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格付けの旅 ブラックストーンが起こす悪意 最高神対最高神……神計画序章

 超重力……それは時間も光の角度も歪ませる重力よりも更に恐ろしい因果律を制御する重力を超えた重力。そこでは時間の流れも各々の精神に委ねられ、どんなに理屈に合わない事も貫き通してしまうご都合重力と呼んでも過言ではない。その為、超重力こそ遺物の侵入を阻止する為の関税だと言える。
(フウ、解説は良いんだけど……まさかキルアインシュは精神体のまま今を生き続けていたのかよ。全く神計画は死んだ神にまでその主旨を聞かした後だったとは。つーか発案した神は誰だよ)
 デュアンでさえ発案者が不明な神計画。果たして誰がこのような恥ずかしく成る名称の計画を発案したのか?
「何処まで行くんだ、尻尾有り!」
「ぱじゃあ様をお救いに何処までも向うだけです!」
「死んだはずの神だろうが、何故そんな奴を救おうなんて考えるんだ?」
「それはぱじゃあ様も全生命体の敵を倒す為に必要な戦力なのです」
「ひょっとして--」
「黙ってて下さい、速度が落ちます」と言いつつもリディアは本柱最高速度宇宙速度三で駆け抜けるのだった! 「これが光さえ超えた宇宙速度なのですね!」
 ぽっと出のキャラに負けて堪るかよおおお--アルッパーもまた宇宙速度三で向かうのだった。
(確かにぽっと出に良い所持っていかれるのは我慢成らないな)
 一方でぱじゃあにまだ身動きもとれない状態にされるデュアンは通信機能を強化する魔法を既に唱えて、外の情報収集に没頭。
(ん? 神がまだ居るのか……という過去の大宇宙はまさか!)
 そう、アルッパーは仕留め損ねていた--アルッパーに惨敗したアイド・ウエドは僅かだけ生き延びて再生を果たしたのであった。『馬かな、ぱじゃあじゃないか!』
「……」ぱじゃあは何も語らず、アイド・ウエドを吸収し始めた。
『な、何をするんだ……止めるんだ、ぱじゃあああ!』
 ぱじゃあは最早、世界を滅ぼすしかないという思いで一杯だった--旧友であるですますの神デスゥが呆気なく散り、自分だけが無様にも生き延びた事で心の箍が壊れ、アイド・ウエドを吸収し始めた。
『止めるんだあああああ--』
 世界はアイド・ウエドからパジャマへと変容……そしてそれはパジャアが夢見た最高神に相応しい圧倒的な神秘にまで上り詰めた--けれどもその心は砂漠のように冷たく成った!
「ウガアアアア!」
 ぱじゃあから黒き悪意は消え去り、自我を取り戻す事に! そう、彼女は全生命体の敵から神々へと舞い戻った--犠牲は大きく、ここまででキルアインシュそしてアイド・ウエドという神々の咆哮の生き残りの命を吸う事でしか達しなかった!
「勝手に盛り上がってるようだが、その前に俺のホワイトホエールで死ねよおお!」
 ああ、何という噛ませ鯨--飛び込んで早々にアルッパーはパジャアの宇宙に絡まれて身動きが取れないではないか!
「フウ、脱出成功」一方のデュアンは最高神へと昇華した弊害を上手く利用して何とか抜け出た。「まさかそんな形で全生命体の敵という枷から抜け出せたとはな」
「あ、デュアンさんですね」
「おお、それがどうした?」
「あのう、私は貴方の味方です」
「残念だが、女絡みはどうも厄介事の始まりにしか過ぎんから止めてくれ」
 そう、デュアンは白黒赤青共に女に絡まれるせいで碌な目に遭わない体質だった--幼馴染の事を先程思い出す。
「くそおおう、パジャマの分際で俺がこんな目に遭うなんて!」
「取り敢えずそこでじっとしてろ、アルッパー」
「やっぱりお前が一番嫌いだあ、絶対食ってやるぞ!」
「駄目ですよ、デュアンさん。仲間同士仲良くしなくちゃ」
「俺達は仲間じゃない。ましてや仲良くするのは拘りが出来てしまうからやらんのだよ」
「仲間だと」ぱじゃあは初めて自我を取り戻してから話し出した。「わかってるぞ。お前達は神計画の生涯と成る不届き物だと」
「俺に適うと本気で思ってるのか?」
「さっきぱじゃあさんにやられてたじゃありませんの?」
「格付けが大事だったのでな」負けた言い訳がこれまたデュアンらしいのは無理もない。「にしてもその能力か……ほらよ」
 突然、デュアンはアルッパーに絡みつく空間のパジャマを解かせた。怒ったアルッパーは今にもデュアンに噛み付き、デュアンは空間転移魔法でそれを回避!
