涙を流す。「まるでおとぎ話に出て来る生命だよ!」
「大きく成って。大変大きく成って」
 二名の感動の抱擁にモリーネは付け入る隙も見せずに黙って見守る。当然、後から駆け付けた傷だらけの二名も感動の裁可を見て一切呟かずに見守る。
(神様が与えてくれた事だよ。マートリアスの言う通り、こんなの奇跡的だよ! 有り得ない確率だよ。でもそんな確率でも良いんだ! こうして夢のような母さんと抱き合う事が出来るならこんなに嬉しい事はないんだ!)
 それから一の時も掛けて四名は清花を初めとした生き残り数名と共に他に生き残りが居ないかの捜索と復興を支援する。そうして軌道に乗り出す時に別れを告げる。これ以降、九星と清花は二度と再会する事はない。何故なら再会から一の年の後に清花は老衰であの世を去るのだから。
 それでも九星の心に悲しみはない。嬉しさの方が勝った。それは彼とモリーネが婚約し、第一子である一刀を儲けたのだから。こうして真正神武は軌道に乗り出す……

 IC(イマジナリーセンチュリー)百十一年四月四十五日午後零時零分零秒。

 第序話 完

 第破話 に続く……


 こうして第序話は幕を閉じた。次からは古式神武の話に移ります。いやあ、長かった。幾ら何でも長過ぎたぜ。

 やっぱ希望編あったんだな。三十分で終わる内容なのか、それって? 兎に角、絶望で終わったけどエピローグが2本編での七海との出会いなのは少し涙を誘うなあ。その七海自体がアルターエゴってのが何ともなあ。
 という訳で今日はここまで。だからこそ未来編では日向達は描かれないんだな。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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