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一兆年の夜 第一話 悪魔が落ちる夜(五)

 男は喜ぶ気持ちになれなかった。頂上に辿り着いた事よりも頂上にある鉄が染みつくような匂いを発する白骨死体に目を奪われた。そして、どうゆう反応を示せばよいのか迷っていた。
(匂いがきつい。えっと、えっと、何でしたっけ? あっそうだ!
 ここここはひ、ひ、一つし、しかない)
 すぐさま白骨死体の埋葬に取りかかった。
 まずは手で死体が入れる分の穴を掘った。
 掘り終えたら穴を掘った際に出来た傷の手当てをする。
 次に穴の中へ死体を綺麗に入れていく。入れた後は近くで採取した葉や木の根を入れる。
 そして死体を入れた穴を土で埋める。後は仕上げの大きな石を立てるだが--
「ん? 後ろで物音がしたけど… …気のせいなのか」
 男は大きな石を探すついでに他の神々がお怒りなのかどうかを確認する為に後ろを振り返ろうと思ったが--
(何だろう? 誰かいるみたいだけどもしかしたらここで何があったのか知ってるかも!
 声をかけてみよう)
「おーい! こんばんわ。自己紹介するぞ。
 俺の名前は御幸みゆきと呼ばれる者だ! 名字は葉月はづきだ!
 葉月の一族は代々テレス地方の小テレス村と呼ばれるテレス人族発祥の地に暮す!
 俺の代で十六代目を襲名する予定… …であ」
 御幸と呼ばれる男は今まで我慢していた恐怖心を一気に駆け巡った。
 その結果体中硬直した。
(あ、あ、あのものの口? についている者は血、だよ、な?
 あ、あ、有り得ない! そんな事をするモノなんて有り得ないぞ)
 御幸が見たモノとは四本足をしていて暗くて遠くでははっきりしないが、わかる事は口らしき物に血が付着しているという点だ。
(生命が生命を? そんなことして心に痛みを感じるはずなのに!
 なのに、な、な、何故このモノはただゆっくりと俺のほ、ほほほうにちか近づく)
 それは御幸の身長分の距離にゆっくり近づく。
(口だけじゃない! 右前足や左前足にも血が、いや、いや、そんな事よりも近くで見たら、見たら)
 この世のモノとは思えないモノ。御幸がそう思考した。
 時既にそのモノは御幸を生きたまま左手からゆっくり食べ始めた。
 御幸が激痛に次ぐ激痛を感じつつも恐怖心と呼ばれる生まれて初めてのモノに支配され、あらゆる機能を停止して何一つの反応を示す事が出来ない。
 そして食われ初めて一時間後。朝六の時と三十分に十五秒。骨だけ残して完食。


 これは複数ある全生命体の敵との接触のお話の一つにすぎない。
 だが、それは果てしなき戦いへと始まる為の一歩でもある。



 ICイマジナリーセンチュリー零年一月二十二日午前六時三十分十六秒。

 第一話 悪魔が落ちる夜 完

 第二話 ボクが最後に見た悪夢 に続く… …

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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