「絶対殺してやるぞ!」
「そんな事よりもお前の相手はアルッパーだ」
「何? その鯨如きが?」
「あんまり時間が経つとこいつは原理に気付いて手加減知らずに食べちまうぞ」
「要するにお前は何もしないという訳か?」
「そうゆう訳だ。早い話が俺は『門番の眼』を担当しててな……次から説明するぞ」
 門番の眼……それはマザーシステムが直接俺に接触して最厄の日を止める為に俺達に門番を務めるように頼み込んだ際に俺は格付師として眼しかやらんと忠告しておいた物だ。その役割は因子及び神に成りそうな素質の者達を見つけてマザーシステムに報告する物だ。それ以上でもそれ以下でもない。マザーシステムは単体じゃあ非力だからな。なので俺達神才をどうしても欲する訳だ。だが、神才は神才。何処まで行こうとも協力し合うという事は不可能な奴らよ。
「意味がわからない」
「デュアンさん、回りくどいです」
「つまりだな、お前を見つけた時点で遠回しにマザーシステムに報告してやったぜ」
「ならばその場で--」
「てめえは絶対食い殺おおす!」
 アルッパーのホワイトホエールがぱじゃあに炸裂--デュアンと覚醒したリディアでなかったら最高神以上の戦闘力を持つ者達の波動に呑まれて塵に還ったであろう!
「さっきよりも……ええい!」
「一度見たハッタリが俺に通じるか……食ってやる!」
 何とアルッパーはパジャマを食い千切った! 恐るべし、アルッパーの感性と無限に近い貪欲!
「仕方ない……最高神に成ってまだ日が浅いあたしの本気をお見せするんだからって!」
 タイトル詐欺真っただ中で二社が火花を散らす!
 ぱじゃあが繰り出すのはアイド・ウエドと融合してパジャマ全体の神に相応しいパジャマ細胞軍団--総勢何と2’356’892’774’891!
「それがどうしたあああ!」アルッパーも負けじと放射能熱線によるフルバーストで五割焼き尽くす! 「ファイナルウォーズ時代の先祖を想像して繰り出したんだぞ!」
「馬鹿にするな!」
 一方でぱじゃあは細胞軍団にパジャマリフレクトブラスターを放つように命じる--何と光よりも速いブラックホールを反射する事で威力を倍々するかのように上昇させながら移動中にあらゆる物を呑み込んで巨大化してゆく!
「そんな物はビッグバンホエールで防いでやる!」
 ビッグバンホエール……それはブラックホールに呑まれるなどした場合にアルッパーが体内エネルギーを無理矢理極限まで収縮させた後、自らの意志で一気に放出させて周囲一帯を崩壊させる極意!
「その技は自身の肉体の崩壊が避けられないはず……これも神殺しの為せる」ぱじゃあは巨大化……「軽業だと主張したいかあああ!」いいや、元々この大宇宙はアイド・ウエドその物だったが故に……「空間の締め付けで潰れるがイイイイ!」ぱじゃあの本体がさらけて自らを纏うパジャマ柄の触手でアルッパーを十五次元で絡めとる! 「その攻撃は二度も使えまい!」
「うおおおおお!」
「ああ、アルッパーさんが--」
「落ち着け。アルッパーはこのくらいでやられはしない……だろ?」
 うるせえぞ、二本足--アルッパーの決め技であるホワイトホエール炸裂!
 ぱじゃあは左パジャマを破壊された! それでも痛みが走らないのはぱじゃあは無数のパジャマ装甲で覆われてるが由縁なのか!
