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雑文特別編 一兆年の夜外伝 第承話 彼女が外界で思った事

 どうも喉の調子が悪いdarkvernuであります。
 では書く度に思う事だが、どんな気分であれ書かないと始まらない。なので早速始めるとしましょう。

 IC(イマジナリーセンチュリー)三十九年四月七十三日午後零時五十二分六秒。

 場所は秘境神武。
 これはベレッタが生子に助けられて直ぐ後のお話。故に短くもあり、故に長く成る予感のするお話。
 齢十八にして十日目に成る神武人族の少女である天同生子はベレッタの手当てを済ませ、二名の生命の亡骸を埋葬し終える。外へ出る為の備えとして最後に残しておいた神武包丁を一本、望遠刀を一つ、物部刃を二十も色葉の遺品である籠に入れて備える。
「生子様」と今更ながら齢十九にして三の月と一日目に成るプラトー人族の少年ベレッタ・バルケミンは親友色葉冬道の遺品について訊ねる。「あいつの遺品を使わせる自分が言うのも何だが、どうだい?」
「中々の代物だ。色葉の者達は体型に合わせて籠を作っておられるな。だからこそ私が使うと何かしら軽々と背負える気がする」
「まあ生子様は雌にしては随分大きい生命ですので」
 お前と言う男は理に屈して余り面白くないぞ--と生子はベレッタの捻くれを指摘。
「良くなかったな、理論に屈して!」
「論は含まれて--」
「ああ、もう良いだろうが!」
 フフ--生子は微笑む。
「今のは面白かったか?」
「いや、性格こそ異なれど私が良く知ってるあいつを思い出して少し笑ってしまったのよ」
「私の……ひょっとして零様の事か?」
「何だ、知ってるようだな」
「知ってるも何もあの方には何時も困り果てますよ。何とか成らないのですか?」
「全く読四は零の面倒を見切れんようだな」と生子は秘境神武の空を見つめる。「ここに眠る神々も父上を始めとした多くの天道成る者達も呆れて溜息を吐いておられるぞ」
「死んでいった者達はどう足掻いても言葉は発しませんよ、生子様」
「そこだけは零と異なるな、少しは理に屈するのは止めた方が己の為であるぞ」
 断る--ベレッタは照れ隠しに顔を逸らす。
「赤く成るな、真っ直ぐ見つめよ」
「異なるよ。これはその……あああ、そろそろ外へ出るぞ!」
「私に命令か、ベレッタ?」
「自分が年上だろ! 年下は年上の言う事を聞くもんだぞ」
「それは無理な話だ、ベレッタ。年功序列が当たり前なのは全生命が--」
「生子様が理に屈する役目を担わないで貰いたい!」
「おっと済まなかったな、ベレッタ。私とした事が君と同じ捻くれを口にしてしまった」
 全く--改めて生子の眩い美しさの余り、赤く成った表情を逸らすベレッタであった。

 午後一時二分六秒。
 秘境神武を出た二名。最初の印象は即ち、空気の違いであった。ベレッタは元々、プラトー族の生命であるが故に少々の鮮度の違いに反応する事は稀。問題なのは生子だった。外の世界の空気を吸って直ぐに咽た。それを心配してベレッタは彼女の両肩を掴む。
「フウ、大丈夫だ。これが外の世界なのだな」
「仙者にとっては外は余り清潔ではないようですね」
「これも食われしモノの仕業なのか?」
「関係ありません。昔から秘境神武以外の世界は余り神々から守護されない様子でして。内臓モノが大地や空気をとんでもない有様にしようともそうでなくともこんな様子ですね」
「内臓モノ?」
「食われしモノですよ、生子様」
「名称が決まらないのは余り好めない状況だな、ベレッタや」
 何時の日か決まりますよ--ベレッタの予言は曖昧だが、正しかった。
 と二名が空気の違いで驚くのを会話で癒される暇もなく、突如として恐怖は進路を妨害するかのように地面より這い出る。
 ベレッタはそれが出て来て直ぐに上下の歯を激しく打ち付けるのであった。そう、秘境神武で親友の色葉と生子と共に唯一残っていたニャルタヒコを食らったあのモノ達の仲間だった--その姿は本来四の年より後以降に出る筈の隠し腕を内包した全く新しい食われしモノだった。
「あ、あ、あれは、だ、だ、駄目だあ!」
「落ち着け、ベレッタ」生子は少々の恐怖に耐えうる強い精神力を内包していた。「恐怖が高まれば健康が良く成らない」
「無、無、無理です。理が無くなります、よよ、生子、さ、様!」
「無い理でも私にはそんな物は意味ない」
 淡々と足を運んで先程まで咽ていた彼女とはまるで別物のように表情を無にする。そして大地を蹴って新種の食われしモノに向かった! ぶつかり合う神武包丁と食われしモノの繰り出す無数の腕と隠し腕! 初めてであるにも拘らず、生子は何とその食われしモノの戦法に対応していた!
 やがて、神武包丁を後方に弾き飛ばされた--それがベレッタの正面に刺さって、益々ベレッタが情けない姿に成ったのは恐らく生子の妄想であろう。
 神武包丁を更なる隠し腕攻撃で弾き飛ばされながらも生子は眉一つ動かす事なく、望遠刀を構える。そして色葉の遺品である籠の中に入れた物部刃を取り出して本来有り得ない三本撃ちをやってのけてその食われしモノの両足と首を撃ち貫いた!
「ス、凄い!」
「さて」それから生子は望遠刀を仕舞って、籠を下ろす。「しっかり眠らせるから無理をするなよ」
 だが、食われしモノは首を貫いた事で発した黒き血を生子に飛ばした--それを難なく躱した生子は無駄な動きをする事なく右人差し指と中指の二指を固めて眉間を貫く!
 その食われしモノは後に指揮官型と呼称--それが生子にとっては全く相手に成らない程に二者との力の差は歴然としていた!
「あの食われしモノのせいで私はもうあれをそう呼べない」
「じゃあ、じゃあ、何と呼ぶのでしょうか?」
「おぞましきモノ……うーん、余り変わらないな」
「生子様、らしい、ね、ハハハ」
「只、気を付けておきたい。ベレッタよ、あれは私以外が果たして楽に死なせる事が出来ただろうか?」
「それは神々にしかわからない事でしょう」
 こうして戦闘を終えた生子は各々の処理を済ませるとアリスト町目指して旅を再開するのだった……
(後の指揮官型と対峙したのだな、私は……ああ、時が見えるよ。ああ、もう私は、私は--)
 これ以降、生子の魂から記憶は無くなる。やがて次の世界を目指してその魂は流れるのであった……


 と言う訳で天同生子の語られし過去のお話はここで終わる。次回から旧国家神武が食われた後のお話を綴ってゆきますね。まあ明日は何時もの雑文に戻って時事ネタでも何でも書くだけだよね。だから次の日曜に縺れるぜ。

 さあ、外遊野郎は野々村のポーズして最早にっちもさっちもいかなく成ったな。この後に号泣してくれたら中々の物だけど、あの野郎はそんな事するような程精神性は幼くないので可能性は低いだろうが(呆)。
 さて、今日はここまで。明日は何時もの雑文だぜ。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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