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一兆年の夜 第八話 戦いへの一歩を(二)

 ICイマジナリーセンチュリー三十七年九月百二十日午前九時零分三秒。

 場所は新プロティ村新村長邸中央庭園。
 雪解け水が村全体に染み渡るように流れる快晴の日。そこには村中の住民が
何かの開会式に参加していた。
 村長邸の表口より南に成人体型四十離れた所にプロティイムの木で作られた壇上
があった。そこの真ん前に立つ齢三十一にして一月と三日目になる蟻族の中年が
大きな声を上げた!
「ゥェこれより新プロティ村……ンァいやプロティ町誕生式を挙げる!」
 プロティ町誕生を宣言されたことにより村……いや町中の住民が歓声を上げた!
まるで大雨のように町中の者達が町誕生を喜んだ!
 蟻族の中年は話を続けた。
「ェエ私、ゥゥテレス蟻族のデュオ・ジニンは村長に就任して三の年。スゥ就任からの
悲願であります町発展のために様々な努力をして参りました!」
 デュオの右斜め後ろにいる齢三十九にして五の月と十日目になる老年は考えに
耽っていた。
(私の先祖はプロティ豚族。ザブング・クロレットは先祖が生まれぶ村に暮らして
十の年。おもでば私は山と谷を両方経験しぶ。
 この村に入っど頃の私は谷底だぶ! 私は旧村長の薦めで広報官に就任しぶ。
 しかし、当時は一向に村に来る者達は現れだかった。むしろ出ていぶ者が相次ぐ
ばかりぶ。当然ぶ!
 私はプトレ村を食らわせぶ一因を作ったのどから無理もなぶ!
 私は就任前から何度も辞退、辞任の手紙を村長の机に置いぶ!
 けれどもその度に村長は礼無き覚悟で破っていぶ--村長は私を信頼なさっど!
その度に村長から説教された! そして私が広報官に就任しぶ五の年より後に
ようやくこの村に家族連れの者がやってきぶ! それは正に神様からのお礼の
ようであっど! 私達は嬉しいぶ!
 ようやく新プロティ村に新たな住民が来ぶことを喜んだ! 人生の山場にさし--)
「あなた! 何考えていぶのよ?」
 突然、左後ろにいた齢三十七にして十一の月と七日目になる妻のヘネリエに注意
された!
「ッワ! 御免よヘネリエ! 実は新町長の宣言で今までのことを思い出しとっぶの
じゃよ!」
「考え事はいけだせんぶ! ザブリスが見たらなんて言ぶの!」
 ザブングは息子ザブリスの名前を聞いて、あることを思い出した!
(ザブリスは十の年より後になっども変わらなかっぶ。まだ戦ぶことから諦めてくれな
ぶ! 現職業官の犬丸ラビーの薦めで陸上配達本部に研修させども、三の年より前
にピタゴラス地方全土を襲った大震災で救援活動をしども、二の年より前の
台風接近でザブリスを庇って土に帰ってしまっぶ村長の思いがあっども……
 私は考えを押しぶけるのが良くないのだろうぶ?
 いや、そうではなぶ! 私は考えを押しつけてだどいなぶ! 私はあの子の考えを
尊重しぶのだ! 私はあの子の前足が穢れで溢れぶことだけは避けど!
 これが親の気持ちだ! 戦いを簡単に口にすぶものではない! 戦いは穢れ多き
故、神様へ顔向け出来なぶこと。あの子には、あの子には--)
 苦悩するザブングをヘネリアが静かに見守る中、開会式は綺麗に終わろうとしてい
たが--
「そ、いえ新町長! 何故自分達はあいつらと戦えなぶですか!」
 齢十六にして二日目になる少年ザブリスは突然デュオに質問を投げた!
「ゥゥき、クォ君は陸上配達本部の研修員ザブング・クロレットだね?
 ムェまだ私の宣言は終わって--」
「この村は町になりましぶ! でもあいつらがいぶ限りこの町は新プトレ村のように
食われまぶ! だからどうか--」
 間髪入れずにザブリスは質問を続けた! それに挟むように--
「ザブリス! いつまどそんな事言ぶ! 戦いをしよぶなどとするぶ!
 穢れをどうすぶ! 母になんて顔を見せぶ! 神様にどう謝ぶ!
 いつもそれを--」
「五月蠅いんだぶ! お父さんはどうして戦ぶのをしてくれなぶ!
 戦えばあいつらだっど--」
 親子ゲンカはこの後十の分の後も続くが、それに堪えかねたヘネリアは--
「いつまで他所様に迷惑かけぶの! ここは公共の場だから喧嘩は私達の家でやり
なさぶ! しなぶと一の週より一日一食にするぶ!」
 それを聞いた二名は息をすることもままならないくらい静まった。
 ヘネリアの迫力を間近で見ていたデュアは両中足を震えながら--
「ンンはは、ゥゥ他にないよね?
 ヅァではこれにて開会式を終えたいとおも、ンァオモ?」
「どうしぶ? う、こ、これは!」
「あ、あなた! うう、ううわわうわ!」
 三名は恐怖で呼吸が覚束無い状態になった!
「な、腰砕けな事良くないぶ! ど、どうしたんど?」
 目線が反対を向けている者達には何なのかはわからなかった。
「「「「「ウワアアアアアアアアアア!」」」」」
 ザブリスの後ろから悲鳴が聞こえた!
「な、なんだよい、たえ?」
 ザブリスは振り返ることで事の真相を知った--恐怖心を発動させながら。
「う、うわああああああああ!」
(だから言っどのに! 戦いといぶ言葉を簡単に口に、すぶものどないと!)
 ザブングは恐怖心を抑えるべく自らの怒りを呼び起こそうとしていた。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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