「仕方ない。あたしも少し切れてみるよ」
「ああ!」
「キルアインシュの魂が告げてるのか?」
「ええ、キルアインシュ様と融合した私ですのでパジャアさんが繰り出すのが何となくわかります」
 ぱじゃあが繰り出すのは煉獄にも重なったブラックホールではないか--ブラックホールの神が告げる事とはこれだったのか!
「何だこのブラックホールは……宇宙速度を上げても抜けきれなあああい!」
「それはな。あたしがパジャマの神だからさ」
「意味が分からないぞ、二本足め!」
「意味は分かるさ。何せパジャマは眠りに入る時に着用し、ブラックホールは眠りの重力へと何物をも沈ませ込んで……やがては」ぱじゃあが次の言葉を発する時、空間は閉じた! 「レム睡眠へと至らせる!」
「理解出来ないんですけど、デュアンさん。説明をお願いします」
「要するに人間で例えるとわかりやすい。足首から下を抑え込まれたらたとえ起き上がろうとも布団から出たいと思わなくなるだろう? それと原理は同じだ」
「余計にわかりにくいです、デュアンさん」
「それにしても先程のブラックホール」
 デュアンは顎を触りながら頭の中で考察する。
「何に気付いた? どのみち次は--」
「アルッパーはこの程度で沈む鯨だったら俺は苦労しねえぞ」
「何を--」
 まだ勝負はついてないぞ、パジャマメええ--デュアンの言葉通り、アルッパーは全身に無数の穴を開けられながらも空間突破を果たす!
「化物め! またパジャマブラックホールを--」
「何度も同じ手に引っ掛かるかああ、ホワイトブレスだああ!」
 アルッパーの繰り出す宇宙放射能熱線に依る空間崩壊させながら対象に向かって限定十二次元に沿って真っ直ぐ進んでゆく--傍から見ればその光芒はまるで乱れるように見える!
「避けられないなら攻めて攻めてええ!」パジャマシールドに依る攻撃技でホワイトブレスの軽減と相討ちを狙うが……ブレスはそれを予測するかのように避けるように進む! 「クソウ、次元の波はそこまで光芒を揺らめかせるかああ!」
 そこでぱじゃあは自らパジャマと成って耐え切る事を選択--それは正しく、致命傷を避ける事が出来た!
「あれは沈んだと思ったのに」リディアは数百万規模は崩壊するであろうアルッパーのホワイトブレスを受け切ったぱじゃあの強さに辟易する! 「ぱじゃあさんは私の遥か上の神ですね」
「だが、アルッパーはその上を行く」
 デュアンの言葉通り、パジャマを解いたぱじゃあを狙うかのように巨大な風穴を空けたアルッパーがそこに--ホワイトブレスとホワイトホエールの重ね打ちは流石!
「があああ、あ! このぱじゃあが……負けを認めるしかない」
「ぜえぜえ、間一髪だった」
 ぱじゃあは敗北を認め、姿を消した。
「逃がす……ウググ」追撃する体力がなかったアルッパーは意識が朦朧とし始める。「眩暈が、あ」
「凄いですね、神殺しってのは」
「当り前だ。俺達は神よりも強くて何よりもルールの枠を気にしない……その違いが差を生じさせた」
「ですが、ルールは守って下さい」
 断る--デュアンはそう言ってアルッパーをデュアンロールで包み込む。
「何、する、ンダ、あ」
「そろそろ行くぞ」
「あ、出来れば私も--」
「それは出来ない。俺達が向かう道にはお前の強さを制限する超宇宙もある。幾ら最高神でもルールの違う超宇宙では微生物にさえ負ける。お前は自分の宇宙に戻って姉達と一緒に暮らせ」
 別れの挨拶を告げずにデュアンとアルッパーは去った……残されたのは思いを胸に秘める人魚だけ。
「ああ、あの方達は私を連れて行かないばかりに孤独な戦いをこれからも強いられるのですね。その先にあるのは破滅だと知っても歩を止めないのですか? そうしたら引き留められない私はどうして神として生まれ変わったのでしょう? 教えて下さい、母上」
 そう言葉を綴ったリディアは母星へと帰還してゆくのだった。
 デュアンとアルッパーが進むべき道は未だ荒野の真っただ中。そこにあるのはリディアの預言した通り、破滅しかない……


 赤魔法02 ブラックストーンが起こす悪意 END

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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